30年の時を経て、ついにあの名作「幸福の黄色いハンカチ」がリメイク化される事が決定した!!その製作発表記者会見が2月12日(月・祝)都内のホテルにて行われ、山田洋次監督、アーサー・コーンプロデューサー、野田助嗣(松竹株式会社 専務取締役 映像本部長)が出席した。

「もし、俺を待っていてくれたなら、庭の竿の先に黄色いハンカチを結んでくれ・・・」
1977年、日本映画界の巨匠・山田洋次監督がメガホンを撮り、主演に高倉健、倍賞千恵子、武田鉄也、桃井かおり、渥美清を迎え挑んだ本作は、日本アカデミー賞最優秀作品賞ほか主要6部門を受賞、キネマ旬報ベストワンなどその年の映画賞を総ナメにした日本ロードムービーの最高傑作である。

その不朽の名作のリメイクは、世界で唯一、6度のアカデミー賞に輝いたアーサー・コーン氏が務め、『ミッション』等で2度のアカデミー賞に輝いている撮影監督クリス・メンゲスとタッグを組み、主要キャストにはウィリアム・ハート、マリア・ベロ、エディ・レドメインなどの実力派俳優達を起用し新たなる名作を創り上げる。

会見の始めには山田監督より「最初のリメイクの話は16年前で、色々な問題があり実現出来ず、これは無理かなと思っていたが、4年前にアーサー氏からお話を頂いて凄く嬉しかった。原作は元々アメリカの物語で、僕が日本の作品として映画化したが、今回素晴らしいキャストと誠実な監督によって素晴らしい作品になると思っている!」と長い歳月を経て、やっとリメイク化が実現したことについて喜びが感じられる挨拶が贈られた。
名作のリメイクに挑む事となるアーサー氏は「作品の良し悪しは50%の割合で脚本に左右されると思っている。ハリウッドでは制作費などが話題になる事が多いが、映画はお金をかけて作るのではなく、観客が映画の中の人物達にどれだけ感情移入できるか、心を寄せれるかが最大のポイント!この作品は“ネバーギブアップ”という全世界共通のテーマがあるので、必ずこのリメイクも山田監督の素晴らしい脚本をもって成功する!!」と意気込みを語った。

マスコミからの“16年前から企画があがっていたが、今この時期にリメイク化が決定した最大の決め手は?”という問いに山田監督は「10年以上に渡りリメイク化が決まらなかった背景にはハリウッドの紆余曲折があるというのがよく分かったが、そこにアーサー氏が製作権を手に入れたという事で問題も解決したのではないか!アーサー氏が乗り出してくれなければ実現出来なかった!彼なら傑作が出来ると思った。」とアーサー氏への絶大な信頼と期待の意を表した。
それに答えるかのようにアーサー氏は「山田監督はリズム感が素晴らしい!アジアでこれ程リズム感がある監督はいない!!日本が誇る監督だ!」と評した。

最後に山田監督は「今、僕に出来る事は脚本に対する意見のみ。現場の演出に関しては、このスタッフ達を信頼している!」とコメントし、アーサー氏からは「山田監督にリメイクしてもらって良かった!と思ってもらえるようにしたい。プレミア上映で監督に感想を聞くのが一番大事な部分だと思っている!」との言葉で締めくくった。

会見後の山田監督、アーサー氏による並んでのスチール撮影ではカメラマンからの「アーサー氏!監督と握手していただけますか!」との声に「握手は、作品が出来上がって監督の感想を聞いてからにします!」と答え、このリメイク化への並々ならぬ意気込みが感じられた会見となった。

クランクインは2007年3月22日!
日本が誇る不朽の名作が、ハリウッドの最強布陣達により、どんな名作に生まれ変わるのか!!2009年、春の公開が待ち遠しいものだ。
(Izumi Masunaga)