フランス映画祭の関連のイベントのひとつとして恒例になりつつあるのが「横浜市立大学特別講演会」。大学のホールでの開催ですが、学生限定ではなく一般の方も入場可能なので、会場内には年配の映画ファンの姿も多く見られました。
出席者は「クロエの棲む夢」のクリストフ・ルッジア監督、「ミシュカ」のジャン=フランソワ・ステヴナン監督、「記憶の森」のザブー・ブライトマン監督、「セックス・イズ・コメディ」のカトリーヌ・ブレイヤ監、「スカッシュ」(短編)のリオネル・バイユー監督、「クイン・スクエア」(短編)のファブリス・ルアン=ヴィジャ監督、「ランジェリー」(短編)プロデューサーのエマニュエル=アニュレ氏、「銅の舌」(短編)プロデューサーのフランソワ・ラルーディエ氏、「スカッシュ」(短編)プロデューサーのジェローム・コルノー氏。
今年は特にテーマは定めず、客席とのフリーディスカッション形式、渡邊芳敬横浜市立大学国際文化部助教授の総合司会で講演会は始まりました。まずは出席者の挨拶が挨拶と映画評論家の中川洋吉氏が各自の作品や経歴の紹介しました。中川氏はフランスでの短編映画の重要性に触れ「今日出席の短編映画の監督から大巨匠が出るかも」と通訳されると、その言葉に短編映画の監督達がにやりとする場面も。
フリーディスカッションでは、年長のステヴナン監督がリードする形で、アメリカ映画とフランス映画の違い、映画に対する監督の権利などについて熱っぽいやりとりが展開しました。ブレイヤ監督はアメリカ映画をマクドナルドに喩え「ずっとそればかり食べていると飽きるもの」と言えば、ルッジア監督は「商業映画が作家映画をつぶそうとしても反対の結果になる事がある」と語り、監督達の作品への誇りの高さを感じさせてくれました。そのプライドの裏には、フランスでは監督が映画の著作権を持ち、映画に対しての権利と責任が大きいのに対し、アメリカや日本では、映画はお金を出した人の物であり、監督は使われる職人に過ぎないという現状の違いがあるようです。
この模様はタウンテレビ南横浜「GOGOタウンテレビ」で放送されます。
【放映予定】6月29日(土)〜7月5日(金)9:00 12:00 16:00 19:00 22:00
(NAMIKO SUZUKI)