第五回ド−ビル・アジア国際映画祭のDVコンペティション部門においてグランプリ受賞し、第15回シンガポール国際映画祭、第14回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭などに正式出品されるなど、多くの映画祭で話題となったのが、坂牧良太監督の長編デビュー作『こぼれる月』である。監督自らの経験をもとに、ひきこもりやパニック障害を抱える若者とその恋愛を描いている。現在開催中のぴあフィルムフェスティバルにおいても、「最新日本映画」として三池崇史監督『牛頭』や黒沢清監督『ドッペルゲンガ−』と並んで紹介され、上映前には坂牧監督、出演者の岡元夕紀子、河本賢治、岡野幸裕が舞台挨拶を行なった。

坂牧監督「映画祭をのぞけば今回がはじめての上映です。とても緊張しています。スタッフキャストともにとても恵まれました。岡元さんは、自分のように頑固な監督によく食らいきてくれた大変珍しい女優さんです。彼女の出ている作品はすべて観るべきですよ。河本くんとはよく喧嘩しましたねー。僕はもとは役者をしていたんですが、自分にはできないことを彼は平気でやってしまうんです。けど、精神病という役ということもあって、僕はすぐには気づかなかったんですが彼もそうとう葛藤の中にいたようです。とてもいい役者さんです。岡野くんには本当にお世話になりました。撮影の最後の最後までつき合ってくれて、彼とは半年は一緒に過ごしました。ちょっと八つ当たりしてしまったり怒られながらも役を見事に体現してくれました。本当にありがとうございます。」

☆『こぼれる月』は8月16日よりシネマ下北沢にて2週間限定イブニングロードショー!!

(綿野かおり)