ヴェネチア国際映画祭でビエンナーレ・カレッジ・シネマ部門エンリコ・フルキニョーニ賞を受賞し、映画批評家サイト「ロッテン・トマト」驚異の満足度 100%を打ち出したインド映画『ガンジスに還る』が10/27(土)より岩波ホールほか全国順次公開致します。

本編をみれば一度は訪れてみたくなる、インド最大の聖地「バラナシ」。3000 年もの長い歴史をもつこの街は、いまなお多くの観光客・バックパッカーが訪れます。一体その魅力はどこに?

この度、映画の公開を記念して、トークイベントを開催いたしました。

ゲストは、旅する人のバイブル本として知られるベストセラー「ガンジス河でバタフライ」の著者で、世界中を旅するたかのてるこさん、そしてもう一人、インド渡航歴は 50 回以上!インドを知り尽くしている航空会社「エア インディア」の営業部長・木下洋子さんをお迎えしたトークイベントの様子をお伝えします。

インド映画の新たな魅力に出逢える!『ガンジスに還る』はいままでのインド映画と、ここが違う!

たかのてるこさん(以下、たかのさん)「映画のコメントも書かせてもらいましたが、こんな風にガンジス河で死ねたら最高だな!っ て思いました。インド映画には珍しい静かな大人な感じで、いつになったら踊りだすんだ?!と思っていましたが最後まで踊ら なかったですね(笑)」と今までのインド映画にない魅力にあふれた本作を絶賛!

木下洋子さん(以下、木下さん)「私がインドでいま一番いい俳優と思っているのがアディル・フセインさん。彼は滅多に笑いませんし、あまりしゃべりません(笑)。『マダム・イン・ニューヨーク』にも出演しているんですが、似たような役。

でもたまにニコッと笑う時が貴重で、キュンとしてしまう!」と本作の主演、アディル・フセインの魅力を熱く語る木下さん。

たかのさん「確かに彼は、いつも愛想がない(笑)でもどの映画を見てもこの人の成長物語になっていますよね。大体インド映画ってアクの強い愛想の悪い人が出てきて。でも 2 時間後には「もうや〜だ〜っ!もう好き〜!」って虜になってしまうという(笑)」と たかのさんもテンション高めに共感。

たかのさん「バラナシはヒンドゥー教徒にとって聖地で、そこで死を迎えるのが素晴らしいことなんです。本作にも出てくる「死を待つ家」というところに行ったことがあります。実際に訪れて、「どのくらいの方がここで亡くなるんですか?」と聞いてみたら、死を待つ家に来たことが嬉しすぎて半分くらい元気にな って帰るそうです(笑)それぐらいテンションがあがる場所なんです」

映画から人生を学ぶ!異国情緒にあふれた普遍的な物語

たかのさん「映画の中でお父さんが“いつでも心の声に従え”って言うんです。さらっと言われるセリフですけど、それに尽きるというか。先日、講演をやって親御さんから悩み相談を受けて「子供がユーチューバーになりたい」と。合う合わないも、やってみないと 分からないですし、何事も応援してあげること!映画の中でも息子が詩人になりたかったのを止めたと言うエピソードがありますが、 やらないと一生後悔し続けますからね」

木下さん「なんでも失敗してみるのが大事で、無駄なことは何もないと思います。さらに、この映画で娘さんが出てくるんです。その娘さんが最終的にはある決断をするのですが、これはインド社会でも中々に大変な事だと思います。しかし近年、女性の首相も出てきて、インドも変わり始めています。女性も社会にどんどん進出して、男女格差はある意味ないんです。別の生きる道を選んだ彼女の決断が、この映画で描かれていることは新しい発見でした」

たかのさん「それをまだ撮影時 24 歳の監督が作ったというのがすごいなと思いました」と、20 代の監督が描いたとは思えない視点におふたりが絶賛!

インドのおもしろさと不思議さ、まずは行ってみるっきゃない!

たかのさん「インド行った時に列車が遅れるって聞いていて。自分が乗ろうと思ってた列車がすぐ来たんですよね。ちゃんと来たよ?ってインド人に言ったら、あれ昨日の列車だよって。なんと、24 時間遅れ(笑)! そんなお国柄に助けら れ、いまの自分がいると思います」と茶目っ気あふれるエピソードを披露。

木下さん「私は会社に入って一年後に初めてインドに行ったんですが、まず人柄に惹かれました。子供も成長してひと段落した時期に、インド人から“あなたはどうして生まれて来たか、考える時期にが来たら考えなさい”って言われたんです。哲学 的なことをなんでこの人は言うんだろうって、その時すごく不思議だったんです。この映画を見るとインドの人は、生まれて、勉強して、結婚して、仕事に励んで、ひと段落して、なぜ自分はこの世に生まれて来たのかを考える時期ってというのが来るのだと多くの人が感じているようなんです」

最後に「インド行くと、どんな風でも生きていけるなっていうのをすごく思うし、人生辛い時にインド人を思い出すと、元気がもらえるんです。チケット買えば誰でも行けます!みなさんぜひインドに行って下さいね!」と改めてインドの魅力をアピールした、たかのさん。 観客はおふたりからの次々と溢れ出すインド話に目をキラキラと輝かし、またQ&Aのコーナーでも観客あから次々と手があがり、 専門家ならではの知識に熱心に耳を傾ける場面も。

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異国情緒溢れるヒンドゥー教の聖地! 母なる大河・ガンジスと聖地バラナシ散策 4日間

出発期間:2018 年 10 月 1 日~2019 年3月 31 日

詳細☞https://www.natureworld.jp/

【概要】

◆日時: 10月19日(金)19:30~21:00

◆場所:H.I.S.旅と本と珈琲とOmotesando(渋谷区神宮前4-3-3 バルビゾン7番館)

◆登壇:たかのてるこ(地球の広報・旅人・エッセイスト)、木下洋子(エアインディア)

<たかのてるこさんコメント>

母なるガンジスで、こんな風に死ねたら最高。
「いつでも、心の声に従え」
やりたいことを全部やってから、死ぬぞー!

© Red Carpet Moving Pictures
10/27(土)より、岩波ホールほか全国順次公開!