太平洋戦争開戦直後の昭和16年(1941年)12月16日、世界最大の戦艦が完成した。その名は「大和」。
昭和20年4月、永遠の海へと旅立っていった「大和」には3000人を超える乗組員が搭乗していた。彼らはただ、愛する人を、そして家族、友、祖国を守りたかった…。

戦後60周年記念作品として誕生した『男たちの大和/YAMATO』。
物語の主役というべき世界最強最大の戦艦「大和」(全長190m:原寸大)には6億円が投じられ見事に再現された。原作は辺見じゅんが大和の生存者や遺族に膨大な取材を敢行して書き上げた傑作ドキュメント「男たちの大和」。監督・脚本の佐藤純彌を筆頭に、音楽には宮崎駿アニメ作品や北野武監督作品でも知られる久石譲、製作に陣頭指揮を執った角川春樹、撮影に「転校生」「突入せよ!あさま山荘事件」などの阪本善尚、また今回脚本を読み強く共鳴し、自らの主演映画以外での初書き下ろしを行った長渕剛がこの大プロジェクトに参加している事でも話題を呼んでいる。
キャストも超大作に相応しい面々が勢ぞろい。

本日、この壮大なプロジェクトで実現された『男たちの大和/YAMATO』のクランク・アップ会見が行われスタッフ&キャスト陣が一斉に顔を揃えた。
登壇者:【スタッフ】坂上順(東映常務取締役)、広瀬道貞(テレビ朝日代表取締役)、佐藤純彌(監督・脚本)、角川春樹(製作)、辺見じゅん(原作)、高石淡(東映代表取締役)
佐藤監督:「この話を頂いた時にテーマは“鎮魂”だと聞かされました。撮影中私に重く圧し掛かっていたものは本当に映画で鎮魂などが出来るのだろうかという想いでした。でも、ずっと感じていたのは空から僕らを見つめているある視線・ある叫び。本作に関しては見つめられているという思い、そしてある叫びに突き動かされるようにスタッフとキャストの情熱を束ねて撮影をしました。この映画を観た人がそれぞれ、鎮魂とは?語り継ぐべきものとは?と考えて頂けるキッカケになれば嬉しく思います。」

【キャスト】反町隆史(森脇庄八役)、中村獅童(内田守役)、渡辺大(伊達俊夫役)、松山ケンイチ(神尾克巳役)、仲代達矢(60年後の神尾克己役)、渡哲也(伊藤整一役)
反町さん:「戦後60周年を迎え、戦争というものが忘れ去られていっている気がします。そんな中で、10代・20代の戦争を知らない世代の人にそういった事実があった事を実感してもらいたいと思っています。」
中村さん:「本作に参加し、これからを生きていく事の大切さを深く考えるようになりました。ぜひ若い人たちにも観て頂き戦争というものを知って欲しいし、これから生きていく事の大切さを感じ取って欲しいです。」
松山さん:「僕は今二十歳なんですが、この歳でこういった作品に出演できて大変嬉しく思います。自分の中で戦争に対して深く知る事が出来たし、本当にこの作品に出会えて良かったと思います。」
渡辺さん:「7月から一緒に苦楽を共にした松山くんたちとも本当の友情が沢山生まれました。そんな中、芝居といえども苦楽を共にした仲間たちが戦いで命を落としていくのを目の当たりにした時は本当に辛かったです。これを観終わった後、どのようなメッセージを届けていたのか?という事を考えて頂きたいです。」
仲代さん:「「大和」で唯一の生存者を演じました。これを観て皆さんがどう感じるか?それが私の1番関心ある事です。60周年にこの企画に出会えた事を誇りに思います。」
渡さん:「60年という節目の年に本作に出演させて頂いた事を重く感じております。私は作品が終わるとその作品に対する思い入れも終わってしまいますが、本作に関しては60周年だからでしょうか?それとも新聞・TV等の報道のせいでしょうか?今もなお、私の胸の中にこの作品が残っております。戦争で散っていった尊い犠牲の上に、今の日本の平和と繁栄がある事をこの作品を通して沢山の人に伝えていきたいと思っております。」

会場には特別に東映オフィシャルH.Pに応募のあった300名の都内中・高校生が来場し、本作での海軍特別年少兵と同じ位の年代という事でQ&Aも積極的に行われた。

なお、『男たちの大和/YAMATO』は11月上旬に完成予定で2005年12月17日(土)全国東映系ロードショー公開!!
(菅野奈緒美)

◇作品紹介
『男たちの大和/YAMATO 』