撮影された2002年から4年という時間を経て、ついに11月11日シアターN渋谷にて、園子温監督『HAZARD』が公開初日を迎えた。園監督をはじめオダギリジョー、深水元基、ジェイ・ウエストが舞台挨拶に登壇した。

園監督は、4年という月日をこう振り返る。「4年という時間はすごく長くて、今見返してみると僕自身、演出がストレートすぎるし、役者のみんなも若々しくて、なんだか恥ずかしい気分です。例えるなら、古い本を開いていたら、昔のリーゼントの写真が落ちたみたいな感じですね(笑)。」

オダギリジョー演じるシンは、眠たいけど眠れない日本から、ハザード”危険”を求めてニューヨークへ向う。アメリカでのロケはキャストの3人にとっても思い出深かった様子。
「日本の朝のロケの時はおにぎり2つにから揚げのセットが出てくるんですけど、やっぱりアメリカのロケの朝食はおいしかったですね(笑)。」(オダギリジョー)
「ジェイ(・ウエスト)とよくつるんで遊びに行きましたね。2人でクラブ行ったらそこがドラッグクイーンのクラブでどうしたらいいかわからなかったことがありました(笑)。」(深水元基)
「先月もニューヨークに行ってたんだけど、あの頃のニューヨークはやっぱり今とは違ってたね。テロがあって1年って時だったからやっぱり雰囲気が重かったよ。でもその中でも思う存分、撮影を楽しんだのを覚えてる。」(ジェイ・ウエスト)

9月に公開された『紀子の食卓』、12月に公開される『気球クラブ、その後』、そして来年公開の『エクステ』など、次々に自身の映画が公開される園子温監督。その中でもこの『HAZARD』には、他の作品とは違った勢いを感じられるはずだ。
「この映画は、生意気なパンクバンドのファーストアルバムみたいなものなんです。12曲を勢いで1日で収録したアルバムのようなもの。青春は危険をかえりみるなっていうことがテーマになっていて、撮影自体も実に危険なものでした。でもその分楽しんでもらいたいと思います。」(園子温)
(林田健二)