お笑いの枠を超えて、作家、俳優と、マルチな才能を発揮する天才お笑い芸人・劇団ひとり(36)。小説デビュー作でもあり100万部超の大ベストセラーとなった「陰日向に咲く」(06)で見事なストーリーテラーぶりが注目を集め、最近では、川島省吾名義の初主演作『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』(13)で驚異的なアドリブ力と憑依型の演技力も話題となっています。
  今回、自身の書き下ろし小説第二作目「青天の霹靂」を、劇団ひとりみずからが映画監督として初めてメガホンをとり、遂に9月11日(木)にクランクアップを迎えました。
  
  8月3日(土)よりクランクインした本作。劇団ひとり監督のリアリズムの追求により、オールロケを敢行。関東近郊の様々な土地での撮影を行いました。長野県・上田市では劇中の舞台となる昭和の浅草の町並みを再現するという大掛かりな撮影も行われ、監督は上田市の協力に感謝しきりの様子でした。
  
  約1ヶ月半の撮影を乗り越え迎えたラストカットは、主演の大泉洋によるマジックシーン。撮影の4ヶ月前から練習を重ねてきたプロのマジシャンでも難しいと言われるカードマジックを鮮やかに披露し、初監督作の感動のクランクアップに華を添えました。
  
  そしてこの度、初監督という重圧を跳ね除け、見事大役を果たした劇団ひとりの、万感の思いが届きました。また主演の大泉洋、ヒロイン・柴咲コウらの感動のコメントも到着。
  

【大泉洋(轟晴夫役)のコメント】
劇団ひとり組は、今までで一番大変な現場でしたが、監督と晴夫を作るのは楽しい作業でした。細部にわたって演出してくれる監督は天才肌で、やりたいことが明確だったのでやりやすく、現場でもゲラゲラ笑いあってとても楽しかったです。役者としても監督としても素晴らしかったです。
ただ、マジックシーンはどれもキツかったです。でも吹き替えは一切していないので、そこは自分をほめてあげてもいいのかなと思います。鳩を出すシーンが非常に難しく、自分は今、鳩を出すのが日本一、いやひょっとしたら世界一上手い役者かもしれません(笑)。改めて役者の大変さ・責任の重さをつきつけられた現場でしたが、本当に出演できてよかったです。素晴らしい作品でした。

【柴咲コウ(花村悦子役)のコメント】
繊細さが1カット1カットに込められている映画で、男性が多い作品なので紅一点、華やかさを大事にしました。
大泉さんは普段から面白い方なので、本番に入る前に笑いを堪えるのが大変でした。(笑)劇団ひとり監督は表情や、全てを声に出して語る方ではないので、少し不安な部分もありましが、時々褒めて下さったり、「良かったです!」と言って頂けてとても安心しました。役者としてのひとりさんとは夫婦役なのですが、キャラクターを作る上で引っ張って頂けました。

【劇団ひとり監督(轟正太郎役)のコメント】
楽しかったです。クランクインの時は、地獄みたいな日々が続くのではないかと思いましたが、初めてのわりには楽しんでできたのではないかと思っています。お芝居のシーンについてはある程度想像がついたし、シミュレーションができていました。ただ、手品に関してはやるまでどうなるのかわからない、想像以上にカメラに映ると見栄えするマジックがあれば、そうでないものもある。現場で実際に見てみて、カメラマンとかなり相談しました。
映画そして原作のきっかけとなりましたが、数年前、マジックバーで見たペーパーローズが浮いてバラに変わる瞬間にとても感動しました。あの感動を、観客の皆さんにも味わって頂けたら、それだけで十分です。

【川村元気プロデューサーのコメント】
吹き替えなしで、全部本人でマジックをやってほしい。そんな劇団ひとり監督の期待に見事に応えた、大泉洋さんのマジックシーンの数々は圧巻でした。大泉さんの数か月にわたる猛特訓に頭が下がる思いでした。体中の筋を痛めながらマジックを黙々と練習しつつ、難しい芝居のシーンを演じている大泉洋さんは本当にしんどそうでしたが、クランクアップ後の晴れやかな表情がいまでも忘れられません。
劇団ひとりさんも、初監督という重責を担いながら、出演も果たすという一人二役はかなり大変だったと思います。しかしそんな苦労や迷いを現場では一切見せずに、見事なリーダーシップを発揮し、いつしかキャスト・スタッフが一丸となっていきました。大泉さんからのセリフの提案なども積極的に取り入れ、シーンをつくりあげていく二人の様子はさながら、劇中のコンビそのものでした。
そしてそんな大泉さん、劇団ひとりさんを支えたのが、紅一点の柴咲コウさんでした。マジックシーンや監督業で、それぞれシリアスになる局面も、柴咲さんが現場に来ると和むことも多く、本当に柴咲さんの存在感に助けられた現場でした。
劇団ひとり、大泉洋、柴咲コウ、それぞれの才能と努力がかけあわさって、素晴らしいシーンの数々が撮れました。あとはこれからはじまる編集で、劇団ひとり監督の新たな才能の発露を目撃するのが、いまから楽しみです。