真夜中の12時になると、オレからアタシに変身!?世界一の犯罪とし、麒麟タウンでR&R探偵事務所を開く乱馬とレラは、マフィアのボスから命を狙われ事故死したはずだったが、奇妙な体となって生き延びていた…『ルパン三世』を生み出したモンキーパンチによる、幻のスパークリング・アクション・コメディ『シンデレラボーイ』が、SKY PerfecTV! アニメ専門チャンネルAT-Xにて遂にアニメ化される。去る5月16日、都内で本作の製作発表会が開催され、原作者のモンキー・パンチをはじめ、スタッフ・声優が登壇し、時代を越え二十数年ぶりに甦った作品への思いと、意気ごみを語ってくれた。

モンキー・パンチ(原作・監修)——忘れていた作品で、24・25年位前に連載のつもりで書いたが、一度オープニングを描いただけでした。昔の怪奇映画『フランケンシュタイン』が念頭にあり、未だ当時目新しかったDNAをヒントにしたものです。今回新たにアニメになるということで、脚本を読んだところ、かなりよく纏まっていて、楽しい作品になっているようなので、是非期待して欲しいです。
男性と女性が12時になると入れ替わる作品で、原作の私立探偵という部分は活かしてもらってますが、昼と夜の2回12時間ごとに入れ替わるという部分はアニメだと忙しなくなるので、真夜中の12時1回に変更してもらいました。この原作は、僕自身が予告編を書いて終わっている状態なので、後は監督さんに自由にまとめてくださいとお願いしました。
僕の作るキャラクター達は、皆個性的にですが、同時にルパンや不二子に引っ張られてしまう傾向もあるのですが、今回は引っ張られないように作ってくれたのが、すごくよかったですね。

冨永恒雄(監督)——お話をいただいた時、最近のアニメはシリアスとギャグの両極端で、コミカル…ストーリーがあって笑いがあるもの…が少なかったので、そういうものが面白いかと思い引き受けました。シリーズ化するにあたっては、自由に楽しくやらせていただいてます。例えば、コンセプトとしては、乱馬はアンティックなものを好み、原作の愛車はロンドンタクシーなんですが、それをエアカーにしてみたりとか、面白さを重視してますね。アメリカのTVシリーズのようなスタイルで演出したいと思ってます。テンポよく、楽しく、面白く仕上がっていると思いますので、楽しみにしてください。

子安武人(乱馬役)——作品自体がスタイリッシュで、大人の匂いがあって、お洒落な感じのする作品です。大人向けアニメが少なくなってきている中で、二十歳を越えた酸いも甘いも判るようなした人が楽しめる作品だと思います。
二人が入れ替わるという物語は、知らない空白の1日があるという設定で、自分たちが何をしていたかがいつも疑問でいるので、そのへんがこれからどうなっていくのか?と考えながら演じています。モンキーパンチ先生の原作であるということは滅茶苦茶意識してまして、大きなプレッシャーを感じていますが、同時にそこを心地よく自分の方に持っていけたらと思ってやっています。様々なことが挑戦できる現場のようなので、なるべく萎縮せず、プレッシャーを感じてもそれを楽しみにしていけたらなと思います。

冬馬由美(レラ・シンディ・白雪役)——久しぶりに、大人のアニメだと思います。20数年前に描かれたそうですが、今見てもとてもそうとは思えません。むしろ、今描いたのかなと思える新鮮な作品なので、私も期待しています。役どころとしては、乱馬がわりと普通の人で、金銭感覚が厳しいところがある中で、レラはお金持ちのお嬢様。不自由の無い彼女が求めるものは何か?という部分で、スリルやワクワク感でつき合い始めたのが乱馬ということなので、普通のお嬢さんにはならないようにというのはありますね。レラは宝石やアンティークが好きなところが、私と今と共通しているかな。同姓からも、男性からも好かれる立ち位置を気をつけ、乱馬と切磋琢磨していきたいと思います。

キヨシ(ドミノ88 vo./OPテーマ曲)——僕が生まれたのが25年前なんですが、子供の頃からモンキー・パンチ先生の作品は僕のヒーロー。時代を越えてスタイリッシュな作品の音楽をやらせてもらえて、本当に光栄です。
『ルパン三世』を見て育ち、モンキー・パンチ先生の作品の音楽はカッコいいとずっと思っていてたので、主人公の二人にできるだけなりきり、兎に角スタイリッシュで、ちょっと大人っぽく、夜のクラブでもDJがかけられるような、ダンスな曲に仕上げました。

なお『シンデレラボーイ』は、アニメ専門チャンネルAT-X(SKY PerfecTV!・SKY PerfecTV!2)にて、6月21日(土)10時30分〜放映開始!大人な感性のアニメーションに、期待したい。
(宮田晴夫)

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シンデレラボーイ
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