今、この国の行方に不安を抱かない者はいない。我々の未来とは?あるべき国家の理想とは?アメリカの同時多発テロ9.11以降、そういった問題があるという現実を突きつけられた私たち。しかし1999年にいち早く問題提起していた小説があった。それが「亡国のイージス」である。福井晴敏氏著の本書は、日本推理作家協会賞・日本冒険小説協会大賞・大藪春彦賞の3賞を制覇、58万部を越えるベストセラーとなった。そのストーリーのスケールの壮大さなどから日本では絶対映像化は不可能と思われていたが、今回ついに映画化されることが決定。監督やキャスト、配給関係者が製作発表会見を開いた。

阪本順二監督、<いそかぜ>先任伍長・千石恒史役の真田広之さん、<いそかぜ>副長・宮津弘隆2等海佐役の寺尾聡さん、DAIS内事本部長・渥美大輔役の佐藤浩市さん、FTG・溝口哲也3等海佐役/ヨンファ役の中井貴一さん、プロデューサーの小滝祥平氏、原作者の福井晴敏氏、日本ヘラルド映画の坂上直行氏、松竹株式会社の久松猛明氏が登壇。「見どころは、作り物でないスケール感」という阪本監督は、この錚々たるキャストと力のあるスタッフに加え、防衛庁、海上自衛隊、航空自衛隊の全面協力という前代未聞の体勢で映画化に臨む。
 真田さん「スケールの大きい、世界に通用するエンタテイメントになると思う。素晴らしいメンバーに囲まれ、文字通り大船に乗ったつもりで突っ走っていきます」、寺尾さん「イージス艦内を見学し、日本の実際の装備をみて驚いた。日本をどう考えるか、というところを見てほしいです」、佐藤さん「久しぶりに興奮しています。威風堂々と邁進していきたい」、中井さん「胸をはり、力を合わせてベストを尽くしていきたい」とそれぞれコメント。中井さんが「ステキな“ヨン様”を演じたい」と皆を笑わせる場面もあった。

今までありそうでなかったこの4名(日本アカデミー最優秀主演男優賞受賞者。ちなみに阪本監督は同最優秀監督賞受賞者)の顔合わせ。他の共演者も気になるところですが、それはまた改めて会見を開くとのこと。
(村松美和)

■『亡国のイージス』は、2005年夏休み 丸の内ピカデリー1ほか全國松竹・東急系にて超拡大ロードショー!

□作品紹介 『亡国のイージス』