映画『0.5ミリ』初日舞台挨拶、司会は父、妹は「泣いた」
本日、安藤桃子監督『0.5ミリ』が初日を迎え、主演の安藤サクラさん、出演の津川雅彦さん、および安藤桃子監督が舞台挨拶を行いました。司会進行役は、本作エグゼクティブ・プロデューサーである奥田瑛二さんが担当しました。
『0.5ミリ』完成披露試写会 概要
◆日時:11月8日(土) ◆場所:有楽町スバル座
<登壇者>
◆安藤サクラ(28) 1986年2月18日生まれ
◆安藤桃子監督(32) 1982年3月19日生まれ
◆津川雅彦(74)1940年1月2日生まれ
◆奥田瑛二(64) 1950年3月18日生まれ
『0.5ミリ』初日を迎え、キャスト・監督よる舞台挨拶をおこなった。司会を務めたのは奥田瑛二さん。本作エグゼクティブ・プロデューサーであり、また安藤桃子監督と主演・安藤サクラさんの父でもある。「私、司会をするのは初めてございます。どきどきわくわく、ガクガクしております」と挨拶。奥田の呼び込みで桃子監督・サクラさん・津川雅彦さんが入場した。今回のイベントでは”司会業”に徹する奥田さんは、監督の紹介に際して「先日、結婚・出産というおめでたいニュースもでましたね。おめでとうございます。お父様にもよろしくお伝え下さい」と言い、会場には笑いが起こった。
桃子監督は「姉妹でつくったと言っても過言ではない作品です。それこそ始まりはサクラが母のお腹にいたときから。2人でつくってきたものがこの映画に凝縮されているのではないかと思います」と挨拶。続いてサクラの挨拶の番となると、サクラは感無量の様子で、「ずっとこの日のことばかり考えていました。今日は本当に嬉しいです。この映画には生きる力みたいなものが入っていて、皆さんにとって幸せな気持ちになってもらえたらいいなと思います。津川さんの顔を見たらほっとしちゃって何も話せなくてごめんなさい」と話ながら思わず言葉に詰まる場面もあった。続き、津川は「当年とって74歳でございます。役は91歳の役です。サクラも桃子もこの映画の批評でべた褒め。桃子がサクラをあて書きした。これまでになかったサクラの味がでている。初めて共演して、なんていうすごい女優だろうとつくづく思いました。これほどすごいのは初めてです。74になって、何にもしないという演技を目指しているんですけれど、サクラは20代で何もしないという演技に到達している。存在そのものでやっている。サクラの生き様が素敵だからでしょうね。桃子は結婚・妊娠、サクラは舞台挨拶で緊張の糸が切れて涙している。まぎれもなくこれは”青春“ですよ!僕から見たらここに青春が咲いているんですね」と若い監督と女優を讃えた。
津川を始めとするレジェンド役者陣との共演について、サクラは「現場に入る前日は震えていました。本当にとても怖かったんです。サワちゃんはずかずかといかなきゃいけない役どころでもあったので、現場に入ったら津川さんのことも“おじいちゃん”と思おうと思っていました。女優としても貴重な時間だし生物としても贅沢で貴重な時間を過ごしていました」と言うと、津川が「生物として。そういうところがサクラのいいところなんだよな」とべた褒め。一家総出で作った本作について司会が監督に尋ねると「家族で映画をつくることに挑戦してみたかった。それは一回こっきりじゃないとできない。この話しかないなと思いました。原点は祖母の在宅介護を家族みんなで8年間して看取ったという経験。どうしても生みだしたかったのはサワちゃんというニューヒーローだった。この作品以外、家族で挑戦することはできないと思った」と語った。また劇中、7分間にわたる長台詞のシーンを一発で撮ったという津川は「74歳にしていままでやったことのないような芝居を求められた。7ページ分にわたる台詞を渡されたときは怖さを感じた。そしてこれを”ワンカットです”と監督に言われたときは、やっぱりそうきたかという嬉しさと怖さがありましたね。少し頭がボケ始めた役なので、同じ台詞を繰り返すのに、ちょっとおかしくて辻褄が合わないようになっている。論理ではでてこない台詞なんですね。非常に難しかったけれど、挑戦してよかったなと思っています。これほどまでに純粋に役に入れた経験は生まれて初めてでした」と撮影を振り返った。
「今日一度生み切った感じ、出しきりました。また生まれ変わって次の作品に臨みたいと思います」と監督は清々しく語り、サクラは「今日泣いたのは内緒にしてください(笑)。こんなにお客さんがいらしてくれて嬉しいです。ありがとうございました!」と締めた。