宮藤官九郎監督最新作、長瀬智也・神木隆之介出演『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』が、6月25日より全国公開!本作は、日本のエンタテインメント界を牽引する宮藤官九郎の完全オリジナル作品で、待望の監督最新作の舞台に選んだのは、ズバリ【地獄】。不慮の事故で17歳にして命を失った高校生・大助。目覚めるとそこは—まさかの【地獄】!!たいして悪いこともしてないのに、大好きなひろ美ちゃんとキスもしてないのに、このまま死ぬには若すぎる!ロックバンドを率いる赤鬼のキラーKと出会った大助は、彼から地獄のしくみを学び、ひろ美ちゃんとキスするために現世へのよみがえりを目指して大奮闘するのだが—。地獄専属ロックバンド“地獄図(ヘルズ)”のボーカル&ギターで、地獄農業高校の軽音楽部顧問の赤鬼・キラーKを演じるのは、7年ぶりの映画主演となる長瀬智也。17歳という若さで地獄に落ち、大好きなクラスメイトへ会いたい一心でキラーK と生き返りを目指す高校生・大助を演じるのは神木隆之介。さらに、尾野真千子、森川葵、桐谷健太、清野菜名、古舘(※外字の舎官)寛治、皆川猿時、古田新太、宮沢りえら豪華キャストらが出演。迫り来る地獄の責め苦の数々が、笑いの責め苦となって観る者すべてに襲いかかる、世界初!【超絶地獄】コメディが誕生しました。

この度、本作の公開を記念して、宮藤官九郎監督、そして監督とともに唯一無二の世界観を作り出した、美術担当の桑島十和子氏、小泉博康氏が、トークイベント「Meet the Filmmaker」に登場!世界初の超絶地獄コメディの世界観の制作秘話や見どころなどをトークライブ形式で語りました。

■「Meet the Filmmaker @Apple Store, Ginza」 トークイベント概要
日時:5月29日(日)15:30〜16:30 会場:Apple Store,Ginza
登壇者:宮藤官九郎監督、美術(地獄):桑島十和子氏、美術(現世):小泉博康氏

「Meet the Filmmaker」は、第一線で活躍する映画作家の生の声が聞ける人気のイベント。これまで山田洋次監督や岩井俊二監督など名だたる名匠たちが参加し話題になる中、遂に、初参加となった宮藤官九郎監督らが登場すると、満席の会場からは盛大な拍手が。
「今日は映画が見られるわけではないのに、こんなに沢山集まっていただき、ありがとうございます(笑)」と独特の挨拶をした宮藤は、本イベントを楽しみにしていた様子。本作は不慮の事故で地獄に落ちた高校生(神木隆之介)が生き返りを目指して地獄の赤鬼キラーK(長瀬智也)と共に奮闘する超絶地獄コメディ。『地獄』と、『現世』の2つのパートで物語が進行し、2つの世界でそれぞれ別の美術担当を起用した点への注目も高い中、宮藤は「現世と地獄の統一感を出さないことで、あえて面白い交わりが生まれると思ったので、最初からオファーする時に、別々に分けたいとお二人にはお伝えしていました。だって、現世の人は地獄のことを知らないじゃないですか(笑)」と美術の担当を地獄と現世で分けた理由を説明。さらに、「演劇では、観客の想像力に頼る手法を撮るのですが、思い返せば映画でそれをやってこなかったなあと。木下惠介監督の映画『楢山節考』を見たとき、演劇の手法がすごく取り入れられていて、昔の映画でもこんなにすごいことやってるんだから、自分もやりたいなって思ったんです」と、本作への熱いこだわりを明かしました。

そんな宮藤のこだわり抜いたオファーに、『地獄』の美術を担当した桑島は「見た目でいえば、小泉さんの方が地獄担当っぽいと思ったのですが、私が地獄担当なんだ…って思いました(笑)」と当時の率直な感想を告白しつつ、「スタジオには当然限界があるので、そこを逆手にとって、あえてセット感がバレても良い風に仕上げました。また地獄の風景を幕で描いたのは楽しかったし、初めての経験でした。」とコメント。対して宮藤は「桑島さんは作りこむのが好きな人なんだなって、以前から感じていたので、あえて地獄担当としてお任せしました。閉塞感のある地獄をすごく良く表してくれた」と桑島を称えました。
一方、「台本を読んだ当初は、地獄を踏まえて「現世」を考えるのかなと思っていましたが、監督と話して、地獄担当の桑島さんとはほとんど相談しないように、それぞれ別の世界観を作れるように心がけた」と、こだわりを明かした小泉が描く『現世』についても、「細かな演出が、さすがの発想だなって思うことが多かった」と、絶賛。演出の一つとして、劇中に登場する焼肉屋に飾られた宮藤監督のサインをはじめとした著名人のサインは小泉が書いたといい、「宮藤さんのサインは完コピして、実は何人かにサインを勝手にしたんです。じぇじぇじぇと書いてあるのは偽物ですよ(笑)」と明かし、会場は笑いに包まれました。

また、宮藤のこだわりはキャストにも。今回主演を務めた長瀬智也、神木隆之介について、「長瀬君は顔芸がとても面白くて良かった。長瀬君とは仕事を一緒にしすぎて、カッコいいことを時々忘れてしまうんですが、ライブシーンを見た時に改めてやっぱりカッコいいなあって思いましたね。神木くんとは現世のシーンは色々とディスカッションを交わしましたが、地獄のシーンでは神木くんに好きにやってもらうよう伝えました。赤鬼(清野菜名)と緑鬼(桐谷健太)がそれに勝手に反応するからって。神木君はいつも元気でいてくれれば、それだけで良いというか(笑)」と振り替える宮藤に、「長瀬さんは本当に鬼そのものでした!」(桑島)、「私は黄鬼役としてもお二人と共演しているのですが、長瀬さんはカッコよかった!撮影の合間にバイクの話も盛り上がって楽しかったです。神木くんは、雑誌の人気投票で1位に選ばれているのを見つけて、やったー!って喜んでた姿が印象的でしたね(笑)」(小泉)とそれぞれ感想を述べました。
続く観客からのQ&Aコーナーでは、「モノ作りの上で一番楽しい瞬間は?」と聞かれた宮藤は「あらすじを説明したとき、最初は相手にポカンとされていても、時間をかけてイメージを共有していく過程が一番楽しい。暗闇から明るいところに行く感じがします」とキャスト・スタッフ皆で作品を作り上げていく魅力を熱弁。イベント終了時刻が迫ると、「もっと色々話したかったのに!」と残念がる表情を見せつつ、フォトセッションでは劇中にも登場するHELL(地獄)の頭文字「H」を表した<HELLポーズ>(メロイック・サイン)で締めくくり、大盛り上がりのままイベントは終了いたしました。