『ミッション・インポッシブル』の鬼才ブライアン・デ・パルマ監督の2年ぶりの新作『ファム・ファタール』は彼の往年のヒット作『殺しのドレス』『ボディ・ダブル』のような最も得意とするサスペンス作品である。主演はレベッカ・ローミン=ステイモス、『X-MEN』シリーズでミスティーク役を好演した彼女が色んな顔を使い分け、デ・パルマ型21世紀の悪女を演じる。来日会見は、世界中が注目するカンヌ映画祭の会場で1000万ドルの宝石を彼女が盗み出す、というなんともゴージャスな冒頭シーンにちなんで、日本で唯一レッドカーペットをもつ宝塚劇場で行われた。いろんな顔を使い分ける悪女としての芝居をみたデ・パルマ監督は、現場に訪れていたレベッカの旦那さんに「君はどんな女と結婚してしまったかわかっているのか?」と絶賛したそうだ。当の本人は、『ファム・ファタール』の主人公ロールについて彼女が思う悪女をこう語った。「映画史には燦然と輝くような悪女の歴史があって、すでにアイコン化している。けどそれはネガティブなイメージがつきまとっている。彼女たち悪女は自分の性的魅力をフルに使って周りを惑わす。けれど私は自分のセクシュアリティを発揮することは悪いことではないと思う。私の中にもファム・ファタールの部分があると思うし。でも私が演じたロールと今までの悪女たちの違っているところは、彼女たちは映画の中で後悔したり自らの罪を謝ったりしているシーンがあること。私が演じたロールは決して謝らない。彼女はとことんワルだし、そういう意味ではちょっと男性的よね。こういう役って演じていて本当に楽しいかった。」

☆『ファム・ファタール』は8月23日からロードショー!!

□作品紹介
ファム・ファタール

□公式ページ
ファム・ファタール

(綿野かおり)