映画『DENKI GROOVE THE MOVIE?〜石野卓球とピエール瀧〜』 天久聖一×渋谷直角トークイベント
グルーヴにとって初となるドキュメンタリー映画『DENKI GROOVE THE MOVIE? −石野卓球とピエール瀧−』が大ヒット上映中です。去る12月29日(火)、公開を記念して新宿バルト9にて、電気グルーヴと古くから親交も深く「カフェ・ド・鬼(顔と科学)」、「弾けないギターを弾くんだぜ」、「モノノケダンス」などのMVも手がける天久聖一と、12/15発売のSPA!でのインタビューがきっかけで映画パンフレットへ描き下ろし漫画も提供し電気グルーヴの熱狂的なファンを自任する渋谷直角によるまんが家対談トークイベントを行いました。
『DENKI GROOVE THE MOVIE?−石野卓球とピエール瀧−』公開記念トークイベント
■日程:12月29日(火)
■場所:新宿バルト9(新宿区新宿3丁目1-26新宿三丁目イーストビル)
■登壇者:天久聖一、渋谷直角 MC:ゴリラ
トークは映画の感想にはじまり、それぞれの電気グルーヴとの馴れ初めや天久さんが手がけたMVの制作秘話、電気グルーヴに憧れを抱いていた渋谷さんが電気グルーヴに実際出会ったときのエピソードを披露するなど、満員の会場を大いに盛り上げました。
最後は「最初の頃の悪ガキっぽい感じから、ブレずに続けていっていまがあるのって“かっこいいもんだな”って
、人間的にも勇気をもらえるんじゃないかなと思いました。」と渋谷さんのオススメコメントで締めくくり、イベントを終了しました。
MC:まず、映画の感想からお聞かせいただけますか?
天久聖一(以下、天久):英語ナレーションと日本語字幕で綴られるというのは冒険してるなと思いました。
あと「電気グルーヴの活動休止期間にL’Arc〜en〜Cielが売れたから(レコード会社として)大丈夫だった」って言ってる社長の笑顔が良かったですね(笑)。
渋谷直角(以下、渋谷):僕は電気グルーヴの大ファンとして「こういうかっこいい電気グルーヴがみたかった!」っていう感じで大満足でした。
天久:渋谷さんは「奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール」という作品がありますが、
電気グルーヴへのあこがれってどんな感じだったんですか?
渋谷:思想への影響は強いです。瀧さんのオールナイトニッポンでのなにげない一言だったんですが“CUTiEみたいな格好した女の子が、ガードレールに腰掛けてタバコ吸ってる”っていうシチュエーションを指して「あの女の子の頭のなかでは自分の姿が俯瞰のカメラアングルで映っていて、エンドロールが流れているはずだ」って、おしゃっていたのを僕はなぜかすごい覚えていて、
「自分のまんがに影響を及ぼしているな」って思ったので先日SPA!のインタビューでお会いしたときにお二人にその話をしたんです。
そしたら卓球さんが「それは瀧の偏見だよね?」って、瀧さんも「他人の偏見で創作しちゃってんだ?」って言われちゃったんですけど(笑)。そういう感じで、いまでも電気グルーヴの影響は息づいていますね。
天久:最低の目線から物事をみるというか、世の中を斜めから見すぎて、(オールナイトニッポン放送)当時の電気グルーヴファンはみんないまとちがうこじらせ方をしているひとが多かったですよね。僕もその成れの果てみたないもんですけど(笑)。
渋谷:僕は天久さんのおかげで今でもまんがを描き続けられているところがあるんですよ。relaxっていう雑誌でライターをやっていた頃、まんがはイラストカットみたいなものを描いてはいたんですが、周囲の人たちは「こんなのじゃ他の雑誌では描けない」とか「絵がヘタすぎだよ」とかいうひとが多くてやっぱりムリなのかなって思っていた頃に天久さんとお会いして「絵なんてこんなもんでいいんだよ!おもしろいからもっと書きな!」って言ってくれたんです。天久さんも電気グルーヴも、「普通はこうあるべきだ」ということに歯向かって活動してきた方だと思うので、「俺もやっぱりこっちを信じよう」って思いながら今もまんがを描き続けてます。
MC:お二人とも好きなアルバムはありますか?
天久:僕は「ORANGE」です。「誰だ!」が好きなんですよ。
渋谷:僕はパンフレットのまんがにも描きましたが「KARATEKA」が好きで、そのあと電気グルーヴが熱いモードに入った「VITAMIN」以降の頃にはすっかり信者というか「電気グルーヴについて行く!」って感じでした。いま仕事をしながら聞くのは「VOXXX」ですね。「VOXXX」で周りの人たちもハードルがぐんと上がったというか、「カフェ・ド・鬼(顔と科学)」のアニメも尋常じゃない作業だったんじゃないですか?
天久:最初に「VOXXX」を聞いたときは、頭がぐわんぐわんなったというか、カオスな感じで全部通して聞くのがしんどかったのを覚えています。あの時期は知恵熱みたいな、独特な変な熱はありましたね。「カフェ・ド・鬼(顔と科学)」のアニメもお客さんに理解されるのかわからないまま作っていたので、スリルはありましたけど楽しかったです。それまでは一緒に遊んだりはしてたけど、「カフェ・ド・鬼(顔と科学)」とか「モノノケダンス」とか、仕事も一緒にできるんだってわかったから、あの頃はがんばってやってましたね。
MC:最後にこれから観る方にオススメコメントがあれば。
渋谷:最初の頃の悪ガキっぽい感じから、ブレずに続けていってい“かっこいいもんだな”って、人間的にも勇気をもらえるんじゃないかなと思いました。
天久:渋谷さんと全く一緒です(笑)!