3月8日(水)、映画『イーオン・フラックス』の来日記者会見が行なわれ、主演のアカデミー賞受賞女優、シャーリーズ・セロンが記者の前に姿を現した。

本作でシャーリーズが演じたイーオン・フラックスは、並外れた知力、戦術、美貌、全てを身につけた最強の暗殺者。400年後の未来を舞台に、過酷な運命を背負ったイーオンが人類の運命に立ち向かう。今回が『モンスター』でのアカデミー賞受賞後の初来日となる彼女が、本作について語ってくれた。

イーオンを演じる為に、髪をブロンドから黒に変えましたが抵抗はありましたか?
「私はすぐ退屈してしまうので、髪の色を変えるのが好きなんです。染めても元に戻せるし。だから抵抗はなかったわ。イーオンを演じるには髪の色やスタイルが重要でした。衣装を身に着けたらブロンドではイメージが違うことに気づいたので、髪をカットして染めました。」

今回の役で一番苦労されたのはどこですか?
「肉体的改造には苦労しました。かなりハードで、どれだけ耐えられるかの挑戦でした。柔軟性を鍛えてもらいましたが、それがこの役の核となる部分だったので頑張りました。」

『モンスター』とは全く違うキャラクターですが、役作りはどのようにされたのですか?
「私が演じる役は『モンスター』と『イーオン・フラックス』を比べるだけにとどまらず、全てそれぞれ違うと思っています。俳優というのはガラッと変わった役をするのが仕事です。」

カリン・クサマ監督とのお仕事はどうでしたか?
「『イーオン・フラックス』というのは、私と監督にとって興味深い世界であり、挑戦したことのない世界でした。だから最初は恐怖感を感じました。監督はキャラクター中心の世界を撮っている方で、今回もそうでした。肉体的にも今までで1番大変な映画だったので、いかに挑戦するかが課題でした。」

オファーは多いと思いますが、演じる決め手となるのは何ですか?
「題材やキャラクターがどうか、また脚本を読んだ時に感銘を受けるか、というのが私にとって大切です。理由が何であれ、ストーリーに入ってみたい、この役を演じてみたいと思えれば演じたいです。」

イーオンと似ているところはありますか?
「イーオンは自分が置かれている世界や環境や政府、状況に疑問を持ちます。そして自分で考えて行動するタイプです。私は母に、自分で考えることや、いろいろなことに疑問をもつことを教えられながら育てられたので、その点は似ていると思います。」

本作で得たものは何ですか?
「イーオンに挑戦するのは、いかにセリフを使わずに体でストーリーを語るかという実験でした。私はバレリーナをやっていた12年間と、舞台での演技で、いかに体で語るかということを愛し始めました。今回はそういう意味でルーツに戻って挑戦したかった。いかに肉体で気持ちを表せるかということ。あまり語らないキャラクターですが、そこが好きです。」

また、美しさの秘訣は?と聞かれて「幸福を信じているから。人が幸せで、心が穏やかな時は美しいのよ。」と答えたシャーリーズ・セロン。新境地に挑んだ彼女の魅力は増すばかりだ。

(umemoto)

□3月11日(土)より、全国東宝洋画系にてロードショー
『イーオン・フラックス 』