アジアでは香港・中国合作映画史上歴代NO.1記録を樹立したジャッキー・チェン久々の100%香港アクション・ムービー、『香港国際警察 NEW POLICE STORY』がいよいよ今週末より全国ロードショー公開がスタートする。これに先立つ2月24日、ジャッキー・チェンがこの快心作のキャンペーンのため、二人のフレッシュな共演者ニコラス・ツェー、ダニエル・ウーを伴って来日し、東京全日空ホテルにて記者会見が開催された。原点回帰とも言える本作は、アジア地域で興行収入面・作品面ともに高い成績、評価を得ていることもあってか、会場に現れたジャッキーの表情はひときわ明るく充足感に満ちていた。

 「香港を離れずに撮って来た唯一のシリーズが、“ポリスストーリー”なんだよ。自分の中でもいろいろと葛藤はあったけど、遣り甲斐はあったね。今回の映画では、僕は失敗した警官役なんだ。酒にのまれ、失恋し、若い世代に手をさしのべられる。そういった物語は、僕にとって大きな挑戦だった。そして僕が若い頃多くの方々からチャンスを与えてもらったように、若い俳優達にチャンスを与えていきたいと思って取り組んだプロジェクトがこの『香港国際警察 NEW POLICE STORY』なんだ。最終的に仕上がった作品にはとても満足している。実際東南アジアの各国では興収記録を出し、様々な章を受賞したりノミネートされたりしたんだ。
 今日、ここに同席したダニエルは、デビューした頃は広東語がほとんどしゃべれなかったんだけど、今では広東語・北京語共にペラペラに話せる。本当にすごい努力家だよ。一方ニコラスに関しては、僕は香港の映画監督協会・俳優協会の会長をしているんだけど、そうした会合で出会う監督の誰からもニコラスの悪い話は聞いたことがない。二人とも、何かの機会に是非一緒に仕事をしたいと思ってたんだ。僕が仕事のパートナーに選ぶのは、向上心があり困難を怖れずに努力する人たちなんだ。そういう意味では、彼ら二人のみならず本作で競演した若手俳優は皆素晴らしかったよ」(ジャッキー)。

 そんなジャッキーの期待に応えた二人にとってジャッキーは、自分達が子供の頃からその活動に熱中してきた神様のような存在。そんなジャッキーとの仕事を二人は、目を輝かせながら語った。
 ジェネックス強盗団のリーダー、ジョーを演じたニコラスは、「僕がジャッキーから学んだ一番のことは、演技や役者云々ということ以上に、彼の人間としての姿勢なんです。ジャッキーは撮影現場でも自ら率先して落ちているゴミを拾ったり、常によりよい人間になるにはどうすべきかを考え実践しているんですよ。勿論、伝説的な大ヒットシリーズへの出演ということで、勿論プレッシャーはあったし、実際現場でも「これは夢なんじゃないか?」と自問することも多かったけど、現場では高いテンションをキープするよう常に意識して、撮影に臨みました」と本作の現場をふりかえってコメント。

 一方、ジャッキーをサポートする謎の青年シウホンに扮したニコラスも、「ジャッキーには勿論映画でも多くのことを教えてもらったけど、細かい普段の動作なんかでも学ぶべき点が実に多かったよ。プレッシャーも勿論あったけど、撮影に入る1週間くらい前からジャッキーの以前の作品を全て見返して差杖に臨んだんだ。実際、スタントとか恐かったこと大変だったこともたくさんあったけど、以前ジャッキーが語ってくれた「今日のお前は以前の僕、今日の僕は今後のお前」という言葉を思い出しながら撮影に取り組んだよ」と、大先輩への思いを語った。

 なお今後に関してもジャッキーは、ハリウッドのスタジオと組んで10本のアクション映画の製作、韓国のプロデューサーと組んでのテレビドラマ製作、新宿を舞台にした日本との合作プロジェクト、そして次代のジャッキーとも目されるタイのアクション俳優トニー・ジャーとのコラボレーションなど、様々なプロジェクトが待機中で、いよいよ全世界的な活躍の展開を予定している。そんな世界戦略の一歩ともいうべき『香港国際警察 NEW POLICE STORY』は、2005年3月5日より、有楽町スバル座、シネマメディアージュ他東宝洋画系劇場にて全国公開される。
(殿井君人)

□作品紹介
『香港国際警察 NEW POLICE STORY』
□公式頁
『香港国際警察 NEW POLICE STORY』