6月29日東京テレビセンターにて劇場アニメーション映画『宇宙兄弟#0』の生アフレコ&囲み取材イベントが開催された。イベントでは声優の平田広明さん(南波六太役)と、KENNさん(南波日々人役)による生アフレコが行われた。

笑いあり、涙ありのテレビアニメ『宇宙兄弟』の放送が今年3月に終了し、それから約3か月ぶりとなる『宇宙兄弟』のアフレコということもあり、多少緊張した様子でアフレコブース入りをした平田広明さんとKENNさん。しかし、いざアフレコが始まると私たちがよく知っているあの兄弟が本当に目の前で話しているかのような素晴らしいアフレコを披露し、取材関係者の中には久しぶりに六太と日々人の声を聞けたことで思わず微笑んでいる人も見られた。

アフレコ後の囲み取材においては、初めにテレビアニメと劇場版で違いを感じましたか?と聞かれ、平田さんは「数か月のブランクの間に(声が)ふけちゃってたら嫌だなと思っていました。でも、キャラクターの設定がリアルで六太は気合を入れすぎるようなキャラではないので、自分も力まずにやらせていただきました」とテレビアニメでつかんだ六太の性格をそのまま表現したことを語った。またKENNさんは「テレビアニメでは日々人はヒーロー像として描かれていたんですが、今回のストーリーはアニメで放送されたストーリーの2年前の設定で、まだ弱くて人間臭い日々人が描かれているので日々人が発する感情的なセリフに意識してやらせていただきました」とテレビアニメの日々人とは違う一面が見られたことを語った。

また本作は『宇宙兄弟』の原作者である小山宙哉書き下ろし脚本によるストーリーであるが、台本を読んだ時のファーストインプレッションを聞かれ、平田さんは「何も知らされぬままスタッフの皆さんが口を揃えていい本ができたと言っていて『どういんだよ!?』とずっと思ってたんですが、実際に台本を読むと原作者の小山先生の凄さを思い知らされて(嫉妬心で)『ちぇ!』って言っちゃいましたね(笑)」と語り、KENNさんも「自然にスッと体に入ってきた言葉が後々ジーンと心に響いたり、感動させられる言葉がちりばめられているんですよ」と語り、二人とも小山ワールドに圧倒されていたことを暴露した。

最後に平田さんは「六太はコミカルな部分が目立ちますが、(人間的に)弱い部分もあり、とてもリアルに描かれているキャラクターなので(六太を演じたことで)自分も成長させてもらいました」と語り、KENNさんは「日々人に近い年齢から『宇宙兄弟』をやらせていただいて、今原作の日々人と同じ年齢になったんですが、平田さんも言われた通りリアルな作品なので毎回毎回得るものが多かったです」と語り、両者ともに『宇宙兄弟』に携われたことに感謝を述べた。

(Report:吉村聡真)