フランス映画祭10周年を記念し、メインホールで開催したセレモニーには高円宮同妃両殿下もご臨席。横浜市前市長に栄誉あるレジオン・ドヌールの授与が行われるとだけあって、普段ならジーンズも目立つメディア関係者もドレスコード着用とのこと。昨日のオープニングセレモニー以上に緊張した雰囲気のなか、式は30分遅れでスタートした。
 中田宏横浜市長の挨拶ののち、横浜市からユニフランス会長ダニエル・トスカン・デュ・プランティエ氏に横浜文化賞を授与。同賞は教育、文化、芸術などに尽力した人物に贈られるものである。ブランティエ会長は「今回、来日できなかった過去のフランス団長もこれなかったことを大変残念に思っておりました。なかには今、撮影中の方もいてフィルムを携えまた必ず来たいと言っています。フランス映画祭はより強くなって、これからも日仏の出会いを生み出したいと思っております」と感激の言葉を漏らした。
 そして、フランス共和国からは10年間の日仏交流をたたえ、横浜前市長・高秀秀信氏にレジオン・ドヌールメダルが授与された。
 さて、本年からはフランス映画トロフィーも発足。同賞は2001年3月から2002年2月末までに日本で公開されたフランス映画の中で最も印象的だったものに与えられるもの。記念すべき第一回受賞作品は大方の予想通り「アメリ」である。ジャン・ピエール=ジュネ監督に変わり、今年のフランス代表団長ジャンヌ・モローが代理受賞。「私は賞をもらうよりもあげる方が好きです(笑)。受け取ったばかりですが(監督に)この賞を渡します」。 3つの授与式に続き、コメディアン、ジェローム・デシャンとマッシャ・マケエフ演出によるスペシャルレセプションが行われた。進行役はジャンヌ・モロー、プランティエユニフランス会長。上映順に来日ゲストが登壇し、幕の合間にはパントマイマーやサッカーのユニフォームを着たオペラ歌手がライブパフォーマンスを披露、笑いが耐えないセレモニーに。とりわけ、ステージ端のジャンヌ・モローの無邪気な笑い声が印象的だった。(寺島まりこ)