落葉の候、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
女性からの支持を得てベストセラーとなった宮木あや子氏による小説「花宵道中」が、この度映画化となり、11月8日(土)より劇場公開(東京テアトル配給)いたしました。主演の安達祐実さん、淵上泰史さん、小篠恵さん、友近さん、津田寛治さん、豊島圭介監督を招いて行われた初日舞台挨拶が行われました。

日時:11月8日(土) 映画『花宵道中』初日舞台挨拶  
場所:テアトル新宿
登壇者:安達祐実、淵上泰史、小篠恵、友近、津田寛治、豊島圭介(監督)

MC:みなさま、初日を迎えられていかがですか?

安達さん:今日は朝からドキドキしていましたが、今こうしてたくさんのお客さんが席に座ってくださっているのを見て幸せです。朝霧を演じて、私自身も今までの自分とは違う自分を発見しました。宣伝活動を通してますます朝霧を愛おしく感じています。そんな朝霧を今日観ていただけて、楽しんでいただけたらいいなと思います。

淵上さん: ようやく初日を迎えることになり、嬉しくもありさみしくもあります。

小篠さん:私は初めての時代劇だったのですが、映画の中の一部として溶け込んでいれたら嬉しく思います。素晴らしい役者の皆さまの中でお芝居ができたことがすごく幸せでした。

友近さん:「股開かざる者食うべからず」 でおなじみの友近です(笑)。本当にいい台詞をいただきまして、気にいって毎日家でこの台詞を言っています。念願の吉原・遊郭を舞台にした映画に出させていただいて、すごく幸せでした。日頃から五社英雄監督の映画が好きでという話をさせていただいていて、ずっと五社五社言っていてよかったなと思いました。本当に夢が叶いました。

津田さん:寒い中、こんなに大勢の方に来ていただけて嬉しいです。個人的にもものすごく好きな映画で、花魁映画でこんなに人物をちゃんと描いている映画も珍しいなと、本当に映画らしい映画を観たなと感じられる花魁映画になっています。たくさんのお客さんにいらしていただいて感無量です。

豊島監督: この映画は柱が2本あって、ひとつは安達祐実さんの覚悟を映像として撮りきること。もうひとつはたくさんの花魁映画がある中で、2014年にどう花魁映画を撮るかというのがテーマでした。素晴らしい俳優さんばかりで彼らを撮るだけで興奮する体験で、この映画を監督できて感動しています。

MC:『花宵道中』ですが、台湾、香港、韓国とアジア各国で公開が続々と決まっています。映画祭もモントリオール、東京国際映画祭、そして現在開催中のハワイ国際映画祭と出品が続いております。
豊島監督:モントリオールで上映したときに、着物の衣装を見るだけで感動していらっしゃって、物語にも感情を入れてくださっていたので、国を問わず楽しんでいただける作品になっているかなと思います。

安達さん:日本では私は小さいころから皆さんに見守られながら育ってきましたけれど、私のことを知らない人が観てどう感じるのかなと興味があります。

MC:原作が女による女のためのR18文学賞を受賞している作品ということですが、女性に観てもらうために気をつけたことなどありますか?

安達さん:もちろん男性の方たちに楽しんでいただける映画にしたいというのはありました。でも主人公の朝霧に女性が共感してもらえるようにキャラクター作りを意識しました。朝霧のように命を懸けて人を愛せたらいいなとか、人を愛することがこんなにも尊くて素晴らしいことなんだなと感じてもらえるように作ったので、女性にも共感していただけると嬉しいです。

MC:朝霧と半次郎、朝霧と吉田屋の関係が女性から見てもドキドキしました。

豊島監督:僕はこういうしっかりした濡れ場を撮るのが初めてだったんですが、すごく面白かったです。最初は台本に書いてあることを忠実に撮ろうと思っていて、例えば吉田屋が朝霧を凌辱するシーンは、吉田屋が朝霧を抱っこしているだけの台本だったんですが、衣装合わせで津田さんにお会いしたら「監督、僕いつ朝霧を押し倒したらいいですか?」って(笑)。「後ろからポーンと倒して足をパーンと出して…!」っていう感じで津田さんに僕のプランを初めにぶっ壊されて(笑)。(朝霧を)なめるシーンも、もっと上品になめると思っていたら、津田さんがガーッと入って(朝霧の白粉で)顔が真っ白になって、プロデューサーが「ジョーカーや!」って(笑)。津田ショックっていうのがまずありましたよね?

安達さん:津田ショックはかなりありましたね(笑)。私も台本読んで、もっとねっとりした場面なのかなと思っていたんですが、想像以上にアクロバティックで(笑)。でも津田ショックにのせられて、グイグイひっぱっていただいて、恥ずかしさとか関係なく役に集中できる環境を作っていただいたなという感じです。

津田さん:でもやっぱり安達さんが腹を決めてたんで!覚悟ができてたんで!やっぱり濡れ場は女優さんによってぜんぜん変わってくるので、いくら男優と監督で考えても女優さんがのってくれてないと何もできなくなってしまうので。監督は、好きにやっていいんだけど、乳首をつねってほしいと言って(笑)。それも、最初はやわらかくもむような感じで最後に乳首にいってキューッと!って…(会場爆笑)

MC:津田さん!手がリアルすぎます…(笑)

津田さん:どうやってやればいいのかわからないから、監督の乳首借りていいすか?って。そしたらみんなが周りでクスクス笑いだして…

安達さん:監督をアレしている津田さんがすごく面白くて(笑)。次は私がアレされるんだなって思いながら勉強させてもらいました(笑)。

MC:半次郎とのラブシーンは吉田屋さんとのシーンとはまたぜんぜん違いましたね。

淵上さん:監督は声を荒げない演出をされるんですけど、からみだけは奥から「淵上!それ違うんだよ!」って怒られたんですよ。「乳首はこう…」って(笑)。監督の想いを体現しなきゃなんないんだっていうことを感じました(笑)。

津田さん:僕らは監督自身だから!僕らを通して監督は触ってるわけだから!

MC:お話は尽きないですが、最後に安達さんからメッセージをお願いします。

安達さん:ヌードになって濡れ場をやろうというのは、この映画の大事な部分で、私のひとつの挑戦で乗り越えた部分ですけれど、この映画が純粋にみなさんの心に残ったり刺さって広がっていったらいいなと思っています。私は『花宵道中』がスタートだと思っているので、ここからまた一歩ずつ踏み出していきたいという思いでいます。その私の決意とみなさんの力の集結を感じていただけたら嬉しいなと思います。