7月8日午後渋谷アミューズCQNにて2006年カンヌ映画祭監督週間正式出品作『ゆれる』が公開初日を迎え、西川美和監督、主演のオダギリジョーによる舞台挨拶が映画上映前に行われた。

この日は初回上映後と2回目上映前に舞台挨拶が行われたが初回の1/3の観客は徹夜で臨んだということからもこの映画の注目度が分かる。2人が現れると会場は大きな歓声と拍手に包まれた。
西川美和監督は「ようやく初日を迎え、大事に作ってきた作品なので大変うれしい」と挨拶。主人公である弟・猛を演じたオダギリジョーは「久しぶりに初日を安心していられるというか、『ゆれる』は作品がすごくしっかりとすばらしいものになったので、これから見て口コミでどんどん広げていってもらえれば」また兄・稔を演じる香川照之について「力のある役者で、スタッフやキャストまでをも愛を持って動かすのは感動的でした。」とコメントした。

カンヌ映画祭について、監督は「メイン会場からちょっとはなれたこぢんまりとした劇場で上映が行われましたが、暖かい拍手、映画に対する敬意を感じ、いい体験になりました。日本の家族の風習としてではなく、単純人間本来の普遍のドラマとして描きたかったが、それが伝わったと思う。」

この日7月8日に32回目の誕生日を迎えた西川美和監督に、オダギリジョーから花束が贈られ、監督は「誕生日が初日と同じ8日でツイています。このまま全国ヒットすればいいですね。」と語った。

各キャストの独白として映画完成後に執筆された小説『ゆれる』西川美和著(ポプラ社刊)を合わせて読むことで、この心を揺さぶる人間ドラマをより深く楽しむことが可能だ。
(m.nibe)