映画『エヴェレスト 神々の山嶺』岡田准一、標高5200Mでの過酷な撮影を振り返る「もう一度行きたい」
V6の岡田准一が14日、都内にて行われた映画『エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)』完成報告会見に、共演した阿部寛、尾野真千子、本作のメガホンを取った平山秀幸監督らとともに出席。実際に現地・ネパールのエヴェレストに飛び、標高5200M級の世界最高峰の地での撮影に「運命を感じた」と日本映画史上初となる過酷な撮影を振り返った。
全世界で翻訳され、映像化不可能とされてきた夢枕獏の大ベストセラー山岳小説『神々の山嶺』がついに映画化。1924年にイギリスの登山家ジョージ・マロリーが初登頂時に遺したとされる、エヴェレストの謎を解く可能性を秘めた古いカメラをきっかけに、野心家カメラマン・深町と天才クライマー・羽生が世界最高峰の頂きを目指す。
エヴェレスト史上最大の謎を追う野心家のカメラマン・深町を演じた岡田は「自分が若い頃にカメラが好きになって、山に登るようになったのはこのためだったのかなと思うくらい運命を感じた作品」とあいさつし、「撮影中も阿部さんの役作りをファインダーから覗きながら見ていて、厳しい環境の中でどんどん羽生になっていく姿を肌で感じて、すごく良い経験になって勉強させてもらいました」と“先輩”阿部の姿勢に刺激を受けた様子。
エヴェレスト登頂に挑む孤高の天才クライマー・羽生を演じた阿部は「登山の経験はなく、日本の山をスタッフ2〜3人と登ったり、低酸素システムでトレーニングして、ビビりながら現地に向かいましたね」と振り返り、普段からトレーニングし、屈強な身体をもつ岡田の快調な登りっぷりに「僕は伝説のクライマー役なので、結構辛かったですけど毎日涼しい顔してついていかなきゃ行けなくて。それが一番辛かったですね」と苦笑いを浮かべた。
また劇中同様、撮影外でもカメラ片手に密着してくる岡田に「ストーカーのようにずーっと僕を追いかけてきては写真を撮って、トイレにまでついてくる」と吐露。しかし、「普段から『羽生の生活を追いかける』という役を続けていたので、すごいなと思いましたね。尊敬します」と賛辞をおくった。その撮った写真をみせてもらった阿部は「『これが俺か!?』ってくらい格好良く撮れているんですよ。尾野さんはあんまり上手く撮れなかったらしく、スナップみたいだった」と笑顔をみせると、岡田は「スタッフに見せたら割と評判が良くて。それで尾野さんも撮り始めたんですが、なんか上手く撮れなくて」と首を傾げ、笑いをとった。
一方、日本映画史上初となる標高5200Mでの撮影に岡田は「日本映画史の中でもトップテンに入るくらい過酷な撮影でしたが、もう一度行きたいですね。あの景色が忘れられなくて、実際に登ったもう少し先に行きたい」とエヴェレストに魅了された様子。阿部は「毎日夜寝るのが怖いぐらい低酸素の状況だったんです。酸素が半分なので、もちろんセリフにも影響が出ますし、時間との戦いでした。山頂がすぐそこにあるかのような、距離感が尋常じゃないほどつかめなくて、異常な世界での撮影でしたね」と貴重な経験を振り返った。
映画『エヴェレスト 神々の山嶺』は2016年3月12日より全国ロードショー
(Report:小宮駿貴)