「観ていて胸がいっぱい。家族の映画でもあるし、苦悩の青春映画」桜沢エリカ、小田島久恵 賞賛!!映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』 公開記念イベント
現在Bunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほかにて大ヒット上映中の『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』。
本作の公開を記念し、バレエ好きで知られる漫画家の桜沢エリカさんと音楽・舞踊ライターの小田島久恵さんが登壇、
Bunkamuraル・シネマにてトークショーを開催いたしました。
■日時:2017年7月22日(土)11:00の回上映後
■会場:Bunkamura ル・シネマ(東京都渋谷区道玄坂2丁目24−1)
■ゲスト:桜沢エリカ(漫画家)、小田島久恵(音楽・舞踊ライター)
現在大ヒット上映中の『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』の公開記念トークイベントが7月22日、Bunkamuraル・シネマにて行なわれ、バレエ好きで知られる漫画家の桜沢エリカさんと音楽・舞踊ライターの小田島久恵さんが登壇、セルゲイ・ポルーニンにについて熱く語った。
本作は、孤高の天才ダンサー、ポルーニンの知られざる素顔に迫るドキュメンタリー。19歳で名門・英国ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルに選ばれるが、人気絶頂期に電撃退団。全身にタトゥーを纏い、決して型にはまらないバレエ界きっての異端児ポルーニンの生き様を、本人や家族、友人、関係者らのインタビューを交えながらひも解いていく。
二度目の映画を鑑賞した桜沢さんは「観ていて胸がいっぱいで、なんといっていいのか、家族の映画でもあるし、苦悩の青春映画でもありまよね」と感想を述べると、小田島さんは「登場人物が濃いですよね。お父さんがとにかくせつなくて…。お母さんはというと、若くて綺麗で、でもあの目つきは只者ではないかんじがしましたね(笑)」とコメントし、会場の笑いを誘った。
ロシアに行っても順当に出世し、スターになっていたのではないかと小田島さんが問いかけると桜沢さんは「ボリショイやマリインスキーでもポルーニンは出世はできたと思いますが、やはり外国に言ったほうが早くスターになったと思うんですよね」と分析。ロイヤルでの活動を振り返り小田島さんは「でもロイヤルってみんなすぐ辞めちゃいますよね。そういえば以前アダム・クーパーに会った時に、どうしてみんな辞めてしまうのかって聞いたことがあるんですけど『あんな軍隊みたいな所、すぐに辞めちゃうよ!』って言っていたのを思い出しました(笑)」と述べると、桜沢さんは「でも、オペラ座をやめてロイヤルに入ったシルヴィ・ギエムみたいな人もいるので、やっぱり合うか合わないかではないんじゃないですかね!」と指摘。
また、前回ポルーニンが来日した2012年の公演を観に行った桜沢さんは「その時はロイヤルを辞めたばかりで、日本ではまだ彼がすごいという噂がひろまっていなくて。確かに観てすごいとは思ったのですが、感情が呼び覚まされるまでではなく…ただ、とてもいい演目を踊っていたのでずっと印象には残っていました」と当時の印象を語った。
そして、ポルーニンの身体に刻まれたタトゥーの話題になると小田島さんは「これはわたしの考えではありますが、タトゥーがいっぱい入っている人というのは他人との一体感を求める人だと思うんですよ。ゼレンスキーの顔を彫るっていうのは、彼の中で何か残したいというのか…絆を刻みたいというのか…。わたしは占いライターもやっているのでホロスコープも調べてみたんですが、さそり座のポルーニンはというと真面目過ぎて自分を追い込んでしまう性格ですが、何をやっても大成する人と出ました」とポルーニンを分析。更に「ダンサーって、自分の心の内を語らないひとが多くて、その中でこの監督は、異端児などとメディアで騒がれていたポルーニンの裏側を、よくも見つけることが出来たなと思うんですよ」と監督を賞賛した。
桜沢さんは「”すっぽかし!!”などと新聞で書かれると、ただのお騒がせみたいに見えてしまう。それこそエイミー・ワインハウスもそう。彼女もすごくセンシティブだったけど、奇行ばかりが取り沙汰されて…。そう考えるとポルーニンも生き急いでいる感があって心配になりますね。この先愛情をいっぱいもらえるような人と出会って、安定した踊りを踊ってほしいなと思います」とエールを送ると、小田島さんも「今まだ28歳ですもんね。まだまだずっと踊っていてほしいですよね」と同調。会場全体から大きな拍手が巻き起こりイベントは幕を閉じた。
映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅や野獣』Bunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほかにて大ヒット公開中