本作品の原作は、向井理の祖母・芦村朋子の半生記を綴った「何日君再来」。向井理が大学生のときに、祖母の手記をパソコンで打ち直し、家族や親戚と共に自費出版をして、卒寿(90歳)をむかえた祖母へお祝いとしてプレゼントしたもの。この原作をもとに向井理自身が7年前から映画化を熱望し、企画にも携わった意欲作。衣食住もままならない戦後の混乱期、夫・吾郎(向井理の祖父)と妻・朋子が、時代の波に翻弄されながらも、日本人としての誇りを失わずに懸命に生きる、壮大な愛の実話となっています。現代の朋子が書き綴った手記を、孫の理が1冊の本にまとめていく過程で、過去を振り返っていく回想形式によって語られていきます。
キャストは、主演の芦村朋子役に尾野真千子。朋子の夫・芦村吾郎役に向井理、81歳となる現代の芦村朋子役に野際陽子、朋子の娘で理の母親である真美役に岸本加世子、朋子の父・忠役にイッセー尾形、朋子の孫・理役に、現役大学生で本作が本格的な俳優デビューとなる新人の成田偉心、吾郎の先輩で朋子と吾郎の恩人となる高杉幹夫を駿河太郎など魅力的なキャストが勢揃いしました!さらに、女優・高畑充希が主題歌を担当し、朋子と吾郎を結ぶ“運命の愛の歌”となった昭和の大ヒット歌謡曲「何日君再来」を歌っています。
さて、本日6月24日(土)に初日舞台挨拶を実施致しました。上映を見終えた観客の前で、尾野真千子さん、向井理さん、岸本加世子さん、駿河太郎さん、成田偉心さん、山本むつみさん(脚本)、深川栄洋監督が登場し、初日を迎えての感想や映画への想いの丈を語りました。また、本作が映画遺作となった野際陽子さんと共演した岸本加世子さんは撮影時のエピソードなども披露しました。さらに、吾郎役の向井さんからその妻・朋子役を演じた尾野さんに、劇中で尾野さんが着用していた黄色いワンピースをイメージした黄色い花束と愛のこもったメッセージをサプライズプレゼント!向井のサプライズと温かい観客からの盛大な拍手に尾野真千子大号泣の舞台挨拶となりました!

【日時】6月24日(土) ■舞台挨拶11:15~11:40(25分)上映後イベント
【場所】TOHOシネマズ 新宿 SCREEN9(新宿区歌舞伎町 1-19-1 新宿東宝ビル5階)
【ご登壇者】尾野真千子(35)、向井理(35)、岸本加世子(56)、駿河太郎(39)、成田偉心(21)、山本むつみ、深川栄洋監督(40)

映画を見終えた総勢約500名の観客がスタンディングオベーションでキャストの尾野・向井・岸本・成田・駿河・山本(脚本)・深川監督の7名を迎えた。キャスト・スタッフの登場後、しばらく拍手が鳴りやまず、主演の尾野真千子は感極り大号泣!温かい客席に対して尾野は「感無量です!こんな経験初めてです。こうやってご褒美をもらえたことが本当に嬉しいです。」と涙ながらに話した。そして向井は「隣で号泣されると冷静になっちゃいますね(笑)今までやってきてこういう経験が初めてなので、本当に嬉しいです。たくさんの方々に届いたんだなと実感します。まだ実感がわかないですが初日を迎えられることができました。僕にとってもみなさんにとっても特別な一日になりました。本当にありがとうございます。感無量です」と語った。
昨年2月のクランクインから1年4か月。改めて初日を迎えた感想を尾野に聞くと「今のこの場ついてからは嬉しさでいっぱいです。向井さんと2人でプロモーションを頑張ってきましたが、公開されることが寂しく感じてきて、自分たちの手からこの映画が旅立っていくんだね、って話していました。でも今日は嬉しいね!良かった!」と語り、今回自身の祖母の手記の映画化を企画した向井は「話を始めて7年、自分の家族(の映画)を残そうとは思っていませんでした。あの時代生きてた人たちを残したかったんです。企画としてはいろんな人に頼りっぱなしでした。改めて周りに感謝したいです。」と感慨深げに初日を迎えた思いを告白。
岸本は過去に向井と親子役を演じたこともあり「このお話をいただいたときは、向井さんとちょうど親子役を演じていたんです。向井さんのおばあさんのお話ということ、実話でもありますので心してかからないと、と気合が入りました!」と意気込んで臨んだことを語り、本作で向井演じる吾郎の先輩“高杉”役を演じた駿河は「向井くんとは初めてお仕事をさせていただきました。この企画を聞いたときに、なんておじいちゃんおばあちゃん孝行なんだと思いました。こんなイケメンでそんなええことされたら誰も勝たれへんやろと正直思いましたね(笑)撮影時の向井君のスタッフへやキャストへの配慮もすごくて、惚れてまうやろ!と思いました(笑)個人的に僕は「カーネーション」というドラマで尾野さんと夫婦役でしたので、元嫁が他の男と夫婦役を演じていることに少し嫉妬しました(笑)」と会場を沸かせた。

印象に残っているシーンについて尾野は「全部のシーンが我が子のようです(笑)家族で笑っているシーンは楽しくってみんなが幸せのシーンなので楽しかったです。」と語り、一方、向井は「僕は躍っているシーンですかね!大幅にカットされちゃいましたけど(笑)南京の時代に、若かった吾郎が子供たちに向けて踊るシーンがあるんです。現場では一人でずっと踊っているので体力的にキツかったですが、子供たちの自然なリアクションを撮るために一発本番で臨みました。」と語った。それに対して駿河は「向井君が一人で踊っているところを見て、尾野さんと2人で笑ってました。」と撮影時のこぼれ話を披露。
また、先日逝去された野際陽子さんと共演した岸本は「本来であれば野際さんが今日の舞台挨拶を楽しみにしておられたと伺いました。大先輩である女優の野際さんの映画としての遺作にご一緒できて本当に光栄です。現場ではとても元気でいらっしゃいました。深川監督からもっと弱った感じに…と演出をされるぐらい元気だったんです。本当に突然のことで悔やまれるのですが、今回の映画は私にとって宝物になりました。」野際さんとの思い出を語った。

さらに、向井自ら主演・尾野に感謝の気持ちを伝えたいということでサプライズ企画を実施。
向井は「撮影期間は1か月でしたが映画というものは本当に大変でいろんな人が携わっています。俳優部の部長として作品を引っ張ってこられた主演の尾野真千子さんにお心ばかりのプレゼント渡したいと思います!」と尾野の誕生月の花でもあり、劇中で尾野が着用していた黄色いワンピースをイメージした黄色のオンシジュームの花束をプレゼント。「お疲れ様。幸せだったよ!真千子と共演できて!映画って見えないところでたくさんの努力が必要なんです。一番先頭にやるってことはとても大変なことで、たくさんの拍手をいただけていることも彼女の才能です。本当にお疲れ様でした。」と向井の言葉に尾野は再び大号泣。
向井の愛情ったぷりのサプライズ演出に尾野は「今日はなんて日だ!本当に妻を演じさせていただいて本当に幸せでした。楽しい日々を迎えられて、ともに足並み揃えてここまで歩んで来られたことがとても嬉しいです。この映画を一番の宝物にします!」と涙ながらにコメントした。
最後に向井が会場の観客に向けて「本当に今日はありがとうございました。初日は僕らにとってゴールでありみなさんにとってスタートでもあります。今回本来ならここにいるはずだった野際さんんがいらっしゃらないのは残念ですが、野際さんもこういう時代が二度と起こらないでほしいと語っていました。反戦映画ではないですが、僕も野際さんと同じ思いです。そして、個人的に僕の好きな昭和の映画ができたと思います。この映画がもっともっと広がっていくと思うと本当に嬉しいです。本当にありがとうございました。」と締めくくり、舞台袖でひっそりと涙を流して会場を後にした。