全国こども食堂関係者200名以上を迎え『こどもしょくどう』藤本哉汰、鈴木梨央、日向寺監督舞台挨拶
こども食堂サミット2019特別試写会
「この映画は見た後に考え方が変わり、考えさせられる映画です。できる範囲でいいので自分が演じたミチルのような子の助けになってもらえたら…」
と、真剣なまなざしでメッセージ(鈴木梨央)
“子ども食堂”が必要とされる現代社会を
子どもの視点から描いた映画
豊かに見える今の日本社会のひずみを受け、満足な食事をとることのできない子ども達の姿を、同じ子どもの視点から描いた映画『こどもしょくどう』(3/23~岩波ホール公開)が、全国のこども食堂の運営者、スタッフ・ボランティア、支援者、行政関係者などが一堂に会する年に1度のイベント「こども食堂サミット」にて特別試写会、舞台挨拶が行われました。
上映中、場内からすすり泣く声も聞こえ、全国から集まった200人を超えるこども食堂関係者の感動の熱が冷めやらない中、日向寺太郎監督と、W主演の藤本哉汰、鈴木梨央が上映後の舞台挨拶に登壇。日向寺監督はこども食堂関係者の試写会ということで「とても緊張しています。こども食堂の運営はとても自由で緩やかな形態なので、こども食堂をモチーフに映画を作るとすれば、無限の物語があると思いました。そういう中でこのテーマの映画を自分が撮るとなったとき、こども食堂を作ろうとした人たちはどんな思いだったんだろうか、今の社会はこども達から見てどう見えているのだろうか、そしてその根本を見つめなければいけないなとの思いから、こども食堂ができるまでの物語にしようということで企画がはじまりました。」と来場者に企画の成り立ちを説明した。
企画段階で、日向寺監督と脚本家の足立紳が訪ねた気まぐれ八百屋だんだん こども食堂の近藤博子さんも今回の試写会に参加されおり、近藤さんは映画の感想について聞かれ、「こどもの問題ですが、大人の社会の問題だなと感じました。」と感想を述べ、監督も「こどもの問題は大人の問題で、互いは常に背中あわせです。ですが今の社会を作ったのは大人の責任なので、こども達には責任はないと思っています。」と世の中への思いを語った。
撮影前にこども食堂を知っていたか?と聞かれた藤本は「ニュースでは知っていたけど、この映画の撮影とともに学んできました。」、鈴木は「ニュースを見たことがあるくらいで多くの知識はなかったのですが、この作品をきっかけにこども食堂について色々調べていきました。」と2人ともこの映画をきっかけにこども食堂について関心を持ち学んだいう。
主演2人の演技について監督に聞いたところ、「とても自然な演技で2人とも役者が演じているというよりも、それぞれユウトや、ミチルとして見えることが素晴らしいのではないかと思います。」と大絶賛を送った。
藤本は一人で行動するしっかりしたユウトを見習い、「撮影中に自分でできることは自分でやるように意識をしました。」と、映画の中の役柄同様、撮影を通して成長できたと言う。鈴木はセリフの少ない役のため、台本に書かれていない気持ちの表現について「台本を読んだとき、すごく難しい役どころだなと思いました。役作りに関しては、古川凛ちゃんとは撮影前にお話しする機会を設けてもらい、クランクインのときにはヒカルの姉として撮影に挑むことができました。」。
今回、日向寺監督は特別な演技指導はしてないということで、藤本も鈴木も「撮影はほとんどテストをせずに本番に入ったため、緊張することもあったけど、自然に演技をすることができました。」と話し、監督の意図する自然な演技をすることができた要因を思い返した。
岐阜県からイベントに参加したこども食堂運営者の女性は、「こども食堂を始めてまだ半年です。映画を見て、自分の周りに映画に出てきたこども達のような厳しい環境に暮らす子もいる事をわたし自身、想像できていなかったことに気づきました。役者さんたちの演技、(映画の主題歌にある)「食は命、そしてつながり」というメッセージが心に沁みました。」という感想を監督と主演2人に送りました。
最後にこの映画をどんな人に見てもらいたいかと聞かれた藤本は、「こども食堂をまだ知らない人に見てもらい、どういう場所か知ってもらい、貧困問題などについても考えてもらえたらいいなと思います。」と答え、鈴木も続けて「この映画は見たあとに考え方が変わり、考えさせられる映画だと思います。家族の人と話し合ったりして、少しでも自分が何か関われることがあるならば、できる範囲でその子たちの助けになってくれたらなと思います。」と社会の変化に期待を寄せ、「そのためにもひとりでも多くの人にこの映画を広めてもらえると嬉しいです。」とこども食堂の関係者の皆さんにアピールして舞台挨拶を締めくくった。
<『こどもしょくどう』ストーリー>
小学5年生のユウトは、食堂を営む両親と妹と穏やかな日々を送っていた。ある日、父親と車中生活をしている姉妹と出会ったユウトは、両親に、二人にもごはんを作ってあげてと頼んだ。数日後、姉妹の父親が失踪してしまう。ユウトは幼馴染のタカシと共に、姉妹と意外な行動に出始める・・・。日本各地で広がりつつある子ども食堂。その背景にある社会状況を、子どもたちの視点で描く。
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出演:藤本哉汰、鈴木梨央、浅川蓮、古川凛、田中千空/降谷建志、石田ひかり/常盤貴子、吉岡秀隆
監督:日向寺太郎 脚本:足立紳、山口智之 音楽:Castle in the Air(谷川公子+渡辺香津美)
主題歌:「こどもしょくどう」作詞/俵万智 作曲/谷川公子 編曲・演奏/Castle in the Air 唄/古川凛、田中千空
製作:パル企画/コピーライツファクトリー/バップ 配給:パル企画 (C)2018「こどもしょくどう」製作委員会
オフィシャルサイト:https://kodomoshokudo.pal-ep.com
3月23日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー