2002年度の東京国際映画祭でも、特別招待公式参加作品として上映され、すでに話題沸騰となっている、『Jam Films』が28日よりいよいよ公開となった!

 日本映画界の最先端を走る、7人の野心的な監督たちが、それぞれの個性や情熱を、10数分という短い時間の中に凝縮し、その強烈かつ斬新な7作品を1本の映画にまとめるという、何とも大胆な試みをやってのけた史上初のコンピレーションフィルム、『Jam Films』あえて競作には欠かせない、共通のテーマを設けず、それぞれの監督が純粋に”撮りたい”作品を作ったということもあって、この映画はまさに開けてみるまで何が飛び出してくるのかわからない、贅沢な”玉手箱”のよう。監督と俳優による豪華なコラボレーションも、見逃せない点の一つである。

 何度でも様々な見方が楽しめる、エンターテイメント性に富んだこの作品の公開を待ち望んでいた、超満員の観客の熱気に包まれる中、シネアミューズにて監督、出演者ら総勢7人による舞台挨拶が行われた。

 北村龍平監督−−「あまり何も考えずに今回の企画に参加したんですが、まさかこんなメンバーが集まるとは僕も思っていなかったので、(参加できて)すごく光栄です。思いつきで、ぱっと上手く軽く作品を作るということはすごく重要だと思うし、ちょっと集まって作品を作ってみよう、というコラボレーションができたことは良い経験になったので、次も是非やってみたいと思っています。」

 篠原哲雄監督−−「短編映画は瞬発力勝負なので、”気持ちよくて心地よくてシャープな感じの作品”を目指した結果、『けん玉』という題材になりました。主演の山崎まさよし作曲の、けん玉も楽器の一部として使用した、リズムセクションに重点を置いた音楽も楽しめると思います。多少エロティックな要素もありますが、ほんわかした作品になっていると思います。思いっきり笑って楽しんで下さい。」

 篠原涼子−−「今日はたくさんの方にお越し頂いて、本当にどうもありがとうございます。立ち見の方までいらっしゃって、光栄な限りですごく嬉しいです。今回『けん玉』に出演させて頂いて、自分では発見できなかった部分を色々と発見できたので、すごく財産になる良いお仕事を与えて頂いたな、と思っています。全ての監督の作品はとても楽しいので、あっという間に終わってしまうと思いますが、是非楽しみにご覧になって下さい。」

 堤幸彦監督−−「並いる監督の方々の中で、本当に俺でいいのかと思いながら、貧乏コントのようなものを撮らせて頂きました。『バカヤロー』という短編でデビューしたんですが、なぜか僕は”テレビの人”と思われがちなんですが、今回の作品を通じて”映画も作るんだな”と思って頂きたいな、と思っています(笑)今回の試みは本当に楽しくて、特に7作品まとめて見るとすごい試みに参加できたんだな、と感慨深くなりました。」

 望月六郎監督−−「素晴らしい作品の中に1つエッチな作品が入っているので、どうもすみません、という感じなんですけれども(笑)基本的に自分の作品は男性が観る場合が多かったので、こんなに多くの女性の方に(作品を)観て頂けるのは、生まれて初めてのことです(笑)まぁどんな感じかなぁ、と思って観て下さい。」

 角田ともみ−−「今回の映画はショートフィルムという、とても短い間の中での集中したリハーサルや本番を経験させて頂きまして、とても勉強になりました。飯田監督にもとてもお世話になりました。今後のお仕事に向けても良い経験をさせて頂けました。ぜひみなさん、最後まで楽しんで観て下さい。ありがとうございました。」

 飯田譲治監督−−「『コールドスリープ』というSFコメディを撮りました。TV版の『アナザヘブン』で大沢たかおと巡り会って、最初主演をオファーして、それからヒロイン役をオーディションで探したんですが、紆余曲折あってやっと決まったのが、角田ともみです。(本来)リハーサルは嫌いなんですが、3人で煮詰まりながらみっちりと練習を重ねて完成したものなので、その位心を通わせながら作ったんだ、ということを心において観て下さい。よろしくお願いします。」

 どの監督の発言にも出てきた「楽しかった」という言葉。今回の試みに対して、監督たちが、いかに純粋に楽しみながら取り組んだのかが窺い知れる。バラエティに富んだ7作品を一挙に楽しめる『Jam Films』は、観客にとってショートフィルムの醍醐味を味わえる至極の109分になるだろう。

 
 なお『Jam Films』は渋谷シネ・アミューズ、シネ・リーブル池袋にて公開中!
 (原 由夏)

 □公式頁
『Jam Films』