余命数ヶ月と宣告された少年の「神秘の青い蝶、ブルーモルフォを見たい」という夢を叶えるため、ある昆虫博士は、少年とその母親と共に蝶を探す旅に出る。それは困難を極めるものだったが、それぞれの人生を大きく変えることとなる。そして、想像もしなかった奇蹟が起きた…。
この、映画『天国の青い蝶』の実在モデル、奇蹟を呼んだ昆虫博士ジョルジュ・ブロッサール氏が来日し、  28日、渋谷・こどもの城にて講演会を行った。約30組の親子が参加し、始まる前から子供たちは昆虫話で盛り上がる。昆虫の中でも蝶が好きだという子供たちばかり。

「君たちに会いに来ました」と、待ちに待ったブロッサール博士が登場すると、どんな話が聴けるのかと子供たちの目は輝きを増す。「私は君たちくらいの年の頃、世界中のきれいで素晴らしい昆虫を捕まえたいという夢があった。でも親は反対し、弁護士になることを願った。今、私は“昆虫の弁護士”になっています」と言い、「子供の夢に親が反対するというのは、おかしいと思いませんか?昆虫を勝手に怖がったり、正しい知識を持たないのはたいてい大人の方なのです」と優しく保護者たちに語りかける。

博士は、持参した標本や生きた昆虫を披露。60種いるというブルーモルフォのうち5種を見せられると、そのあまりの美しさに子供だけでなく大人からも歓声があがる。「宝石のようでしょう?」と、黄金虫という色とりどりに光る虫の標本にも、皆 夢中になって見入る。他にも、モンシロチョウやナナフシ、大きなクモ、サソリなども取り出し、子供たちに「怖いのは誰?怖くないんだよ。ほら、大丈夫。君は勇気があるね」と話しかけながら触れさせる。子供たちの表情は、嬉々としている。
「夢があるかい?夢をもってね。夢を大事にね。家から出て、外へ、自然の中へ行ってください。きっと色んなことを教えてくれるから。その小さな耳で、自然の声を聞いてください。自然は、喜びの源なのです」と、博士は想いを込めてメッセージを贈る。

博士の力強くも温かい口調に、表現しがたい魅力を感じました。この人と居れば奇蹟だって起きても不思議ではない、と思わせられるような…。「自然を好きな人に、自然は力をくれます」と博士は仰っていましたが、それはきっと真実なのでしょう。
講演後、子供たちやその保護者たちが博士と昆虫を囲んで交流。「わあ、握手しちゃった!」と、一人の男の子が、自分の手を見つめながら興奮気味につぶやく。今日の体験と、博士の言葉、そして今の気持ちを忘れないでいて欲しいと思います。
『天国の青い蝶』、この夏オススメの作品です。どうぞご覧になってください!
(村松美和)

■『天国の青い蝶』は、2004年8月14日(土)より、シネスイッチ銀座、関内MGAほかにて感動のロードショー!
□作品紹介『天国の青い蝶』