この度、『(500)日のサマー』でセンセーショナルなデビューを飾ったマーク・ウェブ監督が再びFOXサーチライト・ピクチャーズからお届けする、『クレイマー・クレイマー』『アイ・アム・サム』などのハリウッドの名作に名を連ねる、ハートウォーミング・ファミリードラマの傑作となる『gifted/ギフテッド』(原題:gifted)が20世紀フォックス映画配給にて11月23日(木・祝)より日本公開いたします。

主演は『キャプテン・アメリカ』『アベンジャーズ』シリーズでの全世界的な成功の傍ら、本作で俳優としての真価を存分に発揮しているクリス・エヴァンスと、本作をきっかけにそのチャーミングな魅力とファッションセンス、そして観客を魅了する高い演技力で現代最高の子役スターの座に上り詰めた、大注目の新星マッケナ・グレイス。彼らを温かく見守る教師役として、コメディエンヌとして高い人気を誇り、実生活でのクリス・エヴァンスとのロマンスも話題となったジェニー・スレイト、彼らに立ちはだかる厳格な祖母役として『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『アバウト・タイム 愛おしい時間について』のリンゼイ・ダンカン、さらにフランクとメアリーを常にサポートする隣人としてアカデミー賞(R)助演女優賞受賞の名女優オクタヴィア・スペンサーが脇を固めています。

この度、公開を記念して、Apple 銀座で開催される「Perspectives」に、マーク・ウェブ監督とミュージシャンとしてだけでなく劇場アニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』の劇伴なども手掛けているクラムボンのmitoさんが登壇し、トークセッションを実施いたしました!
「Perspectives」は影響力のあるクリエイターたちが自身のクリエイティブな制作過程を語ったり、才能を披露するToday at Appleの人気プログラム。イベントでは、世界的に高く評価される映画監督のマーク·ウェブと、ミュージシャンのmitoが、映画における音楽の重要性や、監督の大ヒット作『(500)日のサマー』と新作『gifted/ギフテッド』の魅力について熱弁!!!最後には、会場に集まった観客の質問も快く受け、イベント最後にはサインや記念写真にも喜んで対応するなどファン垂涎モノの濃厚なイベントとなりました!

<イベントレポート>
世界的に高く評価される映画監督と、日本を代表する音楽クリエイターの貴重な話を聞こうと会場には大勢の観客が押し掛け、いまかいまかとイベントスタートを待ちわびるなか、マーク・ウェブ監督とクラムボンのmitoさんが登場し、会場は大盛り上がり!!!

大きな拍手で迎えられたマークは「今日はこんなに素敵なイベントに呼んでくれてありがとう!この映画は観客のみんなにただあたたかい気持ちになってもらいたいという思い一心で撮った作品なんだ。気に入ってもらえると嬉しいよ」、続けてmitoさんは「僕は、この映画の音楽の使い方がとてもシンプルで、生活に密着したような形で使われていることにとても親近感を感じました。今日はマークの世界観と音楽が近い理由を知れたらいいなと思っています。」とそれぞれ挨拶しました。

日本でも大ヒットした『(500)日のサマー』を制作する前はミュージックビデオを手掛けていたというマーク・ウェブ監督。MCに『(500)日のサマー』におけるミュージックビデオ時代の経験について問われると、「僕は10年間ミュージックビデオを撮っていたんだけど、そこでは最初に音楽を聴いて、どういった映像が合うんだろうという制作の仕方をしていたんだ。でも映画は後から音楽をつけるという真逆の作業だったから当時はすごく違和感を感じていたよ。『(500)日のサマー』ではまずサウンドトラックを作った。主人公のトムの思考や彼が何を考えているのかというのを基準に音楽を選んだから、それぞれの曲の歌詞はそのシーンやキャラクターたちの心情を説明していることが多いよ。僕にとっては楽しい作業だったね」と当時の撮影を振り返りました。
一方、mitoさんは「『(500)日のサマー』を観て僕がすごくショックだったのは、主人公のトムが好きな女の子の前でカラオケするシーンで、ピクシーズの「ヒア・カムズ・ユア・マン」を歌わせるところが凄くキャッチーで面白かったですね。あそこで綺麗にピクシーズを入れて、さらにエレベーターではスミスを入れるのは、本当にそのシーンに寄り添っていて良かったですね」と感銘を受けた様子でコメントしました。

また、劇場アニメ映画『心が叫びたがっているんだ。』で劇伴を手掛けたmitoさんは「あの映画ではクラシック音楽を使うっていうテーマがあったのですが、観客の皆さんにクラシックをどうカジュアルに聴いていただけるのかということを試行錯誤したので、マークの葛藤とシンクロする部分はあるのかなって思いましたね」とコメント。mitoさんの話を受けたマークが「みんなの心に届きやすいものというのは大事だと思うけれど、そうすると”気に入ってもらえるもの”と”かっこよさのあるもの”が反比例するよね。mitoは、自分の音楽作るときと、劇伴を手掛ける時とどういう折り合いをつけているのかな?」と質問すると、mitoさんは「全然違うものだと思いますね。映画は画とそのシーンに寄り添うことが最優先。『心が叫びたがっているんだ。』で、クライマックスの「悲愴」と「オーバー・ザ・レインボー」を合体して歌うという案を考えたのは僕なんですけど、あの曲でシナリオすべてが変わったんです。シンプルだけど、誰もが驚くクライマックスを音楽で作ることが劇伴の到達点だと、僕は思いましたね」と明かしました。

マークは『gifted/ギフテッド』の音楽について問われると、「この映画の舞台は、セントピーターズバーグっていうフロリダの街なんだけど、その街の質感を再現できる音楽をつけるように努力したよ。実は、キャット・スティーヴンスの「ザ・ウィンド」を最後まで入れるのを悩んだんだ。あまりにもありがちだなって。でもこの映画は、映画が好きな人にも、馴染みがない人たちにも気に入ってもらえるように作りたかったし、この曲ならメアリーだって好きになってくれるんじゃないかなって思っていれることに決めたよ。」と明かしました。
mitoさんは「僕はシェールとティナ・ターナーの「シェイム、シェイム、シェイム」でメアリー(マッケナ・グレイス)とロバータ(オクタヴィア・スペンサー)でデュエットしているシーンが大好きですね。各キャラクターの緊張感が上がっていくなかで、それぞれの感情の差がうまくブレンドされていたと思います」とコメント。それに対しマークは「ここでは観客に一息ついてほしかった。通常の家族ではないけど、母親代わりのようにかわいがっている近所のおばさん(ロバータ)と、明るい生活で元気に育っていくメアリーの姿を感じてほしいと思ったんだ」と明かしました。

続いて話題が、劇中で子役とは思えないほど圧倒的な存在感を醸し出しているマッケナ・グレイスに飛ぶと、マークは「クリス・エヴァンスとメアリーを演じることが出来る子役を見つけないとこの映画は完成しないと話していて、100人以上もの子たちとオーディションしたんだ。ある日部屋に入ってきたのがマッケナで、とても愉快な子だった。ホチキスを猫に見立てて遊んだりしてね。最後に、”泣き叫ぶシーンをやってもらおう”っていったら”5分ください”と言って部屋からいなくなったんだ。戻ってきたら、彼女はすでに出来上がっていて、感情を爆発させて大号泣してくれた。その時に”この子しかいない”と思ったよ。自分のなかにある大きな芯を、感情で表現することは大人でも難しい。まさに演技力でキフテッドがある子だと思う。」と大絶賛!また、mitoさんも「マッケナちゃんは日本人受けする女の子ですよね。『アイ・アム・サム』のダコタ・ファニングに似たような才能を感じます。劇中の彼女の演技は完璧で、完璧だからこそこの映画に活きるんですよね。すでにインスタで注目を集めているし、素晴らしい子役だと思います。」とコメント。するとマークは「僕も彼女のインスタを見たよ。彼女の東京愛凄かったよね。」と先日まで来日していたマッケナのインスタに触れ、笑顔になりました。

<一般の方の質問>

Q:『(500)日のサマー』を50回見るほどファンです!監督といえば”音楽”と言われるけど、深いテーマとして”時間”というものもあると思います。”時間”使った演出にこだわる理由があれば教えてください。
マーク:50回も観たのなら、君は「(25,000)日のサマーだね。」(笑)時間というものは人それぞれ認識の仕方が違う。映画は時間や記憶が描きやすい素晴らしいメディアだと思う。フラッシュバックしたり、時間を広げたり、凝縮したりね。『(500)のサマー』ではトムは目の前で起きたことを自分の記憶に即座に残していく。正直”時間”はあまり気にしていないかな。僕は人間の感情に興味を持っているし、これからも描き続けたいと思っている。よく”時間が解決してくれる”っていうけど、時間軸とは関係なく、他の要素で変わっていくものだと思う。恋愛や愛情といった枠の中での時間では、時間を超えた普遍性が存在しているようにね。

Q:僕は『(500)日のサマー』のイケアデートのシーンが大好きです!監督ご自身の作品なかで好きなシーンがあったら教えてください。
マーク:イケアデートのシーンはとても長くて、こんなシーン分かってもらえるのかなぁって不安に思っていたから、そう言ってもらえて嬉しいよ。僕にとってのお気に入りのシーンは『(500)日サマー』のスプリットスクリーンのシーンだね。観ればとわかると思うけど、あのシーンは技術的にとても難しかったんだ。すべての過程が大変だったけど、すべてを丁寧に作りこむことで、完成したときにうまくブレンドされてやって良かったって充実感を得る事が出来た。ドアの開閉のタイミングや、音楽をかけたときのフィット感、すべてが最高だったよ。

最後に、mitoさんから「僕は、普段から着飾っているつもりはなくて、日常のなかにある2秒くらいの出来事を音楽にするためにクラムボンをやっているんですが、監督の映画に触れて、どの世界でも日常的なことを、つぶさなことをエンターテイメントにできる人がいるんだなって知ることが出来て、とても勇気づけられました。監督とは、またなにか一緒に造れるといいな」、マークは「今日は来てくれてありがとう!この映画は僕がシンプルに映画を作りたいという気持ちから制作したんだ。ただ楽しい気持ちで、素晴らしいスタッフとキャストで作った。だからこの映画を観て、みんなにも楽しんでほしい!」と笑顔で締めくくりました!

イベント後は、会場に駆け付けた熱狂的なファンのサインや写真撮影にも快く対応したマーク!濃厚なトークとまさに神対応といえるサービスっぷりで、ファン垂涎モノのイベントは和やかな雰囲気のなか幕を閉じました。

以上