文化芸術の街「上野」と喜劇発祥の地「浅草」を舞台に繰り広げられるコメディ映画の祭典「したまちコメディ映画祭in台東」(略称したコメ)。今年も2017年9月15日(金)~9月18日(月・祝)に「第10回したまちコメディ映画祭in台東」を開催いたします。
「したコメ」とは、東京随一の下町(したまち)の魅力をコメディ映画を通じて存分に味わっていただく、いとうせいこう総合プロデュースのコメディ映画祭です。「映画(Cinema)」「したまち(Down town)」「笑い(Comedy)」という3つの要素を掛け合わせることで、映画人、喜劇人、地元の皆さん、映画・喜劇を愛する皆さんが一体となって盛り上がれる、他にない魅力を持った、住民参加型の映画祭となっており今年で10年目を迎えます!

8月19日(土)、台東区役所にて、いとうせいこう(したコメ総合プロデューサー)、大場しょう太(したコメチーフディレクター)による、「『したコメ10thアニバーサリー2017』見どころ全解説!」イベントが行われました。イベントの頭にサポーターの手作りくす玉が登場!サポーターが割ると中から“祝10周年!!”の文字が登場!会場に拍手が湧きました!そして、今年もしたコメに集まった良作・珍作をいとうせいこう&大場しょう太が全作品を徹底解説致しました。また、会見途中には今年のオープニング作品である『blank13』の齊藤工監督によるビデオメッセージも披露!そして、全作品の紹介が終わると、いとうせいこうから重大な発表が行われました。

◆実施日時:8月19日(土) ◆場所:台東区役所(※雨天により会場が変更致しました)
◆出演者:いとうせいこう(したコメ総合プロデューサー)、大場しょう太(したコメチーフディレクター)

今年の前夜祭「シネマ歌舞伎『め組の喧嘩』inしたコメ」について

いとうせいこう(総合プロデューサー)以下:いとう
いとう 今年の前夜祭は、中村勘三郎さんが最後に出た演目『め組の喧嘩』。ゲストには中村勘九郎、中村七之助ご兄弟をお迎えし上映するんですが、中村勘三郎さん最後の姿がとにかくすごい。実際の歌舞伎の演目の中では、最後に会場の扉が開いて大きな神輿が登場するんだけど、この迫力をぜひとも、ここしたコメでも再現出来ないかと思っています。映画祭というのは、祭という文字が入っていますから、ただ映画を流すだけではなく、“祭”という要素がなければダメだと思っていて、まさにそういったしたコメの精神にあった、祭のような作品を前夜祭に持ってこれたのは正解ですね!当日は平成中村座、勘三郎さんをリスペクトして、面白い仕掛けを考えています!

今年のオープニング作品について

大場しょう太(したコメチーフディレクター)以下:大場
 今年のオープニング作品は齊藤工監督の『blank13』。放送作家のはしもとこうじさんの実話を基に俳優の斎藤工が長編映画初監督を務めた作品ですね。
いとう 齊藤君はいつもしたコメに来てくれていて、去年したコメで本作の制作発表会見をしてくれたのですが、ずっと前からしたコメには何度も来てくれていて、第7回のオープニング作品『西遊記』では吹き替えを担当していたのでゲスト登壇してくれたり、齊藤君が企画・製作の短編コメディ『バランサー』を上映したりと、何かと関わりの深い人だから、個人的には次の2代目したコメ総合プロデューサーがあるのなら、継ぐのは齊藤工だ!って俺は本人にも言っているからね(笑)!節目の10thにふさわしいオープニング作品ですね。

「『セントラル・インテリジェンス』 LiLiCoの映画卍固め」について

大場 ドウェイン・ジョンソン、ケヴィン・ハートのバディー映画ですが、ぜひしたコメ的にはケヴィン・ハートに注目して欲しいですね!アメリカでは今めちゃくちゃ人気のトップコメディアンの一人で今後も注目の俳優の一人ですね!

いとう そして、そこに元プロレスラーのザ・ロック様ことドウェイン・ジョンソンが入って来るんだけど、彼の役柄が学生時代にデブでいじめられっこだったという設定で、そこから、ムキムキの筋肉をもったドウェイン・ジョンソンがエージェントとして事件を解決するヒーローになっているんだけど、ケヴィン・ハートが”本当にこいつはヒーローなのか?ただのやばい奴なんじゃないのか、”と疑問に思っていくさまが面白いですね。そして、したコメでは、自身でもプロレスをやっているLiLiCoがトークゲストとしてやってくるんだけど、どんなイベントになるか、これは目が離せないね!

「『オレの獲物はビンラディン』~ニコケイまつりinしたコメ~」について

大場 もうね、ニコケイどうしちゃったの?!っていうのがこの映画の魅力ですね。一時期は大作映画に出てシュとした体つきをしていたニコケイがお腹にお肉をつけて、おじさん姿で体当たりで演じる本作はニコケイ祭りと言うしかないですよね!
いとう ニコケイはどうしちゃったの?
大場 まぁ、破産しちゃったからね。ニコケイはすごいコミックオタクで色々なアメコミグッズとか買い漁ったりして、勿論それだけが理由じゃないけど、とにかくお金がないから、どんな作品にも出て頑張んないとダメなんだよね。
いとう バカだねぇ、バカオタクだね。オタクの鏡!そんな愛すべきニコケイのために、全てのニコケイファンに集まってほしいよね、アクションが好きだ!少し笑えるとこが好きだ!とか、理由は何でもいいんだけど、ニコケイを愛する人たちに集まってほしいのがこのイベントだよね。そして、会場に来てくれたみんなに一番好きなニコケイの映画を投票してもらって、ニコケイファンが選ぶ、No.1ニコケイ映画をこの会場で発表したいよね!

「『声優口演ライブ 没後40年チャップリン特集』」について

いとう 声優口演ライブは本当にしたコメの誇るイベントだからね!こんな大御所の声優界のレジェンドたちが集まるイベントは本当に凄いよ。師匠の技は袖から盗めというけれど、声優の卵みたいな人は絶対に来て、最前列の観客席から技を盗む気持ちで見てほしいね。この、声優口演をプロデュースしている声優の羽佐間道夫さんは第1回目のプレイベントから来ていただいていて、したコメ皆勤賞なんだよね。皆勤賞は羽佐間さんしかいないんじゃないかな。これは、節目の10thに映画祭としても何かしたいよね!本当に貴重なイベントです!

「クロージングセレモニー 小松政夫リスペクトライブ」について

いとう 今年は小松政夫さんをコメディ栄誉賞に選ばせて頂いたんだけど、偶然今年の9月からNHKで小松さんが植木等さんの付き人をしていた時のことを綴った「のぼせもんやけん」がドラマ化されることが決まっていて(ドラマタイトル「植木等とのぼせもん」)、今年はなるべく人がなったという感じですよね。また、小松さんはしたコメが、まだ知名度がない何の権威もない最初の頃から来ていただいていて本当に気さくな素晴らしい方です。リスペクトライブには、したコメではお馴染みの浅草ジンタ、ポカスカジャン、SCOOBIE DO,フラワーカンパニーズ、ホフディランがゲストにやってくるんだけど、その中にGentle Forest Jazz Bandがあって、浜野謙太(ハマケン)さんも是非参加してほしいとオファーして決定したのだけれど、実はハマケンは9月から始まる、小松政夫さんの著書が原作のNHKドラマ「植木等とのぼせもん」で、クレージーキャッツのメンバー・谷啓役をやるそうで。こんな偶然ある?!今年のしたコメは運命が決まっていたね!

最後に
いとう まだまだ、この時点ではゲストこのとや言えないこと仕掛けなど沢山のことが今年も起こる『第10回したまちコメディ映画祭in台東』ですけども、ぜひ映画祭に来て頂ければと思います。そして、10回目となる今年が、僕が今までプロデュースしてきたしたコメは“あがり”になります。ここから、次のステージで新しくどうやっていくかは、したコメを支えてきてくださった皆様にお任せしたいと思います!なので、集大成という意味で、ぜひとも今年の映画祭に皆さまに来てほしいと思います!ありがとうございました。