綾野剛主演、『凶悪』の白石和彌監督の待望の最新作『日本で一番悪い奴ら』が6月25日(土)より全国公開しております。この度、主演の綾野剛が、第15回ニューヨーク・アジア映画祭のライジング・スター賞を受賞し、ニューヨーク、リンカーンセンターにて授賞式が行われました。

第15回ニューヨーク・アジア映画祭<ライジング・スター賞>授賞式
綾野剛、「ニューヨーク最高です!」

◎内容/ 第15回ニューヨーク・アジア映画祭 「ライジング・スター賞授賞式」「公式上映」「上映後Q&A」 
◎日程/ ニューヨーク現地時間:6月28日(火)18:00〜授賞式&公式上映/20:30〜Q&A 
      (日本現地時間:6月29日(水)7:00AM〜授賞式&公式上映/9:30AM〜Q&A)
◎会場/Walter Reade Theater(リンカーンセンター内)   
◎参加者/綾野剛、白石和彌監督

<日本警察史上、最大の不祥事>といわれる驚愕の事件を題材に、一人の刑事の歪んだ正義が暴走するエンターテインメント『日本で一番悪い奴ら』。本作が、第15回ニューヨーク・アジア映画祭のオープニング作品として上映され、主演の綾野剛が、“これからの世界的な活躍を期待する俳優”に贈られるライジング・スター賞を受賞し、授賞式が行われました。会場は上映を待ち望む幅広い世代の男女で満席となり、映画祭のディレクターであるサミュエル・ジャミエールが綾野、白石を呼び込むと2人が登壇。今回がニューヨーク初上陸となる綾野剛が「会場の皆様、本日はご来場頂きありがとうございます。ニューヨーク、最高です!」と英語で挨拶すると、観客からは歓声と祝福の拍手が鳴り響いた。さらに、綾野は受賞に際して、「非常に光栄な賞を頂き、大変嬉しく思っております。私個人が、この賞を受賞したとは考えておりません。この『日本で一番悪い奴ら』という作品が評価され、私が代表として、今日この賞を頂いたのだと思っております。この作品に、白石監督に、そして本日この場にお越しくださった会場の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。」と感謝を述べた。本映画祭のオープニング作品となっていた本作。過日22日のオープニング上映の際にすでに観客と一緒に映画を見ている白石からは「ビッグスター!」と満席の会場に綾野を紹介し、「映画の中でたくさん悪いことをしていますが、そのおかげで、この作品と、ライジング・スター賞を授賞した綾野剛がこの場います」と挨拶し会場を沸かせた。

授賞式に続き、同会場にて公式上映が行なわれたが、日本警察史上最大の不祥事と呼ばれる事件を題材にした本作だが、エンタメ性の高さと、現実離れしたキャラクター展開によって上映中は絶えず笑いが起こり、本編後半では悪に染まった諸星と同調するように観客は物語に引き込まれていた。上映終了するや、場内からは拍手が起こり、客席で観客とともに鑑賞していた綾野と白石監督が紹介されると、さらに割れんばかりの拍手と賛辞が二人へ向けられた。
ティーチインに登場すると綾野は「笑いながら楽しんで観ていただいたことに、とても感銘をうけています。ある出来事をきっかけに、物語は重厚感を増していきますが、会場のリアクションもそれに応じて呼吸しているようで、そこは日本の劇場と似ていると感じました。」と語り、白石監督は「聞くところによると、ニューヨークでも警察の不祥事などがあるようですし、ギャングもいる。そのような環境で、どう観てもらえるのか不安だったが、楽しんでもらえて安心しました。」とニューヨークの観客の、上映中に笑いが耐えない様子に安堵の表情を浮かべていた。また、ニューヨークの土地柄、数々のギャング映画を手がけるマーティン・スコセッシ監督に関する話題も。白石監督は「『グッドフェローズ』『カジノ』などギャングの一代記モノは好きですし、そういった作品へのリスペクトは頭の中にありました。」と語った。最後に綾野は、「大変栄誉ある賞をいただきまして、感謝しかありません。今回、ニューヨークにきて、たくさんのパワーをいただきました。エンターテイメントのありとあらゆる可能性に満ちあふれていて、この地で体感したことを自らの糧にして、今後の作品にも活かしていきたいと考えています。」と締めると、会場からステージの二人へ盛大な拍手が贈られた。

実際の事件をベースにした本作で、綾野剛は「正義の味方、悪を絶つ」の信念をもちながらも、でっちあげ・やらせ逮捕・おとり捜査・拳銃購入・覚せい剤密輸など、ありとあらゆる悪事に手を汚していく北海道警察の刑事・諸星要一の26年間を演じきっている。ニューヨーク・アジア映画祭は、今年で開催15回目を迎え、リンカーン・センター映画協会と Subway Cinema が主催する北米有数のアジア映画祭。

綾野剛(34)Q&A時のコメント

Q:出演のきっかけ
白石監督の前作『凶悪』という作品に非常に感銘を受け、オファーを受けたときにお受けしたい気持ちでいっぱいでした。プロットの1ページ目には、「拳銃200丁/覚せい剤120キロ/大麻2トン/日本で一番悪い奴ら/白石和彌監督」と書いてあり、これは面白くなると強い手応えを感じました。

Q:原作者にかんして
不謹慎な表現になってしまうのかもしれませんが、非常にピュアな方であると感じました。その、ある種の純粋さから正義と悪の狭間で揺れ、紙一重なところでああいった結果を生んでしまったのではないかと感じました。

Q:役づくりに関して
一人の男の26年間を演じるにあたり、その時代に応じて体重を10キロの増減をさせました。これは肉体的にはハードでした。特に自分より年齢が上の時代を演じる際は、顔をむくませるために顔にウィスキーを塗ったり、加齢臭を纏う方法はないかと歯垢を蓄えるなど、思いつく限りのことをすべてしようと思っていました。

Q:印象深いシーンにかんして
黒岩、太郎、ラシード、Sの3人との撮影は、疑似家族のような関係性で、皆でカニを食べたり、アイスを食べたり、あるで青春映画のようで、思い返すと胸が熱くなります。

白石和彌監督(41)Q&A

Q綾野剛のキャスティングについて
原作者は柔道の有段者で、肉体的に強い人をイメージしていましたが、実際にご本人とお会いして感じた“色気”を大切にしようと、綾野さんへのオファーを決めました。

Q:即興で演出したシーンはあるか
諸星がやらせ逮捕をする際に記念写真を撮影するシーンです。元々このシーンは脚本にはありませんでしたが、原作者に当時の記録写真を見せていただいたとき、同じようなシチュエーションで記念写真を撮ったものがあり、インスピレーションを受けて急遽現場で取り入れました。