コンペティション部門に出品された主演作『誰も知らない』で、14歳という最年少での主演男優賞受賞によって今年のカンヌ映画祭を沸かせた柳楽優弥くんが凱旋舞台挨拶と題して、是枝監督ほか出演者たちと試写会において舞台挨拶をおこなった。
 88年に実際に起こった母親に置き去りにされた4人の子供たちの話をベースに2DKのマンションの一室での彼らの生活を描いたこの作品は、母親に捨てられたと分かりだんだん荒廃していく後半部分は、ずいぶんと痛ましいものがあるが、それと同時に子どもたちの目線で細部を映し出す繊細なカメラワークによって描かれる彼らの生活のひとつひとつはいじらしくも豊かなものを感じさせてくれる作品である。
舞台挨拶ではカンヌ映画祭のレッドカーペットと同じくらい緊張しているとコメントした柳楽くんだったが、弟妹役の北浦愛、木村飛影、清水萌々子ももじもじしながらもどこかコミカルな様子が会場をほんわかと優しいムードでつつんだ。その他、彼らと心を通わせる少女役の韓 英恵(『ピストル・オペラ』の裸の少女!)に加え、母親役で本格的な映画初出演となったYOU、是枝監督がそれぞれコメントした。

★2004年夏休み、シネカノン有楽町、渋谷シネアミューズにてロードショー

□作品紹介
誰も知らない