『二階堂家物語』加藤雅也 スペシャル舞台挨拶
なら国際映画祭の映画製作プロジェクト NARAtive の作品として誕生した『二階堂家物語』が全国公開中です。
初の長編作「NAHID(ナヒード)」で 2015 年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門・期待すべき新人賞を受賞、なら国際映画祭 2016 にて最高賞であるゴールデン SHIKA 賞を受賞し、注目を浴びたイランの若手監督アイダ・パナハンデを迎え制作された本作は、奈良県天理市を舞台に、名家の存続を願いながらも、跡継ぎ問題に悩む 3 世代の家族の愛と葛藤を描いた物語です。
この度、公開を記念して横浜シネマリンにて、主演を務めた加藤雅也がスペシャル舞台挨拶に登壇。撮影時のエピソードをたっぷりと披露!! 若かりし頃に過ごした、横浜の思い出も語りました
大きな拍手が沸き起こる中、加藤雅也が登壇。横浜での初上映に「寒い日にありがとうございます。地味な映画ですがとてもいい映画ですので楽しみにしてください」と一言。
早速 MC より、オファーのきっかけを聞かれると、加藤は「同じく奈良県出身の河瀨監督に“僕も奈良出身ですから、映画に呼んでくださいよ”とお話ししたところ、なら国際映画祭の映画製作プロジェクト NARAtive のオーディションの話を頂いたことがきっかけです。監督がしっかり人を見て選ばれる方でしたので、無事に選んで頂き安心しました」とオファーではなく、オーディションであったことを明らかにすると会場から驚きの声が上がった。
イラン人であるアイダ・パナハンデ監督の撮影について聞かれると、加藤は「外国の監督と仕事をした経験もあり、撮影地が日本のため気持ち的には余裕がありました。しかし監督が学者のような人で完璧主義でしたから大変でした」と監督の印象を語り、さらに加藤は「監督は“映画を撮り始めると人格が変わる”と言っていたのですが、監督に NG のジェスチャーを出されるとみんな落ち込んでいました(笑)。でも当時流行っていた、“文春砲”をもじって“アイダ砲”って呼んでいたりして、笑いのあるとてもいい雰囲気の中撮影できました」と監督の厳しさと撮影時のエピソードを語ると会場から笑いが起こった。
MC が「イラン人監督が撮影したのに、とても日本らしい作品なっていますよね」と感想を述べると、加藤はアイダ監督が小津安二郎を見て育ったというエピソードを披露。続けて「この映画のタイトルは元々別のタイトルがついていたのですが、監督が『東京物語』が大好きで、そこから『二階堂家物語』になったのです」とタイトルの名づけ秘話を初めて明かした。
そして大学生時代の思い出の地、横浜について聞かれると、加藤は「天王町のライオン座では 5 本立て上映が行われていて、よく通っていました。近くのパン屋でパンを買うとさらに割引になり、すごくお得でした」と当時の節約術を振り返り、笑いを誘うと「日の出にあった劇場では 180 度リクライニングの席とかもありましたね。ただ壊れていただけですけど」と冗談を交えて会場はさらに大盛り上がり。
Q&A のコーナーに移ると、多くの方の手が上がり、「どんな方に見てほしいですか」と訊ねられた加藤は「跡継ぎの問題だけではなく、結婚を迫られる独身女性や、誰がお墓を継ぐのか?などみんながどこか共感できる普遍的なことを描いているから、どんな人にでも見てもらいたい」と応え、「今はしっとりとした映画を見る体力のある方が減ってきているから、このような映画を見る体力がある日本に戻って欲しい」と願いも語った。
続いて、映画の舞台となった奈良県天理市にに住んでいた方から「天理は加藤さんにはどのように映りましか」と質問が上がると「独特な建物があり、キャストの皆が写真を撮りだすような景色があって面白いです。撮影に関してもすごく協力して頂いて、とてもいい所でした」と天理市の思い出を語り「映画のロケ地マップもありますので『君の名は』みたいに聖地巡礼してもらえると嬉しいです」と奈良市観光特別大使としても活躍する加藤はしっかりと奈良県をアピールし笑いを誘った。
最後に加藤は「じっくりと作った映画です。是非ご覧頂いた後 SNS などで感想を見せてくれるとありがたいです。あと 4 本くらい僕の出演作がきっとここで上映されますので、そちらもよろしくお願い致します」と冗談を交えて、終始笑いの絶えない舞台挨拶となった。
■タイトル:「二階堂家物語」
■公開表記:全国公開中
■クレジット:(C)2018 “二階堂家物語” LDH JAPAN, Emperor Film Production Company Limited, Nara
International Film Festival
■配給:HIGH BROW CINEMA