昨年の第54回カンヌ国際映画祭にて批評家週間正体作品として上映され、レイル・ドール賞とエキュメニック新人賞をダブル受賞した『UNLOVED』の待望のロードショー公開が5月25日よりスタートした。“あるがままの自分”でいることを願う男女三人の出会いと別れを描いた作品に、同世代の女性を中心に幅広い観客が詰め掛けた劇場では、本作が劇場用長編デビュー作となる万田邦敏監督、森口瑤子さん、仲村トオルさんが来場し、初日を迎えての気持ちを語った。

万田邦敏監督 ——公開までにちょっと時間がかかったんで、兎に角公開する場所をみつけて、お客さんに見ていただけるということが嬉しいです。このスペースは、本来はゴダールの『ウィークエンド』をやっていますが、今日は『UNLOVED』が乗っ取りましてゴダールさんに申し訳ないやら、畏れ多いやら…。映画は『ウィークエンド』とタメ張ってるぞという映画ですから、どうぞお楽しみください。

森口瑤子さん(景山光子役) ——今日の日をすごく楽しみにしてまいりました。初主演で、プレッシャーがなかったかとか質問を受ましたが、周りの方がよかったので楽しかったです。私が演じた光子とはまるで共通点が無くてどうしようという状態でしたが、監督の指示の元で頭で考えないで動くようにしていったら、最後のほうではなんだか知らないけど判るわ…って感じになり面白い体験でした。『UNLOVED』は“愛されざる者”という題名ですけど、これは大恋愛映画です。どうか皆さん、楽しんでください。

仲村トオルさん(勝野英治役) ——去年の今頃、万田監督と森口さんがカンヌで勝利の美酒に酔っている頃、僕は同じ“カン”でも韓国の田舎の旅館のバスタブで、ユニクロのTシャツを洗濯してました。その悔しさを忘れずに(笑)、初日の舞台挨拶では韓国にいたと挨拶しようと決めていたので、その日がきたので嬉しく思います。僕の演じた役は、昔僕もこういう価値観を持っていたなというような感じでした。ありがとうございました。

なお、『UNLOVED』はユーロスペースにて、ロードショー公開中!。
(宮田晴夫)

□作品紹介
UNLOVED