河瀬直美監督最新作『2つ目の窓』(7/26公開)が正式出品された、第67回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門の授賞式が終了いたしました。残念ながら受賞には至りませんでしたが、公式上映で沸き起こった12分間のスタンディングオベーションは、間違いなく本作に感動した皆様からの称賛の証です。
授賞式後に行った河瀬監督の囲み会見のコメントが届きました。

■河瀬監督コメント
Q賞発表を終えての今の感想
正直、悔しいです。映画に力を貸してくださったすべての方、特に奄美大島の人たちに賞を届けられなかったということが、悔しいです。カンヌは、まだまだ私に課題を与えてくれるんだな、と思いました。

Q会場のひとつでは、発表時に名前がとびかったそうですが?
会場に入れなかったひとたちのために、別会場で中継をしていたらしいのですが、そこで、パルムドール発表のときに、 「ナオミカワセ!」と叫んでくださった方がいて、拍手でわいた、と聞きました。さっきも食事をしていたら、隣のテーブルの人たちから「僕たちのパルムドールだ」と声をかけられ、公式上映の後の会場でもそうでしたが、こういう一般の方の温かい反応が広がればいいなと思います。

Qキャストとはどんな話をしましたか?
若い二人が、「ここまで連れてきてくれてありがとう。私はこのことを力にします」と言ってくれました。若い人たちがそういうことを言ってくれたということが、すごくうれしかったです。

Q監督にとってカンヌとは
いい作品を撮ること、コンペに出るということが「当然」という現実があり、カメラドール、グランプリといただいて、次はパルムドールに手がかかっている、そこしかないという中、それでもまだチャレンジさせてくれる、まだ道が続いているというところだな、と。ワクワクします

Q「朱花(はねづ)の月」に続い無冠ですが
今回は本当に悔しいです。スタッフも出資者も強力な人たちで、みんなのこの作品にかける想いが強くて、その人たちに光を照らせなかったということが、悔しいです。

Q日本に帰国したらしたいことは
実りの時期をむかえているので、奈良の畑に行きたいです。