映画『サケボム』主演 濱田岳が登壇。代官山蔦屋トークイベント
木村拓哉主演のフジテレビドラマ「HERO」への出演も決定する等、今まさにノリにノっている俳優・濱田岳。そんな濱田岳が、自身初の英語劇に挑戦し、話題となっている、明日ちょっとガンバレる青春“ほろ苦”ロードムービー『サケボム』。5月24日(土)より新宿シネマカリテほか公開となる本作の公開を記念して、公開前夜の5月23日(金)、『サケボム』公開記念イベントが代官山蔦屋書店にて、主演の濱田岳、監督のサキノジュンヤを迎えて開催された。濱田岳の本作出演の経緯、映画『サケボム』の撮影秘話等、トーク内容は多岐に渡り、会場へ詰めかけたファンを大いに盛り上げた。
はじめにサキノ氏は、濱田氏の出演経緯について、「実は、海外生活が長いこともあって、最近の日本の役者さんってあまり知らなかったんです。それで、プロデューサーに相談したら、濱田さんのことを教えてもらいまして、すぐに過去作を観たら、素晴らしくって、濱田さんしかいない!って考えたんです」と語り、これに対し、濱田氏は、本作への出演を決めた理由として、「僕は海外に行った経験が少ないので、(主人公の)ナオトの境遇は僕に近いと思いました。それにせっかくいただいたチャンスですし、アメリカ人の日本人に対するイメージを変えるような日本人像を演じることができるんじゃないかと思ったんです。だって、彼らは日本のワビサビって知らないでしょ?それを伝えることができたらと思いましたね」と語った。また濱田氏は、日本とアメリカの脚本の違いについて、「日本だと脚本は縦書きなんですが、アメリカだと横書きで、それにも最初は戸惑いました。周りはアメリカ人のスタッフばかりですしね」と初の海外撮影に最初は戸惑っていたというが、サキノ氏は、「でも、濱田さんは、初めてなことばかりだったはずなのに、全く動じた様子がありませんでした。アメリカ人のスタッフとも、普通に打ち解けてやっていましたし、本当に驚きました」と濱田氏の大物ぶりを絶賛した。濱田氏は「ピアノの発表会とか緊張する場所に出たら、お客さんが皆じゃがいもに見えるようにイメージしなさいって言うでしょ?僕にとって、その感覚に近かったですよ」と語り会場の笑いを誘った。さらにサキノ氏は、本作で初の全編英語劇に挑んだ濱田氏の英語力について触れ、「最初はどうなるか正直不安でしたけど、ちゃんと台詞も入っていて、何より役者とのやりとりが完璧なんですよ。それに濱田さんの場合、NGがほとんどなかったんです。むしろアメリカ人の役者の方がNG出していて。これは濱田さんの役者としての天性なのかもしれないですけど、驚きました」と語り、濱田氏の役者としての凄みを賞賛した。そして、サウスバイサウスウエスト映画祭をはじめとした海外映画祭での反応についても触れ、「これはお世辞抜きで、いろんな海外映画祭でも濱田さんは絶賛されていました。彼は普段から英語が話せる人なのか?って沢山質問されました。普通、英語があまりうまくない人を使う場合、編集テクニックで誤摩化したりするんですが、濱田さんの場合、そんなことをする必要が一切なかったんです」と語ると、「でも、僕は完成品を観たのがアメリカでの上映でだったから、当然日本語字幕なんてついていないでしょ。自分で演じているんだけど、自分が何を話しているのか全然わからなくって」と語り、またもや観客の笑いを誘った。そして意外にも本作ではじめて海外映画祭に参加した経験について質問がおよぶと、「海外のお客さんが大笑いしたりしているのを真近で感じて思ったのは、やっぱり映画ってお客様のものだなってことですね。そういう意味でも凄く勉強になりました。『サケボム』は僕にとって、キャリアのひとつとしても本当に素敵な経験をさせてもらった作品ですし、生涯忘れられない作品になりました。ぜひ日本のお客様にも楽しんで欲しいです」と観客にメッセージを送った。
会場は、濱田氏とサキノ氏の息の合った掛け合いに終始笑いが絶えず、暖かい雰囲気に包まれた。