アメリカでは現在第6シーズンが放映中。日本では99年よりＷＯＷＯＷにてオンエアが開始、またビデオや映画版などを含め様々なメディアで、コアなファン層を形成している超過激なアニメーション・シリーズ『サウスパーク』。この秋より放映予定の第５シーズンでは、あのビン・ラディンが登場するエピソードが、本国ではなんと第54回エミー賞最優秀アニメーションにもノミネートされたり、トム・グリーンも敵わないと云わしめた？最強のすぐ死んじゃうキャラ・ケニー君が今度こそ本当に死んでしまう衝撃のエピソードが待っていたりと、今回も兎に角期待を裏切らない…いや、観る者が許しを請うかもくらいな過激さと、可愛らしさが絶妙なバランスでファンを魅了してくれそうだ。
　現在この第５シーズンのアフレコが、都内のスタジオにて元気と狂気をはらみつつ、快調に進行中だ。8月11日に行われた収録の合間に、主要キャストの面々が、作品及び新シリーズの魅力を熱く語ってくれた。

Ｑ．新シリーズの見所は
山口勝平さん（カイル役）——僕達は最初からやらせてもらってますから、特に新シリーズでというのはありませんが、新シリーズでは個性的なキャラクターが新たに増えてきたので、最初の頃に比べるととんでもないことになっているという気がしますが、それも面白いです。
LiLiCoさん（カートマン役）——ユーモア的には下品ですけど(笑)、日本をはじめ何処の国にも通じるギャグがたっぷりです。
結城比呂さん（スタン役）——正直言うと日本には刺激が強すぎるのではないかと思うところもあるくらい、かなり際どいですね。でも、面白いと思います。
小形満さん（ケニー役）——最初の頃は、これ放送していいの？…って驚いていたのが、最近では麻痺してきちゃいましたね(笑)。初めて観る人にはすごいんだろうね。新キャラも登場するし、翻訳も桑原(あつし)さんが上手く訳してくれていて面白いですよ。
田口トモロヲさん（ギャリソン先生＆ティミー役）——正直な話、『サウスパーク』が盛り上がっていないのは日本だけなんですよ。日本で『サウス〜』の仕事をしているって言っても、「何それ？」って言われるだけだけど、海外とかで『サウス〜』の吹替えをやってるというと、「そいつはグレートだ！！」ってね。それくらい世界共通語の作品なんで、今回のシリーズで海外と同じような大人気希望です。

Ｑ．吹替えで苦労された点は？
LiLiCoさん——日本語で苦労してますね(笑)。私が普段見ることが無いような、あて字が多いです。これまで学校で勉強してきたのとは、違う漢字ばかりでね。
山口さん——台詞が結構早いんですよ。回転数を少し落としたテープを使っていますが、それでも台詞を入れるだけで精一杯くらい。兎に角、台詞を叩き込まなきゃいけないんで、それは大変ですね。でも楽しいです。
結城さん——専門用語というか、医学用語というか、普段あまり口にしないというか、日常言ってはいけない言葉がそこここにあるので…。それを言うのは結構…ってのは最初ありましたね。ただむしろ、家に誰かいた場合家でリハーサルするのが一番辛いですよね(苦笑)。家でその言葉を言うのは、何の仕事をしてるんだ？ってことになったりもするので、一番大変だったかな。
小形さん——日本語は皆苦労してるんですよ。個人的には僕は色々な役をやってるんで、いい加減に作ると似ちゃうんで、なるべく差をつけるようにしています。
田口さん——作品は言葉の絨毯爆撃で、通常100で録るところを92で録音し、放送時に速度を上げるという方法を取っているんです。僕そういう経験初めてだったんで、他のアニメもそうか？って聞いたら、全然そんなことはないって皆に言われて、スタジオってこんなに汗臭くなるの？って聞いても、それは『サウス〜』だけだって(笑)。それくらい皆、汗かいてやってるってのが特長になっちゃってますね。皆、汗臭く下品な言葉が当たり前に乱れとぶ。

Ｑ．田口さんは人形のハット君も含めると三役を演じられてますが、難しかったりしますか？
田口さん——そうですね。ティミーは凄い難しくて、「ティミー」しか言わないんですよ。それは逆説的には、物凄くディフィカルトなことで、ティミーしか言わないティミーを、どうティミー的に表現するかという難問題が俳優としては常にありまして(笑)、だから毎日家に帰ったら車椅子に乗ってティミーの気持ちを感じて日々暮らす…な訳は無くて、でもそれくらい面白いキャラだと思ったので入れ込んでやったら、結局聞いてる方はその差なんてあまり考えてないだろうなという点に到達しまして、もう楽しみながらやるしかないなって感じでやってます。

Ｑ．小形さん演じるケニー君が、とうとう今度こそ本当にお亡くなりになられるということですが、どのような心境ですか？
小形さん——来週の収録で死ぬんですけど、やはり寂しいですよね。でも、新しいキャラもらったんで(笑)。あの台詞は、口の中にティッシュを詰めてやっていたんです。オリジナルではただ単に口の前に手をおいてやってるというのは知ってたんですけど、同じにやるのは癪だなと。それで、色んな種類のティッシュを試してみて(笑)。スコッティが一番よかったですね。台詞はねぇ、勿論全部脚本に書かれているんですよ。

なお、『サウスパーク』第５シーズンは、11月上旬よりＷＯＷＯＷ（アナログBS-5ch、デジタル191〜193ch）にて、初オン・エア開始。
（宮田晴夫）

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