5月13日『柔道龍虎房』の初日舞台挨拶がキネカ大森にて行われた。

「日本では競技としての柔道しか浸透していない気がする。この作品を観て、また新たな柔道の一面を発見してほしい」と登壇者の瀧本誠さんは語る。この作品は、柔道をベースにした群像劇である。希望も絶望も、生も死も、すべてが現された作品だ。この根底に横たわる柔道に新たな魅力を見いだしてほしい。登壇した瀧本誠さんは、今年のPRIDEに参加することが決定している。「緊張はしていません。ただ、体格的にやりづらい部分があるので弱点強化してがんばります。」と戦いに向けての意気込みを語ってくれた。

また、メガホンをとったジョニー・トーの作品カメラマンである岡崎裕武さんも登場。監督の印象について「監督は見た通り、結構厳しい方です。出演者の方々はあまり柔道については知らなかったようで腰を痛めている人が多かったです(笑)」などと、撮影秘話も話してくれた。

またこの作品は同名の黒澤明監督へのオマージュ作品でもあるということで、当時“女 姿三四郎”という異名でブレイクし、映画の主題歌も歌っていた姿憲子さんも登場!歌手として思い入れのある「姿三四郎」を熱唱してくれた。「他国の方に自分の歌を歌っていただけてとても嬉しいです。この歌を歌うと、36年前にタイムスリップします。当時は私も青春真っ只中で、この映画も青春をテーマにしているので、いつの世でも青春は不滅なんだな、と改めて感じました。そして、この曲がなかったら、今の自分もなかったな、と感じ入ってしまいます。」と曲への想いを語った。曲に込められた思いに観客は感じ入っていた。

男の強さに浸るもよし。青春時代に帰るもよし。技から起きる風を感じてみてはいかがでしょうか?

(ハヤシ カナコ)