ヌードモデル・兎丸愛美、シンガーソングライター・BOMI、遠藤新菜、秋月三佳、岩瀬亮ほか登壇!映画『シスターフッド』完成披露 舞台挨拶
西原孝至監督が、2015年から4年間撮り貯めてきたヌードモデルの兎丸愛美(うさまる・まなみ)とシンガーソングライターのBOMI(ボーミ)の生活を追ったドキュメンタリーに、新たに撮影した劇映画の部分を加えて1本の映画にまとめた、“多様性”を肯定するモノクロ映画『シスターフッド』。
3月1日(金)より公開が決まっているアップリンク渋谷にて、2月7日(木)に完成披露上映会が開催されました。
W主演の兎丸とBOMIに加え、兎丸も出演する劇映画部分に出演する遠藤新菜(『無伴奏』)、秋月三佳(『母さんがどんなに僕を嫌いでも』)、岩瀬亮(『イエローキッド』)と西原孝至監督が登壇し、ドキュメンタリーと劇映画が交錯する本作の撮影秘話を語りました!
日時: 2月7日(木) 16:00~16:30頃
登壇者:兎丸愛美 BOMI 遠藤新菜 秋月三佳 岩瀬亮 西原孝至(監督・脚本・編集)
場所:アップリンク渋谷
完成披露上映会を迎えての想いを聞かれ、ドキュメンタリー部分と劇映画部分の両方にご出演の兎丸愛美さんは、「4年前にこの作品の撮影が始まったので、上映会ができることを本当に嬉しく思います。この4年間私は正直何度も何度もヌードモデルという仕事をやめてしまおうと思ったことがあるのですが、今は、兎丸愛美として生きてきて、本当によかったなと思います。」と告白。
ドキュメンタリー部分にご出演のBOMIさんは、「私はこういう映画としてまとまるという意識がないままに、ドキュメンタリーとして、ライブをしたり、曲を作っているところを追いかけられていたので、映像がまとまって外に出ることになってよかったなと思います。」と話しました。
女子大生・美帆役を演じた遠藤新菜さんは、「私は作り込んでいる部分に出ているんですけれど、私の部分は半年前位に撮影したので、『早いなぁ』と勝手に思っていたんですけれど、4年も作っていたんですね!?すごい。責任感をもっと持たなければいけないと思いました。」と最近になって映画の概要を知ったことを激白。
女優・ユカ役を演じた秋月三佳さんは、「時間をかけて作ったんですけど、その時間がちゃんと繋がっていて、ドキュメンタリーと劇映画がMIXされて一つの作品になっているところがすごく好きです。」と本作の魅力を紹介しました。
ユカのパートナーで、ドキュメンタリー映画監督の池田役を演じた岩瀬亮さんは、「映画というのはこういうように、皆に見ていだたく時がドキドキしますし、嬉しくもある瞬間なので、この場に立ち会えることに喜びを感じています。」と話しました。
ドキュメンタリーと劇映画が交錯する本作の成り立ちを聞かれた西原孝至監督は、「2014年に今日ご登壇の秋月さんと遠藤さんが主演の劇映画『Starting Over』という映画を作り終わった時に、自分がいいなと思う方に、素直にカメラを向けて東京で生きている女性たちの想いを切り取るようなドキュメンタリー映画を作りたいと思って、兎丸さんとBOMIさんに声をかけさせていただきました。二人の生活だったり活動を撮影させていただく中で、僕自身も他の仕事や違うの作品もあったりして中断していた時間もあったんですけれど、2017年にアメリカで#MeToo運動が始まり、女性たちが声を上げ始めたということに僕も賛同する部分もあって、そういったところを踏まえて、ずっと撮ってきたドキュメンタリーの映像と、兎丸さんにフィクションを演じてもらったり、秋月さんや遠藤さん、岩瀬さんらにフィクションを演じてもらったりしたすべての映像をまぜこぜにして、混在させて、『自分らしく生きるということはどういうことなんだろう』という映画を完成させました。僕自身はドキュメンタリーと劇映画の違いをそこまで感じているわけではなくて、例えば遠藤さんのシーンでも遠藤さんのドキュメンタリーとして撮らせてもらっています。ドキュメンタリーとして一般の方を撮らせていただいていたとしても、自分自身演じていることもあると思い、その間に映画の表現の可能性を感じているので、こういう形になりました。」と説明しました。
ドキュメンタリー部分に兎丸さんとBOMIさんの起用した理由について聞かれた西原監督は、「偶然BOMIさんの久しぶりのワンマンライブを見たらすごくよかったんです。楽しそうに歌っていて、表現する喜びを感じている表情をされていて、すごくいいなと思いました。兎丸さんは、SNSでヌードで花束を持っている写真が美しかったのと、”ヌードモデル”という職業はなかなか日本ではあまり聞かない職業ということもあって、どうしてそういった活動をしているかに興味が湧いてメールを送らせていただきました。ずっと撮ってきたドキュメンタリーの映像と繋げる、貫く存在として、映画監督役を登場させました。岩瀬さんに関しては、『ひと夏のファンタジア』という映画が大好きで、いつかご一緒したいと思っていました。」と説明しました。
兎丸さんは作中、ご自身がヌードモデルになったいきさつやご家族の反応などを赤裸々に話されています。ドキュメンタリー部分の撮影について聞かれた兎丸さんは、「ドキュメンタリー部分は、監督が一人でカメラを片手に家に来たり友達の家に来て撮影していただけたんで、自然体の自分でいられたのかもしれません。最初っから構えることがなく、初めて会った時から心は開いていたのかもしれないです。」と述懐。
兎丸さんは劇映画部分にも出演。「本人役を演じるにあたって、私もどんな気持ちで挑んだらいいのかわからなかったんですけれど、『そのままでいいよ』とおっしゃってくださったので、あまり演じているという感じはなかったです。」とのこと。
BOMIさんはドキュメンタリー部分にのみ出演。「シンガーソングライターの方の日常の姿はなかなか見る機会がないと思いますが、4年間のご自身の姿をご覧になって、どのような印象を受けましたか?」と聞かれ、「実はあまり見せてはいけない部分を見せている気がして(会場笑)、もうちょっとかっこよく映ればよかったなと。ベッドでラーメンをすすっていたり…その当時の私の日常でした。どうしようもないですね。」と会場の笑いを誘いました。
劇映画と合わさった完成作を見た感想を聞かれ、「あまり見たことないなと思いました。お芝居のパートの役者さんの皆さんもリアリティ寄りにお芝居をされていると思うので、すごく不思議な感覚です。」と話しました。
遠藤さんは劇映画部分に女子大生役で出演。「西原監督とは、以前、劇映画『Starting Over』でご一緒されていますが、ドキュメンタリーと劇映画が交錯した本作の撮影は、何か違いましたか?」と聞かれた遠藤さんは、「私の中では西原さんの演出は特に変わらなかったです。懐かしいというようなホッとする感覚でした。」と述懐。西原監督は、「普段テレビのドキュメンタリーのディレクターをしているので、作られたお芝居よりは、遠藤さんが映画の中で遠藤さんらしくいてもらえるような空間を作るのが仕事だと思っていました。」と話しました。
女子大生役でありながら、SUMIREさんとのシーンでは、アドリブで女性としての生きづらさについて語り合っています。「大体こういう話をしようねということはあったんですけれど、基本的には私たちが普段カフェで話していることとはかけ離れてはいなかったです。普通に仲良くて。」と、遠藤さんが相手役にお友達のSUMIREさんを推薦したということが話されました!
秋月さんは、岩瀬さん演じるドキュメンタリー監督の彼女の女優役で出演。「私も『Starting Over』という作品で、西原監督と、ドキュメンタリーなのか劇映画なのかというところの撮影はしていたので、西原さんの作品に入るなという感じでした。今回は、兎丸さんとBOMIさんのドキュメンタリーの映像も事前に見せていただいていました。自分の役は、二人と同じ芸術をやっているけれど、それができなくなったりだとか現実的なメッセージがあるなと思っていて、お客さんに共感してもらえたらいいなと思いました。客観的に撮ってもらっているなと思いながら撮影していました。」と話しました。
「秋月さんは現在24歳で、彼氏役の岩瀬さんは38歳で、実生活では14歳差ですが、岩瀬さんとの共演はいかがでしたか?」と聞かれ、岩瀬さんが、間髪入れず、「なんの問題もなかったよね」と回答し、会場は大爆笑!秋月さんが「そうですねー。西原さんが好きな人をキャスティングしているから、こういう出会いもあり、」と話すと、BOMIさんが、「カップルみたいな服だよね」とツッコミ!岩瀬さんが、「狙いではないですけど、打ち合わせせずともこうなる」と返しました。
岩瀬さんは、ドキュメンタリーと劇映画が混在する映画で、ドキュメンタリー監督役という特殊な状況で、実際は西原監督が撮影したBOMIさんたちのドキュメンタリー部分を撮影した監督という設定。この役を演じる上で心がけたことを聞かれ、「フィクション部分でドキュメンタリー監督をやっているということがあって、実は西原監督がドキュメンタリーを撮っているということを考え出すと難しいこともあって、 監督が脚本として書いてくださっていたので、その戯曲に向き合えば、西原さんが思っていることも自ずと出せるのではないかなと思いました。」と話しました。「アドリブはほぼなかったです。」という岩瀬さんの回答にMCはびっくり!「インタビューを撮るシーンがあったのですが、僕はそういうことをしたことがなかったので、監督はどういうことを心がけているのかとお聞きしました。」と話しました。
最後に一言聞かれ、兎丸さんは「自分の幸せを少しだけでも考えていただけるきっかけになればと思います。」、BOMIさんは「私が映画を見終わって感じたのは、いろんな意味でもやもやした感情だったんですけれど、皆さん何かしら感じる感情があると思います。この映画は、終わった後で話すことで完結するような映画のような気がするので、もしよかったら何かで感想を教えていただければと思います。」、遠藤さんは「私が自分の役を演じた時、自分にとっての正解を見つけられればそれでいいんだということを一番意識していました。人にとっては大したことではないことが自分にとっては大きなことだったりするじゃないですか。この映画には素敵な方々が出ているので、誰か一人でもいいから『こうなりたい』とか『これって素敵だな』と思えたらすごくいいなと思います。」、秋月さんは「兎丸さんとBOMIさんのドキュメンタリー部分がすごく素敵で、(お二人は)夢があって憧れちゃうような姿がたくさん映っていて私はすごく好きです。」、岩瀬さんは「ただ浴びるように見ていただいて感じていただければと思います。」、西原監督は「大好きな皆さんの魅力的な表情や言葉を届けたいと思って撮影をしておりました。自分自身の幸せについても考えながら撮影をしていたので、観ていただく方にも、ご自分の幸せについて考えながら見ていただければと思います」と話しました。
<あらすじ>東京で暮らす私たち。
ドキュメンタリー映画監督の池田(岩瀬亮)は、フェミニズムに関するドキュメンタリーの公開に向け、取材を受ける日々を送っている。池田はある日、パートナーのユカ(秋月三佳)に、体調の悪い母親の介護をするため、彼女が暮らすカナダに移住すると告げられる。
ヌードモデルの兎丸(兎丸愛美)は、淳太(戸塚純貴)との関係について悩んでいる友人の大学生・美帆(遠藤新菜)に誘われて、池田の資料映像用のインタビュー取材に応じ、自らの家庭環境やヌードモデルになった経緯を率直に答えていく。
独立レーベルで活動を続けている歌手のBOMI(BOMI)がインタビューで語る、“幸せとは”に触発される池田。
それぞれの人間関係が交錯しながら、人生の大切な決断を下していく。
【出演】
兎丸愛美 BOMI 遠藤新菜 秋月三佳 戸塚純貴 栗林藍希 SUMIRE 岩瀬亮
【スタッフ】
監督・脚本・編集:西原孝至 撮影:飯岡幸子、山本大輔 音響:黄永昌 助監督:鈴木藍
スチール:nao takeda 音楽:Rowken
製作・配給:sky-key factory
(c) 2019 sky-key factory 2019 / 日本 / モノクロ / 87分 / 16:9 / 5.1ch
公式サイト:https://sisterhood.tokyo Twitter:@sisterhood_film
facebook: @sisterhood.film.2019 instagram:@sisterhood.film