Q.2 監督「この映画を観てほしい人は?」

田中「高校時代の友達と10年位会っていないなと思ったので、ちょっと連絡して一緒にこの映画を見たいなと思いました。」
監督「10年ぶりにメールが来るかもしれないですね。本当にそういう人もいて、30年ぶりにメールがきたという人から昨日電話があって、うれしいです。」
藤田「本当に様々な人に観てもらいたいです。誰って特定じゃなく、青春時代に思い出がある人とか、何か一生懸命に頑張っていた人だとか、もしくは挫折している人とか。いろんな人に観てもらいたいです。自分の映画だと思えると思う。」
監督「すごくいいこと言ってくれて突っ込めなかった(笑)」
藤田「この状況として、全然成り立っていないから、ちゃんと言っておかないと。明日の記事、このままいくと、『常盤さんが自分の映画の宣伝じゃなくて、人の映画の宣伝をした』っていうのが見出しになっちゃうでしょ?覆す何かを言っておかないと!」
芳根「高校1年の時に文化祭で映画を作ったことがありまして、ものすごく多香子と被るところがありました。オーディションの時に監督に、『学校生活で一番思い出に残っていることは何ですか?』と聞かれて、『高校1年の時に文化祭で映画作ったんです』って言ったら監督がすごくびっくりして。」
監督「びっくりするよ。だってあの時シナリオ読んでなかったもんね?!」
芳根「はい。知らなくて。」
監督「『あっ多香子が来た!』と思って。」
芳根「だから私もやりやすかった部分が多かったので、高校1年の時に一緒に映画を作った皆にこれを観てもらったらまた不思議な感覚になるのかなという風に思っています。」
藤井「80年代を知らない世代の方にも、もちろん観て欲しいですし、80年代を過ごしてきた方々にも観てもらえたら、『(『雨に唄えば』など)こんな映画あったね』とか『こういう髪型いたよね』とか、懐かしいものがたくさん出てくると思うので、その時代に戻った気分で観て、何かを感じて頂ければ嬉しいです。私は親友と観たいです。(劇中で映画館に入り浸る)多香子とみどりの気分で観れたらいいなと思います。」
百川「私は小学校2年生の時にすごく仲良かった子が大阪に転校しちゃったんですよ。その子とは、2〜3年は年賀状のやりとりをしていたんですけれど、今会話が全くないなということを映画を観た時に思い出して、このまま連絡しなかったら、本当に大人になるまで会えないかもしれないと思ったときに、友達に観てもらいたいなと思って。その友達に連絡してみようかなと今思っています。」
常盤「さっきからのやつは、ちゃんと理由があるんですよ!『野火』っていう映画がどうすごいかというと、私たちは戦争を知らない世代じゃないですか。戦争体験のある方々がもう少なくなってきてしまっていて、そのことを知らないといけないのに、それは体験だから、知ることができないんだけれども、さも自分が戦争を体験したかのような気分になって映画館が出ることができる映画だった。あと、これが1番びっくりしたんでうすけど、お客さんが10代、20代の若者ばっかりだったんですよ。それがまたすごく嬉しくて。映画っていうのは、その時代を知らない世代もそこに連れて行ってくれる力があるものじゃないですか。だからこの『向日葵の丘』も、80年代を知らない人は80年代に連れて行ってくれて、80年代を知っている世代の人たちは、その時代を懐かしむことができるように連れて行ってくれるものだなと思って。だからその体験を皆して下さる映画だなと思った、っていうことを言いたかったんです。すみません、長くなっちゃって!」
監督「繋がってよかった〜」
常盤「そうなんですよ!それだけ映画ってすごいものだなと実感したんですよ。もう1個繋がっているとしたら、塚本晋也監督というと、代表作は?」
監督「『鉄男』」
常盤「ですよね?鉄!」
藤田「わかんない人いるじゃない。」
常盤「そうですよね。前回、完成披露で、鉄がすごく話題になったので。」
藤田「約1名(常盤さん)、大きな鉄が好きと言ってはばからない人がいて。」
監督「(撮影中、)『次の現場に移動します!』って言ったのに、常盤さん、車を抜け出して、まだ開館していない鉄道博物館に一人走って見学に行ったことがあったもんね?」 
常盤「すみません。でも監督も、やぶさかじゃない感じでしたよ?」
監督「ティッシュの時と同じで。」
常盤「一人で観たかったのにな!」
監督「万が一のことがあるじゃないですか!大事な主演を失ったら困るから」
藤田「みなさん、仲良しなんですよ!」
(会場爆笑)
藤田「監督とキャストっていうと、監督がどんと座っていて、私たちが監督の言うことを聞く、って思われるかもしれないけれど、太田監督はどっちかっていうと、ウロウロウロウロしながら、そーっと見ていてくれるんですよ。ここはちょっとあれかなと思ったときに、そーっと近づいてきて、ボソボソボソっていうその一言が、まるで演技には関係ないと思われることなのに、芝居に入っていくと、後で『なんでこんなことになったんだろう』っていう位のアドバイスをくれる素晴らしい演出家なんですよ!」
(場内拍手)
監督「上手いこと言うね!最後に常盤さんにまとめて頂きましょうか?」
常盤「少しずつ少しずつ拡げていくしかない映画だと思いますし、みんなの力で拡げていけたら一番幸せなので、どうか今日観て下さった感想を多くの方に伝えていって頂ければなと思います。ありがとうございました。」
監督「本当はもっと話を聞きたいんですけれど、帰りにパンフレットを売っています。これに、この6人がいい話をたくさん…」
常盤「そうそう、大体のことはここに書いてある。」
藤田「言わなきゃいけないことがあったじゃん。私たちがどうして最後のところで泣いたのかっていう話をしてほしかったんじゃないかなと思って。」
常盤「詳しくはパンフレットで!」
(会場笑)
藤田「本当にびっくりするようなことが書いてあるんですよ!3人共別々にインタビューしたのになんでこんなことになったんだろうと思って。」
監督「サントラと共に売っています。より映画のことがわかります。サントラも聞いたら泣くよ!本日は、ありがとうございました。」