全米公開時初登場2位を記録した初主演映画『ノット・ア・ガール』の日本公開も一月弱後に迫った4月20日、弱冠20歳にして全世界を代表するディーヴァの地位を揺ぎ無いものとした、ブリトニー・スピアーズが来日を果たした。3度目になる今回の来日では、25日には東京ドームで一夜限りの初来日公演が開催されるが、その公演チケットは発売後30分でソールド・アウトするなど、日本での人気もヒート・アップし続けている。
 4月21日、TOKYO FM ホールにて3枚目となるニュー・アルバム「ブリトニー」発売と『ノット・ア・ガール』公開記念として 彼女の来日記者会見が開催された。「上か下、どちらかには必ずデニムを着るのよ」トレード・マークともいえるデニムを羽織って舞台に上がったブリトニーは、ライブ映像でのパワフルさとはちょっと趣を異にした様子で、スターとしての輝きをふりまきつつも、その物腰はまさに映画と同様等身大の女の子といった印象だ。それでも、前日早朝日本着というハードな日程を感じさせないのは、逆にその内に秘めたパワフルさ故なのかも。
 そんな彼女が映画初出演作として選んだ『ノット・ア・ガール』は、高校を卒業した3人の少女が、それぞれの思いを秘めたロスへの旅を通して少女から大人へと目覚めていく姿を描いた青春ロードムービーだ。「今回の映画では主人公のルーシーを演じたの。基本的にはすごくナイーブな性格で、いつもお父さんを喜ばせることを考えるいい子なんだけど、ある時、何かが違うのでは?と疑問を持って自分の夢を追いかけていくの。それがシンガーになることだったのよ」。
 映画のラストで流れる同タイトルの主題歌は、情感のこもったメロディアスなバラードだ。「世界中のティーンエイジに向けたメッセージと考えてもらえればいいかな。少女から大人へと移り変わる中間の微妙な時期にいて、いろいろなことを考え、見つけ出そうとする時期にいる全ての人たちに向けた曲なのよ」。
 若い世代の女性のファッションや生き方に多大な影響を与えていく、彼女らしさを感じさせる言葉だが、世界中の女性の尊敬を一身に集めることに、プレッシャーなど感じないのだろうか。「自分がお手本とかって思ったことはないの。ただ、女の子達にインスピレーションを与えるもとになれればいいな…と思ってやってます」
 ステージ・パフォーマンスでも多くのファンを魅了するブリトニーだが、映画出演は今回がはじめて。そこには、音楽とはまた違った形で演じることの難しさなどはあったのだろうか?「音楽も映画も表現の方法という点では、そんなに違いは無いと思うの。ただライブの場合、瞬間的にオーディエンスの力をもらって、それをエネルギーに変換していくところが映画との違いかな。でも、今回映画をやって一つだけ難しいシーンがあったわ。それは泣く場面なの。そこだけは、未だに気になるのよね(笑)」。ということでステージとは、また一味も二味も違う表情を見させてくれる『ノット・ア・ガール』、音楽ファン、映画ファン、そして何より同世代の若い女性たちには必見の作品といえそうだ。

なお、『ノット・ア・ガール』はシネマメディアージュほかにて、5月18日より全国ロードショー公開!。また、アルバム「ブリトニー」はゾンバ・レコーズ・ジャパンより絶賛発売中!

□作品紹介
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=2787
(宮田晴夫)