4月13日(木)、都内で『ローズ・イン・タイドランド』の来日記者会見が行なわれた。今回来日したのはテリー・ギリアム監督と主演のジョデル・フェルランド。現実と幻想が混じり合う本作は、まさにギリアム版「不思議の国のアリス」!ギリアム監督の遊び心いっぱいの世界に観る者は引き込まれるだろう。

この映画をどのように観てほしいですか?
監督:「それぞれ自分のものとして体験して欲しい。観た人に話を聞いたら皆異なる反応をしてくれて、興味深かった!いろんな反応を持ってほしいです。」

どんな監督だと思いますか?
ジョデル:「最高の監督だし、大好きな監督!今まで仕事した中で一番楽しい監督でした。」

演じてみてどうでした?
ジョデル:「易しい役とは言えないけど、すごく難しい役というわけでもなかったです。自分だったら、ローズだったらどうするかを考えながらやりました。」
監督:「ジョデルは演出する必要はなかったんだ。素直に少女として反応してくれて、それを捉えたんだ。それを見るのが監督として楽しかったよ。」

子供が主演ですね。
監督:「子供を使うのはあまり好きではないんだ。機械的で、演じるトリックを身につけていたりして、まがいものっぽくなるから。でもジョデルは全て内側から発していて、見てて驚かされてばっかりだったよ!だから自分の影響を与えたくなかった。」

ミッチ・カリンの原作を映画化した理由は何ですか?一番描きたかったテーマは何ですか?
監督:「原作を読んだ時、秀逸な作品だと感じたんだ。子供が見ている世界が書かれていて、起きることも変わっていることばかりで。こういう映画を観たことがなかったから作ろうと思ったんだ。私はテーマを考えて映画をつくってりはしないし、今回は物語全てに興味がそそられた。何にも縛られずに、生きる手段として想像力を使って別の世界を作り上げる、子供の”強さ”とか”したたかさ”を描きたかったんだ。」

この作品で初めてのチャレンジをしたそうですが?
監督:「ジェライザ=ローズのキャスティングが難しかったよ。子役にかかっている映画はほとんどないし、映画全体をしょっていける力を持ってる子役が必要だった。ジョデルほどレンジが広くて深さをもってる役者はいないよ!」

どんな女優になりたいですか?
ジョデル:「今のところはハッキリしたカタチはないです。でも一生演技をし続けたい!そういう中で自然に生まれていく女優さんになるんだと思います。」

最近の作品と比べると小規模の作品ですが。
監督:「『ローズ・イン・タイドランド』はシンプルなだけで、『ブラザーズ・グリム』と同じぐらいパーソナルな作品。でも今回の作品みたいなものであれば、より危険でパワフルで、観ている人を不安にさせるような作品を作ることができるんだ。それは監督として楽しいよ。小規模だからアイデアが浮かんだら、すぐ取り入れることができて、いわゆる遊びの要素が強くなる。そういう違うエネルギーを持って製作されている映画なんだ。」

(umemoto)

□2006年夏、恵比寿ガーデンシネマ、新宿武蔵野館他にてロードショー
『ローズ・イン・タイドランド 』