第二次大戦末期、日本への第3の原爆投下を回避すべく、日本海軍は超高感度の新型索敵装置“ローレライ・システム”を搭載した戦利潜水艦・伊号第五〇七潜水艦を差し向けた!福井晴彦原作の『戦場のローレライ』を平成“ガメラ”シリーズの特技監督として知られる樋口真嗣監督が映像化した潜水艦エンターテインメント大作『ローレライ』。週末からのロードショー公開を目前に控えた3月2日、HMV渋谷に本作が長編映画初監督となる樋口真嗣監督、ヒロイン・パウラ役の香椎由宇、掌砲長・田口徳太郎役のピエール瀧が来場し、多数詰め掛けたファンの前でトークショーを行った。

 元々原作である『戦場のローレライ』は、福井晴彦の大ファンであった樋口監督が、他の福井作品よりは短めで映画化向きの原作を、潜水艦、終戦期、そして女の子を出して…とネタフリしたことがスタートだったとのこと。それだけに樋口監督にとっては、まさに念願叶っての初監督作品なのだ。樋口監督は「結論から言えば人間万歳、素晴らしいなと本当に思いましたよ。自分ひとりでやっている想像力って、限界があるんですよ。そういう時に、皆がこの物語の世界に生きている人間になって意見をぶつけてきてくれるんです。自分は物語を進めていく役割なんですけど、それとは別の視点での意見がすごく新鮮だったんですよ。そういう意見が入ることで、登場人物の一人一人が生きてくるし、それを自分の中の思惑に当てはめていく作業が、多分頭から湯気が出てたと思うんですけどよかったですよ」と初監督の感想を語った。

 本作でデビューを飾る香椎由宇が、ヒロイン・パウラ役に内定したのはなんと撮影がはじまる2年前。さらにその間、ミステリアスなキャラクターを維持するため他の作品には出ないよう指示されていたとのことで、撮影がスタートするまでの期間を「本当にパウラになってましたね。早く出してよって」と笑って振り返った。「撮影で大変だったのは、監督のイメージ通りに自分が動くことですね。と言うのは、地球上にいると無理な動きを注文して来られるんですよ。倒れる時の髪の毛のふわっとした動きとか、私の意思ではどうにもできないんですけど(笑)。でも、撮影自体はインからアップまで、毎日毎日が楽しかったですよ」と嬉しそうに語った。しかし、髪の毛の動きのイメージまで追及するとは、アニメや特撮関連でならした樋口監督の面目躍如といったところか(笑)。

 また田口徳太郎役のピエール瀧は、丁度大型の潜水艦のプラモデルを物色中に本作の出演依頼の電話を受け、思わず「別に本物に乗りたいとは言ってないよ」と答えてしまったとか。「撮影終了まで結局水は一度も見てません。皆でそこにないものを想像して演じるのが楽しかったですね。樋口さんからは、CGの製作現場ものぞかせてもらいましたよ。撮影で大変だったのは、戦時中のお話ゆえにこの腹を隠すことですかね(笑)。CGで消したりして(嘘)。作品の見所は、戦闘シーンの爆発の仕方等に対する樋口さんのフェチな部分。そんなところを是非楽しんで欲しいですね。

 なお『ローレライ』は3月5日より全国東宝系にてロードショー公開。また、HMV全店では対象商品購入者にHMVオリジナル『ローレライ』ポスターがプレゼントされ、さらに応募者の中から抽選で貴重な『ローレライ』グッズが当るHMV『ローレライ』キャンペーンを3月13日まで開催中だ。
(殿井君人)

□作品紹介
『ローレライ』
□公式頁
『ローレライ』