女性を主人公に、愛、友情、そしてエロスをテーマに、6人の監督が製作した『ラブコレクション』シリーズ第二弾公開『揮発性の女』と『月とチェリー』の公開初日舞台挨拶が、渋谷シネ・ラ・セットにて行われた。

『揮発性の女』からは、熊切和嘉監督、主演の悦子役の石井苗子さん、理一役の澤田俊輔さん、音楽を担当した“赤犬”の松本章さんがゲストで登場した。本作は、未亡人の女性が、若い強盗犯と出会い、生活を共にすることで、「女」を取り戻していくという作品である。
 作品について、熊切監督は「5日間の撮影だったが、役者とスタッフが頑張った。石井さんが、微妙なニュアンスを分かって演じてくれた。」 石井さんは「主演は初めてでしたが、気持ち良かった。」 澤田さんは「疲労と眠気の連続でしたが、すばらしい作品で安心しました。監督の力に一緒に乗せてもらった。」と語った。また、年齢差のあるラブシーンについて、澤田さんは「年上の方とラブシーンをするのは初めてだったので、新たな挑戦をした。」と語った。

 続いて『月とチェリー』からは、タナダユキ監督、主演の真山役の江口のりこさん、田所役の永岡佑さん、茜役の平田弥里さんが登場した。本作は、官能小説サークルで出会った女とバイト先の2人の女に翻弄する大学生を描いた作品である。
 作品について、タナダ監督は「お客に見てもらってはじめて映画になる。R−15、エロという点で悩んだが、自分ができる範囲でやろうと考えた。」 役づくりについて、江口さんは「どういう風にってことはないけど、自分らしさを大切にした。」永岡さんは「台本を読めば読むほど分からなくなったから、自分勝手にさせてもらった。」と語った。3角関係という設定については、「その設定よりも人と関わる時に、葛藤する気持ちを描いた。」とタナダ監督。

 そして、とても和やかな雰囲気の中、舞台挨拶は終わった。

 熊切監督が、男の視点で女の内に潜む“女”を描いた『揮発性の女』と、タナダ監督が女の視点で描いた過激で過激で切ないラブ&エロス『月とチェリー』。
「エッチな描写のある作品はちょっと…」という方にも、性別を問わず必見ではないだろうか。
(籠宮誠)

※『揮発性の女』『月とチェリー』は12月25日より渋谷シネ・ラ・セットにてロードショー!

作品紹介
『揮発性の女』
『月とチェリー』