アジア最大の映画の祭典と誇る東京国際映画祭(TIFF)が、今年もいよいよ開幕。映画祭初日を迎えた六本木ヒルズは、いつにもまして賑わいを見せていた。
 
けやき坂に敷かれたレッドカーペットの上で、ゲストたちは時折声援に応えて立ち止まりつつ笑顔をふりまく。『銀のエンゼル』『シンクロ二シティ』『ULTRAMAN』『狼といた時』『約三十の嘘』『インストール』『ニワトリはハダシだ』『美しい夜、残酷な朝』『大統領の理髪師』『るにん』『スキゾ』『いま、会いにゆきます』オープニング上映作品『隠し剣 鬼の爪』など、26作品の監督、俳優、関係者が、約6000人の観客に見守られながらゆっくりとアリーナへ、そしてオープニング会場のグランドハイアットへと進む。女優陣は思い思いの和装や洋装で華やかかつ艶やかな姿を披露し、人々のため息を誘う。中には、ゴールドの蝶ネクタイをした、いやに目つきの悪いパンダのゴンゾウ(『約三十の嘘』のストーリーの鍵を握っているらしい着ぐるみ)、父は袴で母は振袖、子供たちはタキシードのウルトラマン一家というユニークなゲストも現れ観客を楽しませていた。

そしてジョン・カビラ氏と久保純子さんの司会のもと、光・音楽・映像による素晴らしい演出と共にセレモニーが始まる。日本経団連の奥田碩氏、山田洋次国際審査委員長の挨拶、石原慎太郎東京都知事からのビデオメッセージ、角川歴彦ゼネラルプロデューサーによる開会宣言、さらに小泉純一郎首相の祝辞と、粛々とセレモニーが進み、オープニング作品である『隠し剣 鬼の爪』のゲストが登壇し舞台挨拶が始まった。顔ぶれは、山田監督、永瀬正敏さん、松たか子さん、小澤征悦さん、光本幸子さん。コメントは以下のとおり。

永瀬:「日本映画を、楽しんでください。」
松:「本来なら客席に座って映画を勉強すべき身です。この映画に出演できたことを光栄に思います。」
小澤:「山田監督の映画の空気の中で自分が存在できたこと、観て頂けることが最大の喜びです。」
光本:「素敵な作品ですので、どうぞご覧になってください。」
山田監督:「心をこめて作った映画です。俳優・スタッフがこめたその思いこそ、この映画のメッセージです。」

また、山田監督は「人を殺すことがどんなに辛いことなのか、苦しいことなのかということを考えて欲しいと思います。争うことは良くないということを感じて頂けたら」と述べ、審査員長という立場については「映画人は仲間です。その仲間の映画を評価することはとても大変なこと。東京グランプリと誇れる作品に賞を与えたい」と語った。

300を越えるエントリーの中から選ばれた、15本のコンペティション作品。栄えある2004年東京グランプリを受賞するのは、どの作品なのでしょうか。期間中は、ゲストによる舞台挨拶やティーチイン、その他のイベントも企画されておりますので、お時間のある方はぜひ六本木ヒルズ&渋谷Bunkamuraへ!!
(村松美和)

東京国際映画祭