今月12日からはじまったぴあフィルムフェスティバル。なかでもPFFのトータルプロデュースのもと、ベテランスタッフと力強いキャストによる若手監督の長編製作は今年で13回目を迎えている。第11回スカラシップ作品『IKKA:一和』、第12回スカラシップ作品『BORDER LINE』の劇場公開を記念して、『IKKA』の川合晃監督の1999年PFFアワード審査員特別賞、音楽賞受賞作『他、3本。』と『BODER LINE』の李相日(り・さんいる)監督の2000年PFFアワードグランプリ作品『青〜chong〜』の特別上映がおこなわれた。

『他、3本。』の川合晃監督は「この作品は当時住んでいた大阪で撮りました。映画学校を出て、カラオケの映像を作る会社に勤めていたんですがつまらなかったので映画をつくってみたのがこの作品です。会社のお盆休みに会社の子とか友達に手伝ってもらいました。この頃からもう4年も経っています。今は東京に住んでいたり、結婚もしたりと色々環境は当時から変わってしまっています。劇場公開される『IKKA』もよろしくお願いします。面白いですよ!」と語った。

一方、在日朝鮮人学校に通う高校生の青春を描いた李相日監督は、日本映画学校の卒業制作として作った『青〜chong〜』についてこう話す。
「僕はこの作品で在日という切り札を使ってしまったので、今後は一切このテーマで作品は作りません。というのは、卒業制作って生徒全員が監督やれるわけじゃないんです。まず企画次第だったので僕は監督をやりたくてこういうテーマを選びました。ですから今公開している『BODER LINE』は在日のテーマは入っていません。純粋に映像表現をしたいんです。」

☆ぴあフィルムフェスティバルは日比谷シャンテ・シネにて7月25日まで開催中!!

◇公式頁「ぴあフィルムフェスティバル」

(綿野かおり)