いま世界で注目されている監督キム・ギドク。第2回東京フィルメックスで披露された『受取人不明』で2年連続でベネチア国際映画祭で選ばれ相次ぐ最新作も海外で高く評価されており、日本でも来年には、未公開作品が相次いで一般上映されることが決定している。
最新作は山中の湖に浮かぶ寺に住む僧侶の生涯を季節ごとのエピソードで作られ自ら冬のエピソードで役者としても参加している。今年のロカルノ国際映画祭でワールドプレミアされ、2年ぶりに東京フィルメックスに監督は帰ってきた。

上映後のティーチインでは、「水の上に浮かぶ移動できるお寺の発想に関して、監督自身が様々な場所で活動しているように、お寺も移動できたほうがいいのでは?という発想とロケハンで山の中のお寺を探していたのですが、昔たくさんあったようですが、今ではなかなか見つけることができず、偶然に発見した湖をみつけ、なければ作ろうという発想で、湖の上にお寺を作りました」
監督がご自身が出演しているシーンに関しては「あのシーンに出演していただく役者は、決まっていたのですが、全部で20シーン、そのシーンのためだけに髪の毛を剃らなければいけないというので、それなら自分で演じようとトレーニングを積んで体力つくりをして演じました。」

次回作は、日本と韓国との関係を深く描く『飛鳥』(原題)では日本の飛鳥時代を舞台にした作品で聖徳太子や蘇我馬子、推古天皇などが登場する物語になるそうです。
なお、『悪い男』は、来年2月下旬より新宿武蔵野館にてロードショー公開が決定しており、『受取人不明』も来年公開が予定されている。
(Yasuhiro Togawa)

□東京フィルメックス2004
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