町田康の傑作小説が【主演:綾野剛✕脚本:宮藤官九郎✕監督:石井岳龍】という最強の布陣で実写映画化!その話題沸騰中の映画『パンク侍、斬られて候』がついに 6 月 30 日(土)公開となった。これまで様々な役柄を生きてきた“ミスター・キャラクター・アーティスト”綾野剛を主演に迎え、北川景子、東出昌大、染谷将太、そして村上淳、若葉竜也、近藤公園、渋川清彦、さらに浅野忠信に永瀬正敏、さらにさらに國村隼、豊川悦司という日本映画界屈指のトップランナー12 人が大集結!もう二度と集まれないかもしれないキャスト達が、希代のストーリーテラー宮藤官九郎の脚本と、不世出の鬼才・石井岳龍監督による爆裂ワールドで極限の個性を爆発させる、誰も見たことのない前代未聞のエンタテインメントが誕生した。この度『パンク侍、斬られて候』の公開を記念して、本作の監督石井岳龍と、脚本を担当した宮藤官九郎による、ティーチ・イン・イベントが渋谷TOEI②にて行われた。
石井と宮藤が登場すると、場内からは割れんばかりの拍手と大歓声が巻き起こった。石井と宮藤は本編鑑賞直後の観客を前にして「熱い中ありがとうございます。今日は沢山しゃべります!!」と挨拶すると、会場からは更に大きな拍手が起こった。
続くティーチ・インでは、本作の熱烈なファンたちとの白熱のトークが繰り広げられた。何を思ったのか石井監督、突然「この映画、分けがわからないっていう人もいるんですが、皆さんはどう!?!?」と確信に迫る逆質問を投げかけ、続けて宮藤が「全ての映画がわけ分かると思ったら大間違いだぞ!!」と援護射撃すると会場は爆笑の渦に包まれた。
超個性的なキャラクターたちの軽妙な会話や、誰も予想の出来ないストーリーも然ることながら、特殊効果にも相当力を入れた本作。
その特撮に関して石井監督は「今回の特撮はせめていました!後半はほぼグリーンバックです。絵コンテに 3 ヶ月もかけました。」と秘話をかたると、会場からは「おー」とどよめきが起こった。更に「今回の特撮を担当してくれたのが尾上克郎さんなのですが、尾上さんとは26 年前の爆裂都市でのお仕事が初でした。彼からのアイディアは本当にすごくて、こちらからの無理な案に、逆に提案してくれたり、特撮は使わない方が効果的という提案までもらいました。」と語り、『シン・ゴジラ』でも有名な日本の特撮の第一人者との熱い裏話を披露した。
ラスト近くの猿と人間との大合戦のシーンに関して問われると、石井は「猿が可愛すぎてしょうがないんです。感情移入しすぎてこまるくらい。」とコメント。すると宮藤も「出てきた瞬間に心を掴まれてしまうんですよね。最後の花火が打ちあがるシーンは台本にはなくてびっくりしました。あのシーンは猿と一緒に多くの時間を過ごした國村淳さんの叫びが一番ピッタリですよね」と語り、お互い猿への並々ならぬ愛情を表した。
また、日本一の切れ役として有名な福本清三さんの出演について問われると、石井は「『仁義なき戦い』で拝見したのが初めてだったのですが、もの凄い印象深かったです。念願の東映京都の撮影だったので、出てもらえますか?と提案したら快諾して頂きました。福本さんは俳優の鏡ですね。そして京都の撮影所にはそういう方が沢山いるんです。もの凄くやりやすかったです。大変な撮影でしたが本当に助けて頂きました。」と京都で撮影できたことへの感謝の意を告げた。一瞬パンク侍らしからぬ真面目な雰囲気になりかけたことろで、宮藤が「実はこの映画、時代劇なのに馬が出てないんですよ!黒和藩の殿様を演じた東出さんが、『馬ひけー』といいながら徒歩で出陣してる(笑)」と以外な事実を告白。すると石井監督が「そう!時代劇なのに馬が出てこない!だって馬を使うとお金がかかるんだもん…」とのっぴきならない懐事情を明かすと、またもや会場からは笑いが起こった。
イベントの終盤、宮藤は「石井監督と作品が作りたかったんです。だから脚本を書くときはあまり映画になることを想像せず、そのまま渡してしまえと思いました。そもそもファンでしたから(笑)。普段は“僕の脚本が伝わりずらかったらやだな”と思うこともありますが、今回それが全くありませんでした。そして完成版はやっぱりすごかった!」と語り、対する石井も「僕はあまり文章が得意ではないし、宮藤さんとも仕事をしたかったのです。染谷さんの演じた幕暮のシーンなど、宮藤さんの筆が本当に走ってて嬉しかったです。これからも映画の組み立てや構成を考えてくれる脚本家の方と仕事をしたいですね。娯楽映画はそういう人と仕事したいです。」と語り、お互いを心からリスペクトしあっていることを明かした。最後は「まだまだ話したりない!
またこの企画やらせて下さい!」とコメント。惜しみない拍手と声援を背にしつつ 2 人は会場を後にした。