。今もなおカルチャーアイコンとして注目され続けている寺山修司が、唯一遺した傑作小説を『二重生活』の岸善幸がメガホンをとり再構築し映画化。『キセキ -あの日のソビト-』『帝一の國』の若手実力派俳優の筆頭格菅田将暉と韓国映画『息もできない』で世界各国の映画賞を総なめした名優ヤン・イクチュンをダブル主演に迎えた『あゝ、荒野』(10 月 7 日(土)前篇、10 月 21 日(土)後篇全国順次公開の完成披露上映会舞台挨拶が行われ、上映前に菅田将暉、ヤン・イクチュン、岸善幸監督他総勢10 名が登壇しました。

♦ 日時:8 月 27 日(日) 19:30~20:00
♦ 会場:丸の内ピカデリー スクリーン1(千代田区有楽町 2-5-1 有楽町マリオン9階))
♦ 登壇者:菅田将暉、ヤン・イクチュン、木下あかり、モロ師岡、今野杏南、山田裕貴、
でんでん、木村多江、ユースケ・サンタマリア、岸善幸監督 /MC:伊藤さとり

『あゝ、荒野』の完成披露上映会(前篇)が行われ、ダブル主演を務めた菅田将暉、ヤン・イクチュンを始め脇を固めた主要キャスト、岸監督が一堂に揃った初お披露目の上映前舞台挨拶が行われた。
作品のテーマにちなみ「孤独をブチ破れ」壁が設置されており、グローブをはめた菅田とヤンが壁をブチ破り迫力のある登場に歓声が上がり会場のボルテージは一気に上がった。


―ひと言挨拶
菅田:「撮影中は鍛えていたんですけど、やっぱり衰えたのか・・・一発で(壁が)割れなくてすごく恥ずかしかったです。前篇だけで 157 分もある長い映画なのに、こんなに沢山の人が観に来てくれてうれしいです。構えずに観てほしい。『ミニオン』だと思ってください!」
ヤン:「撮影中は鍛えていたけど今はすっかりお腹が出てしまいました。これではバリカンじゃないですね(笑)この場に立つことができて最高です。」
木下:「こんなに沢山の人の前でお話をすることが初めてなので、本当に緊張していますがとてもうれしいです。よろしくお願いします。」
今野:「映画の舞台挨拶に立つことが初めてです。改めて、この作品に参加ができたことを実感しています。こんな機会を頂けて光栄です。」
山田:「試写を観終わった後に<ちゃんと俺は生きているのかな>ってしばらく考えるほど衝撃がありました。ものすごい映画になっています。『ミニオン』になるかどうかはぜひ自分の目でみて確かめてもらえれば。」
でんでん:「ご覧の通り、私が一番年寄りです。皆に負けてられないと気合いをいれすぎて撮影初日に親指を突き指しちゃいました。」
モロ:「女性のお客さんが沢山いて、それだけで緊張します。わたしは元自衛官で余命いくばくもない男の役ですごく大好きな設定で楽しみました!」

木村:「この作品は胸が熱くなる瞬間、胸が締め付けられるような瞬間が沢山ある映画です。今日前篇をみたら、後篇がみたくなること間違いありません。ぜひ皆さん、周りの方へ伝えてください!応援よろしくお願いします。」
ユースケ:「映画なんて1時間半位が限界のそんな俺が途中1回トイレに行っただけ!(前篇後篇あわせて 305 分なのに)目が離せない、飽きない、すごい映画になったと思います。前篇はプロローグにすぎませんから!『ミニオン』もよろしく!僕が主演の『ワンダーウーマン』もみてください!(笑)」
監督:「『ミニオン』をこえるべく精根こめて作りました(笑)。愛のあるラブストーリーになっていると思います。」
ボクサー役に挑んだ菅田、ヤン、山田に体作りや撮影時のエピソードについて聞くと、菅田は 50 数キロから、ヤンは 70 数キロからそれぞれ約 10 キロの増減量をへて、60 キロの同じ階級にあわせていったという。菅田「撮影開始の半年前に1回だけヤンさんと会ってそれからお互いにトレーニングをしていました。(体重については)絶望的なスタートだったんですけど、なんとか現場では同じ位になりましたね。お互いスパーリングの様子など相手の動画をみて、これは負けてらないと思って励みました。」山田との試合シーンについては、菅田「向かい合ってる時間とか空気感が本当に殴り合ってるからこそ出るものがあるんです。もうそこは信頼関係でしたね。」山田「芝居を超えて、僕らはボクシングをしてました。それが画に出ていたからよかったです。」と振り返る。菅田「」試合シーンについて側でずっと見守っていたユースケは「俺の愛する菅田とイクチュン、山田君も撮影なんですけどリングの上でボロボロになっていくんですよ。心が痛かった。」と壮絶な現場の様子を語った。
菅田の恋人役に抜てきされた木下は、撮影初日から大胆な濡れ場に挑み「はじめましてから3分くらいで。でも、逆に初日で良かった」菅田「裸だしね。初日にもう全部見せているから、恥ずかしいものがなくなったよね。」
木村が役づくりとして現場では菅田と一切話さないと決めていたことを知った菅田は(木村に)嫌われてると思ったと告白、ヤンがでんでんを撮影に紛れ込んでしまった工事現場の人と間違えていたこと、でんでんが初日に突き指してしまったため「ジャブジャブジャブ!」という台詞だけで乗り切ったとユースケが暴露するなど撮影中のエピソードが溢れ出し、予定の時間を超え、おおいに会場を盛りげた。
最後にこの作品をこれから観る人へ向け、ヤンは最後は通訳を介さず片言の日本語で「2人の男が出会って、自分たちの〝心で会話する映画“です。今日のような家族(みたいな)雰囲気で、面白く撮りました。」と挨拶。岸監督は「この作品は濡れ場もボクシングシーンも皆全身を使って打ち込みました。そこにぜひ注目してもらえたらと思います。」菅田は「孤独や、失ったものがある人は心が荒野のように荒れて、人とのつながりや愛情を求めていく。この作品はそういう過去を埋めていく 2 人の物語で未来をつくっていく映画。それでも構えずに見てほしいです、ミニオンだと思って!」と真摯に会場に語りかけ、舞台挨拶を締めくくった。