東京国際ファンタスティック映画祭で去年から新設されたデジタルショートアワード「600秒」は、一般から公募され、きっかり600秒=十分間のお笑い、ホラー、アニメーションとジャンルにしばられない自由な表現の発表の場として去年に引き続き今年も開催されます。映画祭開催1ヶ月前の9月15日より毎週水・木・金曜日、ニッポン放送の有楽町の新社屋にできた「イマジンスタジオ」で1次選考通過作品の予選上映会が開催されている。初日の本日は、開場前から学校帰りの学生や仕事帰りの方々が押し寄せました。
 
 15日に上映された作品は「バス停MISSON」「MAKOTO」「ママゲリア」「窓女」「冷血デスマッチ」の5作品を上映。600秒という限りある枠の中、映画として話を完結させ、映像技法も遊んだものや色濃く印象を残す個性の強い作品ばかりです。
初日と言う事で「MAKOTO」の松田圭太監督、「窓女」「冷血デスマッチ」の山本俊輔監督が登壇。作品についての苦労した点などを話しをし、ゲストとして訪れた東京ファンタスティック映画祭のチーフディレクターいとうせい
こうさんはこう話す。
「600秒は商業的なものではなく、個人で制作されているから普段は見られないような面白いものや表現があります。それこそが見どころでしょうね!」
自由な表現に祝福するように笑顔で語った。
同じゲストの映画批評家の塩田時敏さんも笑顔で「賞金をお酒につかってしまう人ではなく、ちゃんとつかってくれる人に賞を与えたいね。」と前回の授賞者の笑いも含めつつ、作家に対する期待感が伺える。
また、600秒の上映後には、ファンタの顔ともいえるプログラミング・ディレクターの大場渉太さんとワーナー・ホーム・ビデオの生駒さんが登場。今年で20周年を迎えるファンタがここまで長くやってこれたのはいろんな映画会社、ビデオ会社の協力があってこそのこと、と大場さん。ワーナー・ホーム・ビデオもそのひとつ。ということで今回はワーナー・ホーム・ビデオの今後のラインナップも発表してくれた。ゆうばりファンタで上映した「MUSA」と、昨年の東京ファンタのオープニング作品「ロストメモリーズ」などのDVDが発売される。また、今年の600秒枠で特別招待作品として上映されるジョージ・ルーカスの処女作「THX1138」の予告編もちらりと紹介。若きクリエーターたちの発見と巨匠のデビュー作を同じ枠で見せてしまうという太っ腹なプログラミングもファンタならでは。さらにそのうえ、ジョージ・ルーカスからの生のビデオメッセージも映画祭に届くと発表しました。

 東京国際ファンタスティック映画祭も今年で20年目となり、多くの映画を発信してきました。その中でもクリエイターの登竜門ともなろうとし、新たな新進気鋭を発掘する「600秒」に多くの観客が選考会から足を運ぶことは必然なのかもしれません。
 また、今回の予選会でも観客の方にアンケートをとり、その結果を参考に、映画祭に上映されるノミネート作品を600秒委員会側で審査します。映画監督にとって憧れのミラノ座に上映される作品はどれだ!?新たな表現分野の開拓は600秒を鑑賞するお客様自身でもあります。
9月15日から映画祭までの約1ヶ月間、毎週水曜、木曜、金曜と有楽町駅ニッポン放送地下2階、イマジンシアターで20:00〜選考会が始まります。日ごろ見られない新しい才能をもったクリエーターたちの表現をお楽しみください。
(ふぁんた組・佐藤麻理恵)

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東京国際ファンタスティック映画祭