この度、トム・ヒドルストンが伝説のシンガー“ハンク・ウィリアムス”を演じた伝記映画『アイ・ソー・ザ・ライト』が10/1(土)より新宿ピカデリーほか全国公開いたします。この度、「シネ・ロック・フェスティバル2016」のオープニング上映として、本作のジャパンプレミアが開催されました。

本作は、“キング・オブ・カントリー”と称されたアメリカのシンガー“ハンク・ウィリアムス”の半生を描いた伝記映画。1947年にメジャーデビューし、それから6年という短い活動時間を経て、人気絶頂のまま29歳という若さでこの世を去った。その後、ハンクが生んだ音楽はエルヴィス・プレスリー、ザ・ビートルズなど偉大なアーティストへ影響を与え、“ルーツ・オブ・ロック”と呼ばれるほど、時代や国境、ジャンルを超えて今なお人々の心に生き続ける伝説的存在となった。そんなハンクを演じるのは、『マイティー・ソー』『アベンジャーズ』の“ロキ様”でおなじみのトム・ヒドルストン。エンパイア誌、ELLEなど名だたる英国誌が選ぶ“マン・オブ・ザ・イヤー”を受賞してきたヒドルストンは、日本でも映画雑誌SCREENらが選ぶ英国男優総選挙2015で1位を獲得。最近では世界的歌姫テイラー・スウィフトとの熱愛報道が話題になり、まさに世界が注目するイケメン俳優である。
この度、本作のジャパンプレミア実施にあたり、ラジオ番組で活躍し音楽の知識に富むブロードキャスターのピーター・バラカンさんと、アメリカ音楽に精通する音楽評論家でありミュージシャンの萩原健太さんによるトークショーを開催!本作で描かれるロックの父と呼ばれた50年代の偉人ハンク・ウィリアムスの魅力、そして記念すべき第二回目となる「シネ・ロック・フェスティバル2016」の見どころなどを熱くトークいただきました。

【日時】 7月23日(土) 12:30〜13:10(40分)
【場所】丸の内ピカデリーシアター③(千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン「新館」5F)
【登壇者】 ピーター・バラカン(64)、萩原健太(60)

夏フェスシーズンが本格的に始まるなか、「映画館で夏フェスを」のもと開催される“シネ・ロック・フェスティバル”は今年で2回目となる。数々の作品が集まるなか注目の作品として、ピーター・バラカンはデヴィッド・ボウイの回顧展を映像化した『デヴィッド・ボウイ・イズ』、N.W.A.の伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』、トーキング・ヘッズの『ストップ・ザ・メイキング・センス』を挙げ、萩原健太はニール・ヤングの『ジャーニーズ』、マーティン・スコセッシ監督がローリング・ストーンズのライブを撮影した『シャイン・ア・ライト』を挙げた。

シネ・ロックのオープニング作品としてジャパンプレミア上映を迎えた『アイ・ソー・ザ・ライト』について
萩原:『ウォーク・ザ・ライン』でジョニー・キャッシュを演じたホアキン・フェニックスを彷彿とさせる作品ですね。
バラカン:演技がとにかくいいです。トム・ヒドルストンをこの作品を観るまで知らなかった。イギリス俳優だということも知らなくて、この映画を観ていても全く疑わないくらいアラバマ生まれの訛りがうまく表現されていたね。
萩原:音楽の監修をロドニー・クロウェルがやっていて、役作りにあたりトム・ヒドルストンにつきっきりで訓練をしたそうですね。ハンク・ウィリアムスといえばエルヴィス・プレスリーがカバーしたり、カーペンターズが出てきてハンク・ウィリアムスの「ジャンバラヤ」をカバーしてそれが売れたりしましたね。ハンクの功績はそういったところでも見られました。

バラカン:ハンク・ウィリアムスを初めて知ったのは、小学生の頃ラジオで曲を聴いた時でした。初めはちょっと田舎臭くて好きじゃなかったんですが、決定的に印象が変わったきっかけがあったんです。実は90年代にハンクの「I’m So Lonesome I Could Cry」をカサンドラ・ウィルソンがカバーして、それがとにかく良くて。とてもシンプルで心に刺さる曲なんです。そのときからハンクの曲を聴き始めましたね。
萩原:その曲はエルヴィル・プレスリーもカバーしていますしね。
バラカン:ミュージシャンとしてもすごいけど、“ソングライター”としても偉大な人物ですよ。
萩原:そうですね。言葉を紡ぐ瞬間にすごいひらめきが起こるんでしょうね。そんな反面、ハンクはいろいろと私生活を含めるとひどい人なんですよ笑
バラカン:そういうのも含めてミュージシャンっていうことなんですけどね笑
萩原:映画では、そのような彼の生活を描く中で、彼の曲の使い方がうまい!それぞれのエピソードと彼の曲が相まっているので、その辺も映画を楽しめるポイントです。ゲスな部分と聖なる部分と、二面性をもった彼は、当時からすると本当にすごい存在だったのでしょう。デビュー曲の「Move It On Over」も素晴らしいですよね。
バラカン:当時ロッックンロールという言葉がなかっただけで、彼の歌はすでにロックンロールだったよ。
萩原:こうして、エルヴィスやローリング・ストーンズのキース・リチャーズも影響を受けているわけですしね。
バラカン:この作品をきっかけにハンクの曲に興味を持ってもらえると嬉しいです!

最後に、シネ・ロック・フェスティバル2016について
バラカン:いつもと違う環境でみると全然違う作品に見えるので、ぜひシネロックを楽しんでください
萩原:そうですね。家で見ている作品も、映画館でみると改めて気づくことがあったりしますからね。シネロックを通して、新たな出会いと再発見を体験していただきたいと思います!