「東京国際映画祭×円谷プロダクション」スペシャルイベント『ウルトラセブン』HDリマスター2.0 〜円谷プロ特撮への誘い〜
10月26日(日)、第27回東京国際映画祭と円谷プロダクションのコラボレーションによるスペシャルイベント「『ウルトラセブン』HDリマスター2.0 〜円谷プロ特撮への誘い〜」Blu-ray BOX発売記念のジャパンプレミアとスペシャルトークショーが行われました。今回は、新規リマスターによって超高画質となった『ウルトラセブン』から「ウルトラ警備隊西へ」の前後編(第14・15話)の2話を上映、モロボシ・ダン隊員役の森次晃嗣、アンヌ隊員役のひし美ゆり子、アマギ隊員役の古谷敏、満田かずほ監督、そして大ファンという樋口真嗣監督を交え、撮影当時の貴重なエピソードが語られました。またフルハシ隊員こと「毒蝮三太夫」からのビデオメッセージが寄せられ、さらにはウルトラセブンとゴース星人による最終回の名シーンを彷彿とさせるミニバトルに樋口監督は大興奮!観客からも拍手が沸き起こりました。
『ウルトラセブン』HD リマスター 2.0 Blu-ray BOX発売記念ジャパンプレミア
【日時】10月26日(日) 20:20〜
【場所】TOHOシネマズ日本橋 スクリーン6 (東京都中央区日本橋室町2-3-1 コレド室町2 内)
MC「当時の作品を「現代のクリエイター」という立場でご覧になっていかがですか?」
樋口「先ほど控え室で“本物”と会いましたが、話したくても話が出来ない。神のような存在を前に緊張しています(笑)。ひし美さんのアンヌ隊員も、女性の魅力たっぷりの新しいヒロイン像でしたよね。SFだったり未来だったり、当時のエッジのたったものを追いかけて撮った作品で、また音楽も洗練されていましたね。」
MC「まずは本日上映します「ウルトラ警備隊 西へ」の撮影エピソードを教えてください」
満田「当時のスポンサーは関西に本社や工場があった。だからそのキャンペーンの一環として行ったんだよ(笑)。関西ロケではよく夜は飲み会をしていました。夜の飲み会が楽しみなので、「ナイトロケはなしにしてくれ!」と頼んだくらい(笑)」
森次「旅館の門限が夜10時だったので、遅くまで飲んだ後、どうやって宿に戻るかルートを確保してましたね」
MC「特に思い出深い作品はありますか?」
満田「作品すべてが子供みたいな存在なので難しいですが、「ノンマルトの使者」(第42話)は印象に残っている。最初の原稿の打ち合わせで脚本家の金城哲夫とすれ違いで会えなくて、家に帰った金城が読み直すと面白くなくって書き直したそうで、第一稿がどんなストーリーだったかは未だに謎です。偶然の産物で生まれたのが「ノンマルトの使者」ですね。」
森次「やはり最終回と、「ノンマルトの使者」などが思い出深いです。最終回の自分が宇宙人だとアンヌ隊員に告白するシーンも、キリヤマ隊長に言ってもロマンティックじゃないじゃないですか。アンヌがダンに寄せる淡い恋心をずっと撮ってきた満田監督によって、何回観ても涙が出る良いシーンになりましたね。」
古谷「ダンとラリーをした「700キロを突っ走れ!」(第28話)、ソガ隊員(阿知波信介)と一緒に戦った「散歩する惑星」(第32話)、そして当時16歳の松坂慶子さんをよく送り迎えしていた「悪魔の住む花」(第31話)かな(笑)」
ひし美「私が出演していない話が何話かあるんですが、その回は思い入れはないですね(笑)。セリフが少ない回も喜んでいたわよ。ダンは大変でしょうけど。私の髪型が長くなったり、短くなったりしていたと思うんですけど、あのウィッグは私の自腹で購入したものなんですよ。1回分の撮影のギャラが飛んじゃったわ(笑)」
と、ここでフルハシ隊員こと毒蝮三太夫からビデオメッセージが寄せられた。「皆、年も取って、アンヌもちょっと皺が増えたな!」など毒舌メッセージに場内からは笑いが沸き起こった。
その直後、最終回に登場したゴース星人に、劇中同様にアマギ隊員(古谷)が拉致されてしまう事態が発生!「ダン、行かないで」というひし美の制止を「アマギ隊員がピンチなんだよ!」と振り切った森次が、ウルトラセブンに変身してゴース星人を撃退するミニバトルが行われた。
大ファンの樋口監督が子供のように目を輝かせて、「新機能を試す最高のチャンス」と自身のスマートフォンでバトルの様子を撮影する場面も。
MC「最後にファンに向け、メッセージをお願いします。」
満田「ソフトのクオリティが上がったので、良い画質でウルトラセブンを改めて楽しんでください!」
ひし美「ブルーレイ化の波にのり、若いファンも増えました。奇想天外ながらも奥深いドラマ。最近エボラや兵器などいろんな事件が多いじゃないですか。そういったのが「セブン」と直結してますよね。大人になってもストーリーが色あせず、親子3代で愛される作品になり、ありがたいです。50周年まで頑張ろうと思います!」
古谷「ウルトラセブンを観る人は、年を取らないといいます(笑)。これからも楽しんでください。」
森次「いつも応援ありがとうございます。撮影当時はこんなに長く愛される番組になるとは、思ってもみなかった。自分たちが地球上からサヨナラしても、人気は続くんだろな。僕にとって代表作と呼べる作品。美しいブルーレイの画質で、ウルトラセブンを楽しんでほしい。当時「セブン」は25年後の世界を想定して作られたが、時代を先見していた。緑とか兵器とか同じ人間がなぜ世界で仲良く出来ないかなど大人向けなストーリーだった。放送当時には理解できなかった子供が、再放送で『こういう話なんだ』と理解したんじゃないかな。円谷英二さんの想いが詰まった、キリヤマ隊長が最終回で残した「地球は地球人で守れ!」というセリフなど、作品に込められたメッセージを感じてほしい」