本日、10月29日(火)東京国際フォーラム内、相田みつを美術館にて映画公開記念『くじけないで』と柴田トヨの世界オープニングイベントが開催され、大のトヨさんファンであるクリス松村さんとトヨさんの息子さんである健一さんが登壇し、お二人からはトヨさんへの思いが語られ、涙と感動に包まれました。

【舞台挨拶概要】
■日時:2013年11月29日(火)
■場所:東京国際フォーラム内相田みつを美術館
■ゲスト(敬称略):クリス松村(くりす・まつむら)、柴田健一(68)(しばた・けんいち)
■MC:Mic

タレントのクリス松村さん、柴田トヨさんの息子さん、柴田健一さんです。
それではお一人ずつまずはご挨拶をお願いいたします。はじめに、柴田トヨさんの詩集の大ファンでいらっしゃい
ます、クリス松村さん、お願いいたします。本日は、トヨさんと大変ゆかりのあるお二人にいろいろとお伺いしてま
いりたいと思います。どうぞご着席ください。(女性スタッフが椅子を用意)

クリスさん:
あら、ちょっと大丈夫?力だけは男だから!(と優しく手伝い会場からは笑いが起こる)

MC:それではまず、クリスさんにお伺いします。2010 年6 月、トヨさんの詩集『くじけないで』が発売されて間もない時期に、いち早くご自身のブログでご紹介されていらっしゃいました。
詩集「くじけないで」との出会いはどんなときだったのですか?出会いのエピソードを教えていただけますか。

クリスさん:
何気なく本屋さんに行ったら、トヨさんの詩が並んでいたので、インスピレーションで購入したんです。こういう時は直感が大事でしょ。読んでみて、これは素晴らしい!と思ってブログで書いたんです。

MC:そんなトヨさんの半生を描いた映画『くじけないで』をいち早くご覧になって、いかがでしたか?

クリスさん:
この詩集と、トヨさん生き様を映画にするなんてどう表現するのかな?ととても興味がありました。詩は本当に、感じ方や感動の仕方が人によって違うので。今日こちらにいらっしゃる、健一さんの生まれる前からの、トヨさんの半生も描かれていて、とっても素晴らしいと思いました。

MC:ありがとうございます。では健一さんにお伺いします。
クリスさんを始め、本当に多くの著名人に愛されたお母様トヨさんですが、健一さんがトヨさんに詩を薦めたことがきっかけとなり詩集が発売され4年の歳月を経て映画化されました。
映画をご覧になってのご感想改めていかがですか?

健一さん:
(会場にあるトヨさんパネルを見ながら)
おっかさんに話かけたいと思います。おっかさんが大ファンだった八千草薫さんがおっかさんの役を演じて下さって、特に赤い帽子をかぶっている八千草さんはおっかさんに瓜二つで…(涙ながらに語る)
色々苦労して映画が完成したんだよ。試写会は3回も行った。毎回感動して涙が出た。
八千草さんや武田さん、おっかさんが大好きだった水谷豊さんの奥さんの伊藤蘭さん。
豪華メンバーや大勢のみなさんが心のこもった料理に仕上げてくれて、本当にこんな幸せはないよ。柴田トヨ展を初めて開催してくれたのも、この美術館でした。

今日はホームグラウンドに帰ってこれて幸せです。

MC:クリスさん、映画では健一さんとトヨさんの親子関係も描かれていますが、いかがでしたか?

クリスさん:
健一さんのお話を聞いていて、本当にトヨさんがここにいて、語りかけているみたいでした。
まだまだ私、道の途中なんだなって思います。詩って、10年前、20年前…その頃読むのと、今読むのは全く違うものでしょ。言葉で表現するのは本当に難しいんですけど…
映画そのまま、感情をこんなにも表現出来る素晴らしい親子関係ですよね。

MC:多くの人々が、くじけそうなとき、トヨさんの発信する言葉の力で、勇気づけられてきましたが、クリスさんは、人生で一番くじけたときはいつでしたか?

クリスさん:
強いキャラとかぶれないとか言われるけど、実はいっぱいあり過ぎて…
イギリスから日本に帰ってきた時ですね。それまではお勉強も出来て、エリート人生を歩んで来たから、(飛び級するまでの頭が良かった)日本に帰って来て、やり方も全然違うし何も評価されなかった。今まで勉強してきたのは何だったんだろう…って。ある日、クラスのみんなの前で先生から「あなた、お出来になるの?」と言われてとても惨めな思いをしたんです。それから勉強は一切しないて決めました。あとは、周りの子が女の子を目で追っている中、自分が男の子ばかり見て、誰にも言えなかった時ですかね。テレビに出る前まで。最近までそうでした。
でもこの詩も内容にもある様に、余計な事は考えず素直に生きて行こうと思ったんです!
自分は自分!誰かに助けてもらうんじゃなく自分自身でなんとかする。っていう意味の込められたトヨさんの詩が魅力だし勇気づけられました。

MC:健一さんはいかがですか?

健一さん:
映画の通り20ぐらいの仕事を変えたり、気に入らないと喧嘩してすぐやめる。そんな日が続いて、おっかさんに愚痴を言うと頭を3度撫でてくれたんです。本当に、何度励まされたか分からないです。私は本当にでですけなんです。一人息子なのに…女房と母親があってこそ今の自分があります。(声をつまらせ涙止まらず)

クリスさん:
トヨさんも健一さんがいなかったら、詩は世の中に出ていなかったと思うんです。
大変な親孝行だと思いますよ!

健一さん:
ありがとうございます。この詩を読んで、“自殺を思い止まった”とか“心の病気が治った”と多くの言葉を頂きました。おっかさんも死ぬ間際に、二人で色々考えながら詩を書くのが一番幸せだって言ってくれました。

MC:今『くじけないで!』と言いたい人、映画を是非薦めたいと思う人はどなたですか?

クリスさん:
毎日嫌な事がある。ツラい事は毎日あるけど、ツラいと思わないで生きてきました。
トヨさんの詩から“くじけないで”と声をかけられなくても生きて行けるようになる。
誰も助けてくれない、自分自身で乗り越えなきゃという気持ちをこの詩から、作品から感じられるようになったらその時は強くなった証拠。
私ね人前では泣けないんです。トヨさんの詩はひとりで読んで、次への一歩へ進む為のひとつです詩について言葉にするって本当に難しいですね…。とにかく“私は私!”と思えることが一番。質問の答えになってないかもしれませんが。笑

MC:息子さんの立場からみてどんな方に頂きたいですか?

健一さん:
たった一回の人生で、今日のこの場に来て下さった方達との出会いの様に、たった一回の出会いです。これが本当に嬉しい!父親が亡くなった時に、母が死にたいと言ったんです…その時は辛くて…映画にもその内容は出てきますが、詩を始めて一番幸せだったって言ってくれたんです…。色んな方、若い方にも是非見て頂きたい。

<手書き詩のボードの発表>
MC:さて、今回は、クリスさんに、トヨさんの詩集の中で一番お気に入りの詩を選んで頂き直筆で書いていただきお持ちいただきました!発表をお願いします。

クリスさん:
「くじけないで」次へ一歩進める、力強い詩だと思って選びました!

夢は平等だし、辛い事も嬉し事も同じ位あるけど、辛い事が目立っちゃうんですよね。
くじけずに進めばいつかきっと良い事があるんです。

MC:ステキな詩ですね!
このボードは、本展示会場にて、八千草薫さん、武田鉄矢さんら豪華出演キャスト陣の直筆ボードと並んで展示したいと思います。
せっかくですので、クリスさん、こちらにサインをお願いします。

クリスさん:
横書きにしか慣れてないから。笑(その場でサイン)
MC:ありがとうございます。スタッフがいったんお預かりをさせていただきますね。
さて、健一さん、いよいよ来月に映画公開を直前にし、天国のトヨさんへ、今、伝えたいことはどんなことですか?
健一さん:
実は15歳から詩を書いていたので読んでもいいですか?
(※風を朗読)

クリスさん:
親子って年々仲良くなるんですよね。私も母の背中を見るとあんなに大きかった母の存在がとにかく小さく感じる。あぁ…次は覚悟しなきゃいけないのかなとか。
MC:ありがとうございましたトヨさんもきっとお喜びになっておられることと思います。
MC:以上をもちまして「映画公開記念『くじけないで』と柴田トヨの世界スペシャルトークイベント」を終了させて頂きます。ご来場の皆様は引き続きどうぞごゆっくりご覧ください。
司会は、Micでした。ありがとうございました。